Myゴルフダイジェスト

【女子プロ飛ばしの秘密】山路晶「体重移動は意識しない。使うのは“地面の力”です!」

渋野日向子、勝みなみ、原英莉花らと同じ黄金世代の山路晶は、昨季のドライビングディスタンスは250.61Yで7位と次世代の飛ばし屋として注目される選手だ。そんな彼女の飛ばしのコツとは?

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa THANKS/ダイキンオーキッドレディス、明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ

山路晶
1998年9月10日生まれ。身長166㎝。2019年プロテスト合格。ツアー未勝利。2020-21年ドライビングディスタンス7位(250.61Y)

“地面の力”をフル活用

GD 飛距離について、どんなことを考えていますか?

山路 ジュニアのときから飛んでいたのですが、今でも「もっと飛ばしたい」という気持ちは強いです。単純ですけど、ゴルフ=飛距離、みたいな感覚があるんです。

GD 今年はどのくらい飛ばしたいですか?

山路 目標はキャリーで255~260Yです。そのためにフィジカルトレーニングもしてきましたし、GC4(弾道計測器)を買って弾道データもチェックしています。ヘッドスピードよりボール初速を上げる(ミート率をよくする)ことがテーマで、新しいドライバー(テーラーメイド・ステルスプラス)に替えて初速が上がりました。昨季に球筋をフェードに変えたことで、曲がり幅が少なくなったから、もっともっと飛距離を伸ばせるかなと思っています。


GD 飛ばすときの技術的なポイントはありますか?

山路 地面反力じゃないですけど、下(地面)の力を最大限に使う意識はあります。ただ、インパクトに向けてジャンプするような感じでもないんです。感覚としては、左足は真下へ押し込み、右足は蹴るようなイメージです。以前は右から左へという体重移動を使っていましたが、今は1軸のイメージで体を回しています。ただ、軸はココというような固定する意識もありません。

GD スリムな体型ですし、トップもあまり深くないですが、どうして飛ぶのでしょうか?

山路 自分でもよくわかりません。ただ、学生時代、水泳でジュニアオリンピックを目指していたので、体の柔軟性や体幹の強さは大きく影響しているかもしれません。スウィングしているときも腕を使うという感覚がまったくないんです。体幹でボールを押し込むような感覚に近いですね。

GD 飛距離のアドバンテージは大きいですか?

山路 ドライバーが飛ぶとアイアンが高弾道で打てます。そうするとグリーンでボールを止めやすくなります。これは自分にとっても大きな武器です。飛べば当然、曲がり幅は大きくなりますが、曲がるのは仕方がないこと。もっと飛ばしたい、その思いだけでゴルフは楽しめますから。

【Point 1
体重移動は一切意識していない
以前は下半身を使って体重移動をしていましたが、今は一切していません。体幹を使ってボールを飛ばす、そのイメージだけです。実は軸もあまり考えていないんです。固定すると動きが窮屈になるからです

【Point 2】
肩と股関節の柔軟性が大事
水泳は平泳ぎがメインでしたが、メドレーまで全種目やりました。そのおかげか、体の柔軟性は今も維持できています。とくに大事なのが肩関節(肩甲骨)と股関節です。股割や肩のストレッチは毎日やっています

柔軟性の高さを見せてくれた山路。「体幹を使う水泳がゴルフの飛距離アップに生かされています」

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月12日号より

こちらもチェック!

