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「機械に頼りたくない」「歩測が基本」女子ツアーで“距離計”解禁も「使わない」が多数派。その理由は?

今季から女子ツアーで距離測定器の使用が認められるようになった。開幕戦のダイキンオーキッドレディスではさっそくキャディが距離計を使用する場面が見られたが、「距離計には頼らない」というキャディも少なくなかった。

PHOTO/Hiroyuki Okazawa

JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)では、今シーズン開幕前の1月31日に「2022JLPGAローカルルールおよび競技の条件」の一部変更を発表した。変更点は2つで、ひとつは46インチを超える長さのクラブの使用禁止(パターを除く)。そしてもうひとつが、これまで禁止されていた、トーナメントでの距離計測器の使用を認めることだ(いずれも日本女子オープン、TOTOジャパンクラシックを除く)。

米国では昨年、PGA・オブ・アメリカ(米国プロゴルフ協会)が主催する「全米プロ」「全米プロシニア」「全米女子プロ」での距離計測器の使用を解禁していたが、JLPGAもこの動きに追随した形だ。

開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」から距離計測器が解禁されたのだが、大会に選手とともに出場したキャディに、このルール変更について聞いてみると、意外にも“使わない派”が多かった。その主な理由は、「歩測」に対する信頼感の高さ、そして距離計と歩測の数字に差が出たときに、それが迷いを生むということだ。またプレー時間の短縮についても、歩測をやめない限りは作業が増えるだけで効果は薄いとする意見もあった。まだ試行錯誤の段階のようだ。

「使う派」の意見

「歩測と併用して確認しています」
(西村優菜のキャディ・小谷健太氏)

「パー3や、パー4の2打目、パー5の3打目で使います。練習日に歩測と距離計の感覚を合わせ試合で活用。選手にというより自分に対する確認の意味が強いです」

「完全に距離計だけは難しい」
(青木瀬令奈のキャディ・大西翔太氏)

「距離の確認の意味で使いますね。昨年までのリズムがあるので、歩測は必ずします。今後は距離計だけになるかもしれませんが、少し時間がかかると思います」

「歩測が合っているか確認して、今後に生かします」
(木村彩子のキャディ・岡本史郎氏)

「使っていますが、あくまで確認のため。徐々に慣れていけばと思っていますが、現段階では歩測との誤差は1ヤード程度。使っていくことで信用できるようになると思います」

「使わない派」の意見

「距離計に頼るようにはなりたくない」
(河本結のキャディ・清水重憲氏)

「できるだけ使わない。機械に依存したくないし歩測との誤差があったときに信頼できなくなる。歩測は続けるので、やることが増えてプレーが遅くなる可能性も」

「今のところ歩測で十分だと思っています」
(林菜乃子のキャディ・栗永遼氏)

「今まで歩測でやってきたし、そもそも距離計を信用してない。距離計と歩測の数字が違ったら自信がなくなるし(笑)。迷う要素があるなら使わないほうがいいかな」

「イレギュラーな場合のみ使うと思います」
(小祝さくらのキャディ・小畑貴宏氏)

「通常は使わないですね。ただ、ティーが前に出たときや、林に打ち込んでしまったときなど、イレギュラーな場合は使うことがあるかもしれません」

「基本的には歩測で対応しています」
(原英莉花のキャディ・塚本岳氏)

「基本は使わないです。選手から『測って』と言われれば使いますが、今まで歩測でやってきているので、あえて計測器を使う必要はないかなと思っています」

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月22日号より

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