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【わかったなんて言えません】Vol.69 香妻陣一朗 #2「めだかの教え」

「ゲンちゃん」こと時松隆光がプロを招いてトークをする連載「わかった! なんて言えません」。今週のゲストは前回に引き続き、同じ九州出身でジュニア時代から切磋琢磨してきた香妻陣一朗プロ。今回は、香妻プロが育った「めだかクラブ」のお話。

TEXT/Yuzuru Hirayama PHOTO/Tadashi Anezaki

ホスト/時松隆光

1993年生まれ、福岡県出身。ツアー通算3勝。プロ10年目。テンフィンガーグリップで戦う。愛称は“ゲンちゃん”

ご指名/香妻陣一朗

1994年生まれ、宮崎県出身。12年プロ入り。20年の三井住友VISAマスターズで初優勝。昨季は賞金ランク8位。SNSにも注目

前回のお話はこちら

香妻 この取材では「源さん」って言っているけど、普段は「源くん」って呼んでますよね。

時松 九州のジュニアゴルファー同士で年齢が近ければ「さん」付けはないからね。僕も(秋吉)翔太くんとか(出水田)大二郎くんだから。「さん」付けは5歳上の(重永)亜斗夢先輩くらい。

香妻 僕も、(永野)竜太郎さん(6歳上)は「さん」付けです。

時松 陣は鹿児島だし飲兵衛だよな。オフだから飲んでる?

香妻 シーズン中、飲むのは月曜日、火曜日だけですけど、オフはまあ飲んでますね。基本は好きですから(笑)。

時松 陣は(秋吉)翔太くんよりも強いよな。

香妻 いやぁ~、翔太くんも飲みますからね。

時松 (出水田)大二郎くんが一番かな。

香妻 ですね。酔ったのを見たことないです。でも、源くんも結構飲みますよね。

時松 翔太くんにだいぶ鍛えられたから、稲森(佑貴)よりは飲めるかな。

香妻 顔真っ赤になりますよね。

時松 九州出身では、(池村)寛世も飲めないな。

香妻 飲めないです。寛世とは小さいころから一緒なんですけど、先輩の結婚式で飲まされすぎて会場で吐くという大惨事をやらかしてますから(笑)。

時松 お母ちゃんの実家が芋焼酎の「魔王」を作ってるのにな。

香妻 魔王の芋です。芋農家ですよ。寛世のことは小学生くらいから知ってますから。

時松 二人は、横峯良郎さんが鹿屋に作った「めだかクラブ」で一緒だったんだよな。めだかといえば「竹割り」ショットが有名だけど、陣もやったの。


香妻 やってましたよ。あれは練習の最後の締めなんです。夜の9時で練習が終わるんですけど、最後に20Y先に刺してある青竹に当てて割る「竹割り」か、100Y先に2mくらいの幅でぶら下がっている2本のロープの間を何球か通すっていうのをやらないと終われないんです。竹割りは本当に当たらなくて、夜中の11時とかになるんです。

時松 竹は細いもんなぁ。

めだか時代の香妻。「練習の最後に20Y先に刺してある青竹に当てて割らないと帰れないなんて練習法もありました」

香妻 上がりたい一心でやるっていうのが、よい練習になるということだと思います。

時松 集中力を養うんだろうね。

香妻 竹割やロープの間を抜く以外に、パター練習もあるんです。コンクリートの上に作ったパッティング練習エリアがあって、これがめっちゃ速くて、多分14フィートくらいあるんです。

時松 速っ。

香妻 傾斜にカップが何個か切ってあって、何球か連続で入ったら上がりで、外すとイチからやり直しなんです。

時松 めっちゃ大変そうだな。横峯さんは技術的なことは教えるの。それとも、もっぱら課題を与えてやらせるだけ?

香妻 そうですね、スライスばっかり出たら、お前はスライスばかり打つからこっち(左打席)から打っとけって言ったりはしますけど。

時松 スライス打ちは左ネットに出球が当たるからね。でもスウィングは教えないんだ。

香妻 スウィングを教えてもらったことないですね。走らされるか、トレーニングさせられるか、練習させられるか。あと練習をサボってたらシャフトでケツを叩かれるかでしたね。

時松 やめたくなったりはしなかったの。

香妻 ゴルフをやめたくなったこと、源くんも小さい頃、なかったですか。だいたいプロになれると思っていなかったし。

時松 やめたい、はないなぁ。クラブ握りたくないはあったけど。

香妻 ああ、確かに、やめたいはないか。

時松 陣は、プロになると思っていなかったの。

香妻 小学生の頃は、プロの世界は別世界で、一握りの人しかプロになれないって思っていた。だから自分は、プロにはなれないけど、でも頑張ろうという感じでやっていたと思います。うちの親もたぶん、僕がプロになれるとは思っていなかったんじゃないかな。でも姉ちゃん(琴乃)は最初からプロにさせようと思っていましたね。

時松 へぇ~、どうして。

香妻 横峯のおじちゃんとうちの親父が、当時の女子プロの試合を見に行って、女子プロたちがラウンド後に練習場にほとんどいないのを見て。2人で、「女子プロのレベルってたぶんそんなに高くないぞ、これなら子どもたちをめちゃくちゃ練習させたらプロになれる」って言い出して。それで横峯さんがめだかクラブを始めたんです。そこからはめっちゃ突き詰めた練習をしていましたね。

時松 お姉さんが。

香妻 姉ちゃんよりさくらさんの練習量はヤバかったです。びっくりするくらい練習してた。夜の12時とかざらでした(笑)。

時松 それはすごい。めだかクラブから男女のプロがたくさん出ているというのもわかります。

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月1日号より