  • 17、18年と2季連続でドライビングディスタンス1位を獲得し、昨季も平均250Y超飛ばした葭葉ルミ。いったいどのようにして飛ばしているのか。意識しているポイントを聞いてみた。 PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ 葭葉ルミ1993年3月12日生まれ。身長162㎝。2012年プロテスト合格。ツアー通算1勝。2020-21年ドライビングディスタンス8位(250.03Y) トップまで左ひざは動かさないこと GD 飛ばすために意識していることは?葭葉 重視するのは捻転を大きくすることです。イメージでいうなら「雑巾を絞ったときのような形」です。捻転ができれば、ヘッドスピードは自然に速くなります。GD 捻転を大きくするには、どうすればいいのですか? この記事は会員限定です続きを読むには会員登録が必要です 葭葉 あくまで私の意識ですが、下半身よりも上半身をしっかり回すことです。下半身まで一緒に動いてしまうと雑巾のようなねじれは作れません。そこでポイントになるのが左ひざです。トップまで左ひざはあまり動かさないようにすること(実際には動く)。そして上半身はアドレスの右肩の位置に左肩を持っていくようにして回転させます。この2つで大きな捻転を作っています。ただ捻転を作るにはフィジカルも不可欠です。ランニングや体幹トレーニングなどは、できるだけやるようにしています。GD 弾道計測によるデータでは、どんな項目を重視しますか?葭葉 飛距離で考えるならボール初速とヘッドスピードです。どちらも上がれば、飛距離は確実に伸びます。ただ、ヘッドスピードが速くても芯に当たらなければ、ボール初速は出ません。だから両方のデータを必ずチェックしています。体の軸がブレると打点や出球の高さが変わりますから、あまり動きすぎず、軸を安定させたまま、振り抜くようにしています。あとはスピン量です。目安は2000rpm。スピン量が適正でないと飛距離のロスは大きいですから。GD スウィングにおける技術的なポイントはありますか?葭葉 ドライバーはアッパー軌道が基本ですが、アッパーになりすぎるとフェースが開いてスピン量が増えます。ですから、左下に向かってボールを投げるようにヘッドを振り抜くイメージを持っています。そもそもドライバーのボール位置は左ですし、ティーアップが高いので自然にアッパー軌道で打てます。アッパースウィングになりすぎないよう、できるだけ低く長くヘッドを出していく意識があると強いボールが打てます。 Point 1雑巾を絞るように捻転を大きくする 私のイメージでは下半身はどっしりさせ、上半身をしっかり回す意識です。下半身が動きすぎるとスウィング軌道まで変わってしまうため、打点のブレ、出球の高さなどが安定せず、効率よく飛ばせません Point 2低く長く振り抜いていく 飛ばそうと思うほど、アッパー軌道になりやすいですが、アッパーが強くなると力は逃げてしまいます。左下にヘッドを叩きつけるようなイメージで振り抜くと、力が乗った強い球が出ます 週刊ゴルフダイジェスト2022年4月12日号より こちらもチェック!
  • 注目女子プロのスウィングを豪華解説陣が徹底分析。一般ゴルファーと変わらないヘッドスピードにもかかわらず、なぜ平均240~250Yも飛ばせるのか。飛距離アップのヒントが満載! 今回は、堀琴音、勝みなみ、西郷真央、西村優菜、笹生優花の5人をピックアップ! 西郷真央 勝みなみ 堀琴音 西村優菜 笹生優花 こちらもチェック!
  • 華やかに見える女子ツアーだが、シードを獲得し、トップで活躍できる選手はほんの一握り。次々と若い世代が登場し、シードを維持することも容易ではない。戦国時代さながらの女子ツアーを生き残るため、笑顔の裏で、人知れず悩み、努力を重ね、必死で戦い続けている。そんな女子プロたちの心の内に迫ってみた。 渋谷の街を颯爽と歩く柏原明日架(PHOTO/Takanori Miki) 実はショットに苦しんでいた?小祝さくらが語った昨シーズン 毎週負けたくない!稲見萌寧のメンタリティ プロ入り18年目でも「全然飽きない」進化を止めない上田桃子 「やらされる」から「自らやる」に新生! 柏原明日架 笠りつ子どん底からの再出発 「忘れられたくない」堀琴音、初優勝までの苦闘 諸見里しのぶ第二のゴルフ人生 「まだまだこれから」三ヶ島かなの目指す場所 米ツアー参戦10年目上原彩子の驚くべき「順応性」 「ミスをしても悔やまなくなった」大里桃子の“成長”
