Myゴルフダイジェスト

【フェニックスオープン】“未勝利の最強男”スコッティ・シェフラーが念願のツアー初優勝

1週間で数十万人のギャラリーを集める「ウェイストマネジメント・フェニックスオープン」で、スコッティ・シェフラーが念願の初優勝を飾った。

一昨年ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝き、デビュー以来2位が4回、ベスト10入り16回を数えながら、なぜか勝利とは無縁だったシェフラーに、歓喜の瞬間が訪れた。

最終日の上がり6ホールで4バーディを奪って先を行くP・カントレーに並び、プレーオフに進出。18番で行われたサドンデス3ホール目で7.5メートルのパットを沈め、バーディを奪ったシェフラーが勝利を手繰り寄せた。

グリーンサイドから猛ダッシュで駆け寄ってきた妻メレディスさんと抱き合うと、190センチの大男の瞳から大粒の涙がこぼれる。

「これまでの努力が報われた。彼女にも苦労をかけてきたし、どれだけの人に感謝を伝えればいいのかわからない」

ルーキーイヤー(19-20年)に未勝利ながらポイントランク5位に入り、トッププロの仲間入り。まだ25歳の若者は優勝を目指して邁進するも、これまでの70試合はトロフィに手が届かなかった。それでもメジャーで4度トップ10に入り、ライダーカップでは世界ナンバー1のJ・ラームと対決して勝利するなど、数々のストーリーを紡いできた。世界ランク15位の彼についたニックネームは“未勝利の最強男”。

「(最終日の)13番で、キミはプレーオフまで行くよ、と誰かに予言されたら、まさかと思いながらも『それはありがたい』と言ったはず。でも本当に、そこから3連続バーディでトップに食らいついていけた」

本戦の18番で3メートル弱を沈めていれば、プレーオフなしで勝てていたが、「あれは仕方ない。むしろプレーオフになって大会を盛り上げられて良かった」と新チャンピオンは白い歯を見せた。1つ勝って肩の荷を下ろした大器の今後が楽しみだ。

ついに悲願の初勝利を挙げた25歳。今季の台風の目となるか(写真は2021年全米オープン。PHOTO/Blue Sky Photos)

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月8日号より