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【ソニーオープン】小平智は12位タイ。松山Vの陰で2人の日本人が気を吐いた

松山英樹が劇的なイーグルで優勝を決めたソニーオープン。その陰で、2人の日本人プレーヤーが気を吐いた。

PHOTO/Blue Sky Photos

1人は、松山とラッセル・ヘンリーのプレーオフを「グリーン横のいちばんいいところで見ていた」と語ったアマチュアの中島啓太。昨年出場したZOZOチャンピオンシップに続き、PGAツアーは2戦目で、予選落ちがある試合は初。世界アマチュアランク1位の実力者は、2日目を「64」で回り、松山と並ぶ5位タイで予選通過。3日目は「72」と崩したが、最終日は「67」と巻き返し、41位でフィニッシュ。

「土曜に伸ばせない場合、最終日も伸ばせないというのが今までの僕ですが、今日しっかり気持ちを切り替えてアンダーパーで回れたのは成長を感じました。土曜の悔しさは絶対に忘れてはいけないと思いますし、これがスタートラインだと思ってこれからもっと強くなりたいと思います」とメンタル面の向上と決意を口にした。

ソニーオープンでは『ステルス』を使用

世界アマチュアランク1位。今年はアマチュアのままマスターズ、全米オープン、全英オープンのメジャーに参戦予定。サポートするツアーレップの情報ではドライバーの飛距離は306ヤードで、ソニーオープンではテーラーメイドの最新ドライバー『ステルス』を使用

もうひとりは小平智。トータル15アンダーまでスコアを伸ばし、12位タイに入っている。18年RBCヘリテージで日本人最速となる参戦15試合目でのPGAツアー初優勝。その資格をもとにPGAツアーで3シーズンを過ごしたが、昨シーズンはランキング150位に沈み、今季は下部のコーンフェリーツアーが主戦場になる。21年の終わりからスウィング改造に着手した小平は「スウィング改造が自分のものになってきて、スコアという結果に表れているので、嬉しい。アプローチとパットが自分の課題ですが、この大会では上手くできた部分があって、着実に成長しているので、その部分を伸ばしていって、それに磨きをかけたい」と自信をつけたようだ。

スウィング改造が奏功

米ツアー1勝、日本ツアー7勝(国内メジャー3勝)のショットメーカー。インタビューに応じた2日目から最終日にかけて「ショットが安定」と自信を口にした。PGAツアー復帰には「新しい感覚をつかむように練習」しているというスウィング改造の成功が不可欠