  • 今季から女子ツアーで距離測定器の使用が認められるようになった。開幕戦のダイキンオーキッドレディスではさっそくキャディが距離計を使用する場面が見られたが、「距離計には頼らない」というキャディも少なくなかった。 PHOTO/Hiroyuki Okazawa JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)では、今シーズン開幕前の1月31日に「2022JLPGAローカルルールおよび競技の条件」の一部変更を発表した。変更点は2つで、ひとつは46インチを超える長さのクラブの使用禁止(パターを除く)。そしてもうひとつが、これまで禁止されていた、トーナメントでの距離計測器の使用を認めることだ(いずれも日本女子オープン、TOTOジャパンクラシックを除く)。米国では昨年、PGA・オブ・アメリカ(米国プロゴルフ協会)が主催する「全米プロ」「全米プロシニア」「全米女子プロ」での距離計測器の使用を解禁していたが、JLPGAもこの動きに追随した形だ。開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」から距離計測器が解禁されたのだが、大会に選手とともに出場したキャディに、このルール変更について聞いてみると、意外にも“使わない派”が多かった。その主な理由は、「歩測」に対する信頼感の高さ、そして距離計と歩測の数字に差が出たときに、それが迷いを生むということだ。またプレー時間の短縮についても、歩測をやめない限りは作業が増えるだけで効果は薄いとする意見もあった。まだ試行錯誤の段階のようだ。 「使う派」の意見 「歩測と併用して確認しています」(西村優菜のキャディ・小谷健太氏) 「パー3や、パー4の2打目、パー5の3打目で使います。練習日に歩測と距離計の感覚を合わせ試合で活用。選手にというより自分に対する確認の意味が強いです」 「完全に距離計だけは難しい」(青木瀬令奈のキャディ・大西翔太氏) 「距離の確認の意味で使いますね。昨年までのリズムがあるので、歩測は必ずします。今後は距離計だけになるかもしれませんが、少し時間がかかると思います」 「歩測が合っているか確認して、今後に生かします」(木村彩子のキャディ・岡本史郎氏)「使っていますが、あくまで確認のため。徐々に慣れていけばと思っていますが、現段階では歩測との誤差は1ヤード程度。使っていくことで信用できるようになると思います」 「使わない派」の意見 「距離計に頼るようにはなりたくない」(河本結のキャディ・清水重憲氏) 「できるだけ使わない。機械に依存したくないし歩測との誤差があったときに信頼できなくなる。歩測は続けるので、やることが増えてプレーが遅くなる可能性も」 「今のところ歩測で十分だと思っています」(林菜乃子のキャディ・栗永遼氏) 「今まで歩測でやってきたし、そもそも距離計を信用してない。距離計と歩測の数字が違ったら自信がなくなるし(笑)。迷う要素があるなら使わないほうがいいかな」 「イレギュラーな場合のみ使うと思います」(小祝さくらのキャディ・小畑貴宏氏)「通常は使わないですね。ただ、ティーが前に出たときや、林に打ち込んでしまったときなど、イレギュラーな場合は使うことがあるかもしれません」 「基本的には歩測で対応しています」(原英莉花のキャディ・塚本岳氏)「基本は使わないです。選手から『測って』と言われれば使いますが、今まで歩測でやってきているので、あえて計測器を使う必要はないかなと思っています」 週刊ゴルフダイジェスト2022年3月22日号より こちらもチェック!
  • 2020-21シーズン、念願の初シードを獲得した3人の女子プロを開幕前に直撃。このオフ、どんなことに取り組んだのか、そして今シーズンの目標は? 1人目は、昨年、同日に2度のホールインワンを達成した山路晶。 PHOTO/Osamu Hoshikawa THANKS/こだまGC 山路晶1998年9月10日生まれ。宮城県仙台市出身。身長166cm・B型。東北高校卒。2019年プロテスト合格。ゴルフ歴:8歳~2020-21シーズン成績●メルセデスランク/47位 ●賞金ランク/55位 ●最高位/3位タイ(21年ニトリレディス) ●年間トップ10回数/7回 ●ドライビングディスタンス/250.61Y(7位) ●イーグル数/10回(4位) ボール初速アップとミート率向上が課題 女子選手のなかでも飛ばし屋として注目されている山路晶は、メルセデスランク50位以内で初シードを獲得。「昨季はQTランクがかなり下(107位)だったのでそこからリランキングで上位に上がれたのがよかったです。その結果、シード権も獲得できたのかなって思っています。今季に向けては苦手なアプローチ、100Y以内のショットに取り組みました。GC4(弾道計測器)を買ってデータから見直すようにしました。あとは飛距離アップです。すでに飛ぶじゃんと言われますけど、まだまだ飛ばしたいんです。クラブも新しくなってボール初速が上がりましたし、昨シーズン、スウィング改造して球筋をフェードに変えたので、曲がり幅も抑えられているから、もっと飛距離が生かせると考えています。目標はあと5Yプラスしてキャリーで260Yです。そのためのフィジカルトレーニングもしていますし、GC4でミート率アップにも取り組んでいます」山路は5月のリゾートトラストレディスで同日に2度のホールインワンを達成し、ギネス世界記録に認定された。その理由がなんともおもしろい。「私、ピンしか狙わないんです。グリーンが見えたらとりあえずピンにいっちゃうんです。だからホールインワンになったのかなと思います。周りにはもっとコースマネジメントしなさいって言われますけど、試合になるとピンしか見えなくなるんです。