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もはや日本に来る必要がなくなった!? 韓国選手が日本の女子ツアーに参戦しない理由

数年前までは、日本の女子ツアーで多くの韓国選手が活躍していたが、近年、日本ツアーに参戦する韓国選手が減っている。その理由を調べてみると、韓国女子ツアーの驚くべき実情が見えてきた。

取材・文/金 明昱
PHOTO/KLPGA、Hiroyuki Okazawa

KLPGAの“広報モデル”10選手。右からチョ・アヨン、パク・ミンジ、パク・ヒョンギョン、キム・ジヒョン、チェ・ヘジン、チャン・ハナ、イミ・ヒジョン、イ・ガヨン、パク・ギョル、イ・ダヨン

日本女子ツアーに迫る勢い

「すごい勢いで韓国女子ツアーは発展している」と言うのは、韓国ゴルフ事情に詳しいライターの金明昱(キム・ミョンウ)氏。

「昨シーズン年間6勝したパク・ミンジの獲得賞金は1億5000万円。国内でも十分稼げるという認識に変わってきています。さらに、国内では次々に若手プロが登場。女子ゴルフが人気コンテンツへと成長し、多くの企業がスポンサーに名乗りをあげるようになったんです。

また、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)も様々な施策を打ち出しています。上の写真はKLPGAの広報モデルの10選手で、メディアに多く露出したり、ファンとの交流を行ったり、ツアー発展のために大きな役割を担っています。これだけでも“本気度”が伝わってきますよね。韓国女子ツアーが日本の規模に追いつく日は、そう遠くないかもしれません」

KLPGAのココが凄い1
選手から“広報モデル”10人を選出

KLPGAのココが凄い2
メディア露出が半端ない

メディアに多く露出し、選手がアイドル的存在になることで、ツア-全体の注目度が増し、企業やファンに喜ばれる

KLPGAのココが凄い3
独自のアプリを開発

独自のアプリを開発し、選手の詳細情報や試合結果などが見られる。さらに、オンラインショップでKLPGAツアー公式グッズなども購入可能

KLPGAが目指すのは「世界最大のツアー」

【秘策1】新会長に経済界の大物起用
昨年、ハナ金融グループのキム・ジョンテ氏がKLPGAの新会長に就任。「KLPGAツアーを世界一のツアーにする」と熱く語った
【秘策2】放映権を海外へ販売

放映権を積極的に日本など海外に販売し中継を行う。多くの国、多くの人に見られれば当然、ツアーとしての認知度がアップする
【秘策3】韓国以外の国で試合を開催

今年の12月には台湾、シンガポール、ベトナムで試合を行う。いずれはアメリカで行いたいともくろんでいる

日本ツアーに参戦する韓国選手が減っている

【理由1】日本のQT制度の変更

コロナの影響に加え、正会員でないと日本のQTが受けられなくなったことで、ハードルが上がった
【理由2】KLPGAツアーの試合数増加

10年前と比べると10試合増え、賞金額も急増。わざわざ国外へ出ていく必要がなくなってきた
●2012年:22試合(賞金総額約11億2800万円)
●2022年:33試合(賞金総額約30億5000万円)

懸念材料も…
「アメリカへ行く選手が減るかもです」

「国内ツアーが充実することは素晴らしいことですが、国内で満足する選手が多くなり、世界へ出ていく選手が減るかもしれません」(申ジエ)

月刊ゴルフダイジェスト2022年5月号より

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