週刊ゴルフダイジェスト2022年2月8日号より

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  • 鋭い視点とマニアックな解説でお馴染みの目利きプロ・佐藤信人が、いま注目しているプレーヤーについて熱く語る連載「うの目、たかの目、さとうの目」。今週の注目選手は22年にマスターズに挑戦する最強アマ中島啓太。PHOTO/Shinji Osawa 21年に活躍した選手として挙げたいのがアマチュアの中島啓太選手。11月にドバイで開かれたアジアパシフィックアマで優勝、22年のマスターズの出場権を獲得しました。これは10年と11年の松山(英樹)くん、18年の金谷(拓実)くんに次ぐ快挙です。世界アマチュアランク1位で迎えた8月の全米アマではコロナ禍、天候不良などで満足な練ランができず、また強風にも見舞われ予選落ち。ですから、アジアアマで初めて中島くんを見た世界のファンは多いのではないでしょうか。彼は、21年の初めから「今年の目標はアジアパシフィックアマで勝つこと」と公言、自分でハードルを上げてきました。9月にパナソニックで史上5人目のアマ優勝を果たしたときも、優勝は嬉しいとしながら「目標はアジアアマで、そこにピークを持っていきたい」と語っていました。世界ランク1位の自覚を持って勝ち切る有言実行の姿勢には脱帽ですし、谷口徹プロや片山晋呉プロのような“強さ”を感じます。 続きを読む 勝ち方も強かった。プレーオフ2ホール目での勝利でしたが、相撲でたとえるときっちり「寄り切り」で勝った感じです。見事な英語での優勝スピーチにも驚かされました。彼が高校3年のとき、ある試合で進路について尋ねたことがあります。彼の答えは、アメリカの大学にも興味があるが英語が不安なので日本の大学に進む、というものでした。あれから3年、どのような勉強をしたかはわかりませんが、流暢な英語を操っています。彼の見据えている先がわかりますよね。21年の欧州ツアーで年間王者に輝いたのはコリン・モリカワでした。モリカワはスピーチで涙を浮かべ「今年、大好きな祖父が亡くなった。誰だっていつまで大切な人といられるかはわからない。だから皆さん、今の時間を大切にしてほしい」と語りました。これを聞いて中島くんは、「素晴らしいロールモデル」とSNSで発信。ロールモデルとは、模範とでも訳したらいいでしょうか。普通なら、モリカワのゴルフに対して「アイアンが上手い」などと言うのでしょうが、それだけでなく、人柄や言動といった人間性までもロールモデルだと中島くんは言っているのだと思います。こういった姿勢も、エンジェルスの大谷翔平選手に通じるような、新時代のスポーツヒーロー像を感じます。また、中島くんにはよい意味で几帳面さを感じます。スウィングだけでなく、ラウンドの前と後にするお辞儀や歩く姿などの所作、メディアに対する丁寧な受け答え、すべてにおいてすでに高いプロ意識を感じます。22年、あのカッコいいスウィングと精度の高いショットに、目の肥えたギャラリーの視線が集まるでしょう。マスターズ、全米オープン、そして全英オープンのメジャー3大会でのローアマを期待したいですね。前人未到の偉業を成し遂げる実力は十分あると信じています。そして中島くん自身がロールモデルとして、新時代のゴルフ界を牽引してくれることを期待しています。 穴がないゴルフ! 「PGAツアーでも、パワーも遜色なく、ショットの精度やアプローチ、パッティングの技術は十分に通用しそう。21年の春先にはややインサイドバックに引くスウィングチェンジの試みも見られましたが、元に戻した秋には、スウィングが進化し、磨きがかかった印象があります」 佐藤信人 さとう・のぶひと。1970年生まれ、千葉出身。ツアー9勝。海外経験も豊富。現在はテレビなどで解説者としても活躍中 週刊ゴルフダイジェスト2022年1月11・18日合併号より 「さとうの目」バックナンバー
  • 9月にパナソニックオープンを制したアマチュアの中島啓太。さらに11月のアジアパシフィックアマも制し、来年のマスターズ、全米、全英オープン出場を決めた。日本期待の星のスウィングを、プロコーチの江連忠が解説。 PHOTO/Tadashi Anezaki 中島啓太なかじまけいた。2000年6月生まれ。埼玉県出身。178センチ。ゴルフは6歳から。2021年、日本アマ、パナソニックオープン、アジアパシフィックアマで優勝。アマ世界ランク1位 解説/江連忠ETGA校長。米国でジム・マクリーンに師事、最先端のゴルフ理論と動作解析のノウハウを学ぶ。1993年プロ入会。1996年レッスン・オブ・ザ・イヤー。2000年片山晋呉、2001年伊澤利光、2007年上田桃子を賞金王、賞金女王に導く コリンやJ・Tと比べても引けをとらない完成度 中島くんは、物静かな反面、発言はとてもしっかりしている印象。