でも今はそれが楽しいし、もう少し攻めのゴルフを続けていきたいです」豪快な飛ばしとピンしか狙わない攻めのショットに注目だ。 ニュードライバーで初速2~3m/sアップ テーラーメイドのニュードライバー「ステルス プラス」で初速が2~3m/sアップしたという山路。カーボンフェースの打感が少し気になるというが、弾道データ的にはかなりよくなった。相性は抜群のようだ 「ピンしか狙わないんです」 愛知県のセントクリークGCで行われたリゾートトラストレディス2日目、3番150Y(9I)と7番175Y(7I)でホールイワンを達成。プロの試合で1ラウンド2度のホールインワンは女性では世界初の快挙だ(男性では宮里優作が過去に米ツアーで達成)。「いつもピンしか狙わないので、それで入っちゃいましたね」(山路) 誌面未掲載写真も公開! 週刊ゴルフダイジェスト2022年3月15日号より こちらもチェック!
  • 個人スポーツのゴルフだが、過酷なシーズンを戦い抜くうえで、今やコーチやトレーナーといった「チーム」の存在は欠かせない。昨シーズン賞金女王に輝いた稲見萌寧を支えるべく、今季から新たに1人のトレーナーがチームに加わった。新トレーナーが稲見の課題として掲げたテーマとは? PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa ILLUST/Takanori Ogura 昨シーズンを振り返って「いろいろあったシーズンでした。9勝を挙げられたのはよかったのですが、一番印象に残っているのは腰をケガしてしまったことです」と語った稲見萌寧。「昨年10月のマスターズGCレディス最終日に腰が痛くて棄権してしまいました。もし最後までやり切れていたら、賞金女王以外にもメルセデスランキングなど、他の記録でも1位になれる可能性があったのでもったいないことをしてしまったという後悔と、大事なときにケガをしてしまったことへの反省があります」昨年の経験を踏まえ、1月から新トレーナー澤木弘之氏を迎え、新チームでスタートを切った。今の課題について、澤木氏は次のように語る。「課題は上半身の柔軟性です。彼女を最初に見たとき、アスリートでは考えられないくらい体が硬かった。体が硬いと捻転が上手くできないため、無理に腰で体を回そうとしてしまいます。これが腰痛の大きな原因です。なので、まずは上半身。特に肩甲骨周りの可動域や筋肉の柔軟性をアップさせて無理のないスウィングをできるようにケアに当たっています。そうすれば自然と捻転も深くなり、安定性も増すはずです」新加入の澤木氏に加え、昨年同様技術のスペシャリスト奥嶋誠昭コーチと体のスペシャリスト平野洋平氏が賞金女王を支える。さらにパワーアップした稲見萌寧が見られそうだ。 「ケア」のスペシャリスト澤木弘之 社会人野球選手などの施術を行うスポーツトレーナー。今年から稲見の専属に 新トレーナーとの出会いは突然に… 「アスリートでは考えられない体の硬さでした」 腰のケガの原因は体の硬さにあるという澤木氏。まずは柔軟性を高めることが第一目標だという 【ケアPoint 1】肩甲骨周り肩甲骨周りの可動域が少なく、余計な力が入りやすかった。可動域を増やすことで体に負担が少ないスウィングを手に入れられる【ケアPoint 2】腰の痛み体の柔軟性がないことから、スウィング中、無理に腰を回していたことで、重症化していた。現在は、腰の痛みを和らげ、柔軟性のアップが目標 「技術」のスペシャリスト奥嶋誠昭 技術担当。アメリカの最先端理論を踏まえつつ、稲見のスウィングを整える 技術面の課題100Y以内の精度に磨きをかける 奥嶋コーチとの間で決まった課題が100ヤード以内の精度。どんな位置からでも寄せる引き出しの多さを作ることが課題 始動はできるだけインに上げる クラブが鋭角に下りるクセがあるため、始動からできるだけインサイドに引く練習を繰り返す 「フィジカル」のスペシャリスト平野洋平 21年から稲見を見始める。自らのキックボクシングの経験を生かし指導を行う フィジカル面の課題365日体格キープ 体重増&キレの強化増量とともに体のキレのアップを行う。体を重くするだけでは、パフォーマンスは上がらない。食事改善と筋トレによる体重増加を目指す。特に長いシーズンでの体重キープが課題となる 名コーチから「卒業」する選手も 男子に比べ、コーチをつけることが多い女子選手だが、心機一転、コーチから離れる決意をした選手も 「自分で考えることで成長できると思ったんです」(三ヶ島かな) 昨シーズンは渋野日向子を育てた青木翔コーチに師事していた三ヶ島かな。最終戦リコーカップの優勝で卒業を決意。「昨年はイチから基本を学び直させてもらいました。そのおかげで優勝もできました。次は自分で考えることで成長したいと思い、ひとり立ちを選択しました」 小祝さくらは「チーム辻村」から卒業 上田桃子など多くのトップ選手を指導する辻村明志のもとで腕を磨き、成績を残し続けていた小祝さくら。今シーズン、チーム辻村を卒業することを決意した 月刊ゴルフダイジェスト2022年4月号より こちらもチェック!