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4試合で3200km走破! フェニックスオープンでV争いの新人「ティーガラ」ってどんな選手?

世界ランクトップ10のうち5人がベスト10入りした「ウェイストマネジメント・フェニックスオープン」だが、大会の主役は3日目までトップを走ったルーキーだった。

主催者推薦で出場したサヒス・ティーガラ(24)は、初日から最終日の16番までトーナメントを引っ張った。しかし17番で悲劇が。ワンオン可能なパー4でUTを手にしたティーガラのティーショットはフェードを描き、狭い花道に落ちグリーンセンターをとらえるはずだった。最低でもバーディを奪えば応援に駆けつけた両親と5人のおじ、6人のおば、4人のいとこに優勝を見せられるかもしれない。

「完璧なショットだった」と本人。だがキックが悪かった。左に強く跳ねたボールは無情にも池に吸い込まれた。

同組のスコッティ・シェフラーがバーディを奪い、優勝につなげたのとは対照的なボギー。18番チップインバーディならプレーオフ進出という場面で、会場を埋め尽くしたギャラリーからティーガラに対する声援が巻き起こる。しかし奇跡は起こらず3位に終わった。

「歓声は素晴らしかった。いろいろあったけれど今週の自分のプレーは誇りに思う」と気丈に振る舞うも、家族に囲まれるとおえつを漏らし頬を濡らした。

カリフォルニア出身のインド系アメリカ人のティーガラは、15年にダイヤモンドバー高校を卒業。先輩にはケビン・ナがいる。ペパーダイン大学を卒業して20年にプロ転向、昨年下部ツアーで上位に入り今季PGAツアーに昇格。

プロには珍しい実家住まいで、「車の中で反省会をしながらロスに戻る」と言って会場を後にした。1月から続いた“ウェストコーストスウィング(西海岸巡業)”もジェネシス招待で終了するが、ティーガラはここ4試合、自身の運転で車移動してきた。走行距離は3200キロ超え。ルーキーの険しくも充実した旅は続く。

学生時代にベン・ホーガン賞などアマチュア学生3冠を獲得し、史上5人目の快挙を成し遂げた(Photo by Mike Mulholland/Getty Images)

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月8日号より

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