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【PGAツアーHOTLINE】Vol.20 マックス・ホーマ<後編>「最強のプレーンドリル」

PGAツアーアジア担当ディレクターのコーリー・ヨシムラさんが米ツアーのホットな情報をお届けする隔週連載「PGAツアーHOTLINE」。第20回のテーマはマックス・ホーマの“練習法”について。

ARRANGE/Mika Kawano PHOTO/Blue Sky Photos

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ビジェイ・シンもよくやっていた練習法

ショットメーカーのマックス・ホーマが「すべてのゴルファーに役に立つ」というドリルは、決して複雑なものではありません。

まずクラブを握り、アドレスします。次にアライメントスティック(棒)を飛球線後方に斜めに刺すのですが、その際シャフトアングルとスティックの傾きを揃えます。このときスウィングの妨げにならないようにある程度距離をとってスティックをセットしましょう。


「この状態でスウィングするのですがテークバックをインサイドに引き過ぎるとスティックにクラブが当たってしまいます。良いショットを打つには正しい軌道で振ることが重要ですが、アマチュアはインサイドに引き過ぎる人がとても多い。ややアウトサイドに引くほうが正しいプレーンにクラブを乗せることになることを覚えておいてください」とホーマ。

これは練習の虫といわれた元世界ナンバー1のビジェイ・シンがよくやっていたドリル。31歳のホーマはシンの全盛期は知りませんが、時代は変わってもオンプレーンスウィングのためのドリルは変わらないようです。

「練習場ではハーフウェイバックまで上げたクラブが、スティックに当たらないことを確認してから実際のショットを打つようにしています。このドリルを繰り返し行うと、クラブ自体がどういう軌道を通りたいのか自然に教えてくれます。クラブを力づくで振るというよりクラブに振られる感覚が芽生えるんです」 

ホーマによると、長いクラブになればなるほどこのドリルが役に立つのだとか。

「クラブが長くなると球から離れて立つことになりますから、必然的にクラブがインサイドに入りやすい。でもそれではナイスショットは望めません。自分は3番ウッドが得意ですが、それはこのドリルを実践してきたお陰。長いクラブでもインに引かずアウト&アップを意識することで正しい軌道でクラブを操ることができるようになります」

ティーショットがフェアウェイをとらえ、続く2打目で3番ウッドを握ったとき、ホーマは絶対的自信を持ってグリーンを狙います。クラブを振るのではなく振られるオンプレーンスウィングで、ホーマは来たるべき新シーズンもリーダーボードの最上段を狙うことでしょう。

今シーズンは開幕戦のフォーティネット選手権で優勝し、幸先のいいスタートだった。非公式ながら、12月のQBEシュートアウトでは5位タイ。調子は右肩上がりだ

コーリー・ヨシムラ

PGAツアーのアジア全体のマーケティング&コミュニケーションディレクター。米ユタ州ソルトレーク出身でゴルフはHC6の腕前

週刊ゴルフダイジェスト2022年2月8日号より