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【世界基準を追いかけろ】Vol.92「パットコーチが花形になる日も近い?」

松山英樹のコーチを務める目澤秀憲、松田鈴英のコーチを務める黒宮幹仁。新進気鋭の2人のコーチが、ゴルフの最先端を語る当連載。今回は前回に続きパッティングコーチについて話してもらった。

TEXT/Masaaki Furuya ILLUST/Koji Watanabe

前回のお話はこちら

GD パッティングコーチのスキルって、スウィングコーチとどういうところが違うんですか。

目澤 ショットとパットでは、ボールパフォーマンスが全然違いますからね。パッティングコーチは、そこをちゃんと理解していないとできないですよね、絶対。デービッド・オーも10年間パッティングの研究をしてきて、ようやく分かってきたことを周囲にシェアし始めているぐらいですから。

GD 採取できるデータ量もショットとパットで違うんですか。

目澤 データ量は絶対に違いますね。


黒宮 実際に(パッティングコーチの)橋本さんは、いろんな選手のパッティングのエビデンスは凄く取っているんですよ。彼は特定の契約選手を作らずにやってきましたからね。機材を使うスキルの優劣の差は、勉強すればなくなってくるので、そうなると教えてきた数やデータの多さが、パッティングコーチとしては強みになりますよね。

X アメリカのパッティングコーチはフィル・ケニオンやデービッド・オーの後に新しい人は出てきているんですかね。

目澤 スペイン人のラモンさんというコーチもパット専門で、A・アンサーやキース・ミッチェル、ラッセル・ヘンリーなど多くの選手を教えていますね。

GD 日本のパッティングコーチ事情はどうなんですかね?

黒宮 今、うちのスタジオに丸山颯太という22歳のパッティングコーチがいます。元々はプロを目指していたんですが、進路で迷っている時にTPIの講習を勧めたんですよ。受講したあとに本格的にコーチをやりたいとなり、パット専門のコーチでうちのスタジオでやってみようとなったんです。もちろん最初は、経験を積むためにデータを取ったり、エビデンスの数を増やさないといけない。それで僕が福井工大に教えに行った時に彼を一緒に連れていき、2日間で60数名のパッティングのストロークの撮影とデータの収集を行いました。レッスン後のストロークの変化や、自分が教えたことに関してどのような反応が選手からあったかなどを、聞き取りしてもらったんですよ。

GD 丸山さんは、黒宮さんのスタジオに常駐しているんですか。

黒宮 最初はレッスンをする場所が要るでしょうから、当面はうちのスタジオで仕事しています。

GD ツアー会場で選手に教えたりなどは?

黒宮 今は、橋本さんがレッスンをする時に、横で見て勉強している段階ですね。そういう経験を積んで、2年後くらいにはツアーに出させようと思っていますけど。

GD コーチングは経験がものをいう世界なんですね。

黒宮 絶対的にデータが必要なのは間違いないですが、人間を教えるわけですからデータ通りにいかないことも出てきます。そのときにそれを察知して対応するスキルが必要になってきて、それには実地で教える数がものをいいます。ですからその意味でも、最低2年くらいの経験が必要かなと思っています。

目澤秀憲

めざわひでのり。1991年2月17日生まれ。13歳からゴルフを始め、日大ゴルフ部を経てプロコーチに。TPIレベル3を取得。2021年1月より松山英樹のコーチに就任

黒宮幹仁

くろみやみきひと。1991年4月25日生まれ。10歳からゴルフを始める。09年中部ジュニア優勝。12年関東学生優勝。日大ゴルフ部出身。松田鈴英、梅山知宏らを指導

X氏 目澤と黒宮が信頼を置くゴルフ界の事情通

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月28日号より