感情を内に秘めて外に出さないが芯は強靭。スナイパーみたいですね(笑)。こういうタイプはゴルフに向いていますし長続きします。アドレスはスクエアスタンスでグリップはウィーク。力みのない自然体の構えで隙がありません。球筋を無理に決めないニュートラルな構えもとてもいいです。始動からバックスウィングは静かでゆったり、力感なくクラブが自然に動いていきます。 続きを読む トップも柔らかく、ねじれが強く若々しい。球筋を無理に作らないのでクラブフェースの向きもスクエアです。ダウンスウィングも同様に静かに腕がスッと下り始めます。右ひじが左ひじよりも低い位置を保っているのでアッパー軌道でインパクトできています。これが低スピンの大きなキャリーにつながっています。下半身はブレがなく安定、インパクト前後で左足裏がめくれても粘れているので、顔の向きと目線が変わりません。だから再現性が高い。フェースローテーションを使わず、体の回転で打っているのがわかります。フェース面の向きを変えず遠心力を使う飛ばし方で、ハンマー投げのようです。スウィングの再現性は下半身がつくるもの。その下半身の使い方が理想的で、完成度高いですよ。このまま世界で戦えると思います。例えば、コリン・モリカワやジャスティン・トーマスのスウィングと比べても引けをとりません。経験値の違いだけです。 CHECK 1シャットでもオープンでもないニュートラルなバックスウィング 下半身のリードでテークバック。上半身や腕に力みがないので柔らかく深いトップの体勢が生まれる。フェースの向きは45度上向きのニュートラルなポジション CHECK 2左足裏がめくれても下半身が粘れている 右ひじが低くヘッドも低い位置からアッパーに振り抜くドライバーのスウィング。両足の踏ん張りが強く、インパクトに向かって左足がピンと伸びても地面をつかみつづけるように粘る。これが安定した軌道を生む 週刊ゴルフダイジェスト2021年12月14日号より こちらもチェック!
  • 昨年11月に世界アマチュアランキング1位となった日本体育大学3年の中島啓太。先日のプロツアー、パナソニックオープンで、男子ツアー史上5人目のアマチュア優勝を果たした。世界トップアマの強さの秘密に迫った。 PHOTO/Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Hiroaki Arihara 「全米アマのコースは今までで一番難しかった」 7月の日本アマでは念願の初優勝を飾った中島。今まで2位4回で、近所のおじさんに“2位の男”と言われていたという。「今年優勝して地元に戻ってもそんなに驚かれなくて。やっとだよね、という感じで迎えてくれました」 雨で中止となった18年も含めると2位4回だった。今年は最終日が雨で中止になったものの、「ゴルフ人生においてとらないといけないタイトル」をゲット しかし、8月にオークモントCCで開催された全米アマ。ここで一度、心が折れそうになった。「今まで回ったコースで一番難しかったですね。それまで一番だと思っていたロイヤル・メルボルンより、フェアウェイにアンジュレーションがあり、ボールが転がる。グリーンも硬くて、さらに風もプラスされた感じで。でも、自覚が足りなかった。初出場でしたが、本当にレベルが高い試合に出るという自覚と、世界ランク1位として出ることに対しての自覚です。現地では、様々なメーカーの方に声をかけていただいたり、ペアリングもランク1、2、3が一緒で注目組でしたが……」結果は無念の予選落ちだったが、そこでしっかり自分を見つめられるところも中島の強さだ。「初日80を叩いてしまい、そこで切り替えられないと本当にズルズルいきそうだったので、きちんと次にやるべきことに向き合って考えてはいけました。以前は、体が強くて大きくてパワーゲームをする選手が多いイメージでしたが、きちんと皆マネジメントして小技で勝負する選手もいますし、少し変わってきているのかなと」変わったのは中島のほうかもしれない。心技体が確実に成長しているからだ。「帰国後の隔離は長くて大変でしたが、トレーニングや練習ができて、自分自身を考え直す時間もあった。すごくいい2週間でした。『ゴルフデータ革命』という分厚い本を勉強もしました。ショートゲームの練習やトップ選手の考えていることはすべてデータに基づくべきなんです」その後、5日間、毎日2ラウンドする大学のリーグ戦に出場。そうしてパナソニックオープンを迎える。この試合ではリーグ戦から続く14すべてのホールでドライバーを使うマネジメントを試した。 この記事は有料会員限定です続きを読むには有料登録が必要です ドライバーを振り続けたパナソニックOP 「(ナショナルチームヘッドコーチのガレス・)ジョーンズさんと話をして徹底しました。優勝など結果目標はまったくなかった。14回毎日ドライバーを振り切るというだけ。あとはコースにアップダウンがあったので、痩せないよう、試合中でも筋力を高めるため毎日トレーニングすると決めてやった。調子は悪かったんです……」以前中島は、「調子が悪くてもターゲットにだいたい飛ばせることは強み」だと言っていた。「調子とスコアは比例しない」が座右の銘でもある。そうして、プレーオフの末、アマチュア優勝を果たした。優勝後、嬉し涙を流した中島。「結構涙もろい。負けても勝ってもいつも泣いています。泣いたのは東建以来です」と笑う。春の東建は金谷拓実に競り負けての悔し涙だった。その金谷がプロ転向したときは寂しくて泣いた。クールに見えてじつは感情豊かなのだ。 4日間、体全体を使って打ち、決めたスウィングで迷わず振り抜いた。「自分の優勝で泣いてくれた方がたくさんいたので嬉しかった」と本人も涙 「でも優勝は自信になりました。最終日のバックナインは、優勝争いの臨場感のなかでドライバーを打ついい機会にもなった。今後そういう場面がきた時の自信となる。ドライバーで打つと課題である50~60Yの練習にもなりました。朝トレをしたので筋肉痛で左にいくミスが多かったんですが、終盤の15、16番でフェアウェイに打てたのは成長したところ。パットも勝負どころでしっかり打てた。プレーオフでもショートしなかったのは成長と感じた部分です」中島は、結果に焦らない。すべては、もっと強くなるため。「もっと先の目標」があるからだ。 結果にこだわるより結果につながる準備を 中島のゴルフは、JGAのナショナルチームで磨かれている。尊敬する先輩、金谷拓実とは今も時々連絡を取り合う。「全米アマ後、言ってもらったんです。金谷さんもオーストラリアオープンで80以上叩き、僕と同じ思いをしたと。そしてジョーンズコーチと出会い、自分と向き合うことやデータに基づいて練習をすることをしっかり行ったと。だから、僕もそれらを改めてきちんとやってみようと思ったんです」優勝後、金谷はすぐに電話をくれたという。「3日目が終わった時点で優勝すると思った、そんなに驚かなかった。またお互い頑張りましょうみたいに言われました」歳は2つ違うが、同じチームで合宿や海外遠征などで同じ時間をすごし、よき相談相手、ライバルとなった。金谷は中島について「きれいなゴルフをする」と言う。多くの人が中島のスウィングを美しいと評する。「自分では、苦手をつくらないというか見せないという感じなんです」という中島は、得意クラブも「ない」し、苦手クラブも「ない」と答える。 15年日本アマ東海クラシック”練ラン”試合で戦い、共に練習し高めあってきた2人。アマ時代「世界一の景色」を聞いたとき「達成できたら次の目標がくるから何も変わることはない」と答えた金谷。「それは僕も感じました」 データに基づいて練習することが大事です 中島の現在のコーチといえば、ナショナルチームのヘッドコーチ、ガレス・ジョーンズ氏だ。「ジョーンズさんは、技術だけではなく、アスリートとしての気持ちの持ち方なども指導された。ヘッドコーチでありながらチームメイトです」「ゴルフでは事前の“準備”が一番大切」というジョーンズ氏。試合のラウンドの出来は、コースの下調べに基づいたゲームプランをいかに忠実に実行できるかにかかっているという。昨年末、中島に話を聞いたとき「大事なのは準備、準備、準備です」と繰り返していた。ジョーンズ氏の教えが徹底しており、信頼関係がうかがえる。試合の準備だけでなく、トレーニングも、栄養・自己管理もすべてが“準備”。コロナ禍となった昨年も、いつ試合があってもいいように準備していたという。これもジョーンズ氏の教えだ。スウィングづくりにおいて、「細かいことは自分でやりたい。球筋からスウィングをつくるタイプなので、こういう球が出たらこうすれば直るというのがわかっています。動画を毎回、正面と後方を撮ってチェックします」という中島。そして今は、リモートでもミーティングができる時代。週1度くらいはジョーンズ氏と連絡をとり、スウィングや課題の確認をする。「携帯をつないで動画を見せたりして、Zoomでレッスンするような感じです。最近は、腰に負担がかかるスウィングになっているので、それを改善していくようチェックしました」 持ち球はフェード。300Y級の飛距離と切れのあるアイアンショットも持ち味。他人のスウィングはあまり参考にしない。「僕の型にはまっていきたい」 結果にこだわるよりは、結果を出すための準備が大切。だから、練習は質よく。ショートゲーム中心に、「ディーププラクティス」=深い練習もテーマだ。「集中して短時間でグッとやるのは自分にすごく合うんです。試合期間中は100球も打ちませんが、会場にいって、他の選手が練習をしているのに僕が先に上がるのがすごく嫌で、やりすぎちゃうこともある。そこは頑張って自分のことに集中したい。でも、パットなんかは誰よりも残ってやっていたいんですよ」学ぶことが好きな中島。大学でも栄養学や心理学などを学べる環境にあることが嬉しかった。「大学は去年で全部終わりましたが、JGAの合宿でも授業5回分くらいの内容の濃い講習があります。それにもし、メンタル面で困ったことがあっても、大学の監督やJGAの皆さんが助けてくれます」周りの意見を大事にできることも中島の強さかもしれない。 データは「客観的な事実」だというジョーンズ氏。準備のため練習ラウンドではコースやグリーンのデータも徹底チェックする 「準備、自分と向き合う自信と自覚を持つ」 中島はクールでカッコよく見える。そういう意見があると伝えると少し照れながら「嬉しいです」。高校の頃から表情を出さないように意識しているのだという。“鬼”と言われ賞金王を2回とったキム・キョンテに憧れてもいた。「あのサングラスをして、何を考えているかわからない。ポーカーフェースで強い。一緒に回っている人は怖いというか、相手のほうが意識するから、アドバンテージがあるかなと思ったんです」冷静に話しながら、さりげなく面白いことを入れようとする素の中島は、姉が2人いるからか“末っ子キャラ”でもある。「僕は本当に自由でした。ゴルフをしたいときは思い切りやって、したくないときはしなかった。ただ、楽しくやるだけ。スコアで怒られたことは一切ないです。でも、うちの家族、優勝した時は、冷めてましたねえ(笑)」今後、取り組む課題はいろいろある。50~60Yの精度、パッティング……。「何より今は、準備はもちろん、自分と向き合うこと、自信を持つ、自覚を持つ、この4つがテーマです」と言う中島。 50~60Yを磨くスライスラインを克服するウェッジは音をしっかり感じながら打つ。トレーニングで握力が上がり微妙な距離を強く打ってしまいがち。でも技術を磨けば調整できると考える/スライスラインを外側に外しているときは状態が悪くない。「元々スライスラインが苦手。克服できたらパッティングは変わると思います」 そして、体づくりは綿密に。ここぞという試合で、ケガや病気になった苦い経験があるからこそ人一倍勉強して気をつける。携帯電話に体重・体脂肪率・体組成などを日々記録もしている。「ケガで試合に出られないということが多いので、そこは課題です。でも、その出られないことで学べることや成長できることもあるので、しっかりやっていきます」以前は感覚派を自認していたが、データを取り入れるからこそ、成長はあると考えている。「7㎏ほど増えて体脂肪率は減り筋量は増えました。大学入学前は、下半身しか強化していなかった。今は上半身もトレーニングする。確かにこれで小技のイメージに繊細さがなくなった。左は20だった握力が両方50になり、ラフからも負けないように打てるようにはなったけど……でも、これでも大丈夫なように頑張ります」変化を恐れると成長はない。「トレーニング文化が日体大ゴルフ部にも根づいてきていますし、パナソニックオープンで僕のキャディをしたのは1年生ですが、トレーニングについてはもちろん、プレー中のマネジメントも話しながらやるので、どんどん知識が広がってくれたらなと思います」さりげなくリーダーシップをとれるのも中島の魅力だ。「僕は下を見ている余裕はないので、自分がしっかりやるべきことをやって、それを目標としてくれる選手がいたら嬉しいです。僕は基本的に上を見ながらやって、横にナショナルチームと大学のチームを気にしながら、下は自然についてきてくれる、それが理想です」 「先輩方を受け継いで、アジアアマで優勝してマスターズに出たい」 目下の目標、アジアパシフィックアマチュア選手権(ドバイ、クリーク・ゴルフ&ヨットC)は、11月3日から始まる。「コースは初めて。でも、他の選手もあまり行ったことがない国だと思うので皆フラットな状態。試合前と試合期間中に、いかにいい準備をできたかが勝負を分けるという感じだと思います」すぐにプロ転向するつもりはまったくない。中島には、世界でもっとも活躍したアマチュアに送られる「マーク・マコーマックメダル」の権利で、来年の全米オープンと全英オープンの出場権もあるのだ。「楽しみです。それに、大学の名前をお借りしているので来年の11月の大学の試合まではアマチュアでいたい。でも本当に、目先の試合に集中すること。世界一になっても優勝しても実感もないですが、次の目標がくるので、自覚はきちんと持たなければ。ランク1位やツアー優勝をしたことの自覚です。それを自信にして次の試合に行きたい。でも、マスターズが叶ったら来年はすごい大きな1年になると思う。憧れですから」オーガスタで感動して泣く中島啓太の姿を見てみたい。 冷静かつ自分と向き合う中島だが、ふとしたときのお茶目な面も……「アジアアマは松山さんも金谷さんも優勝されてますし、ゴルフ人生においてすごくいい経験になると思うので、優勝してマスターズに出ることをしっかり受け継いでいきたいです」 週刊ゴルフダイジェスト2021年11月16日号より こちらもチェック!