帰ってきたタイガー・ウッズの最新スウィング連続写真!「クラブに仕事をさせる新スタイル」
昨年末のPNCチャンピオンシップに出場したタイガー・ウッズ。2021年2月の自動車事故から驚異的な回復を見せたが、ケガの影響はどの程度あるのか。最新スウィングを横田英治プロが分析!
PHOTO/Yasuhiro JJ Tanabe
解説/横田英治
ツアー経験に基づく理論的アドバイスに定評があるプロコーチ。女子プロの岸部桃子を指導中
怪我が右足だったのが不幸中の幸い
怪我が右足だったことが不幸中の幸いだったと思います。怪我が左足だったら、ここまでのスウィングは不可能でした。ゴルフはティーショット以外、8割以上が地面のボールを打つ球技。地面から正確にボールをとらえるには左足の踏ん張り、踏み込みは不可欠ですから。この写真はティーショットですが、軸を左に寄せ右足の負担を軽くして振っているのがわかります。
タイガーは数年前、スタック&チルト(左1軸打法)を取り入れた時期がありました。そういった経験も生きていると思いますし、それを上手に生かせるのもタイガーならでは。
スウィング全体の印象は、事故前と比べたら重心が高いですが、これは仕方ないところ。切り返しの沈み込みは小さく、とても静かな動き。おそらく50%ぐらいの力感で振っていると思いますが、その効果でクラブ軌道やフェース向きは今のほうがむしろ教科書的です。
パワーや捻転力を下げても、ヘッドとシャフトに仕事をさせれば十分に飛ばせることを誰よりも知っているのがタイガー。実際、300ヤード前後は飛んでいました。
これからメジャーを中心に出場すると思いますが、経験を最も生かせるのがマスターズ。足の負担を考えてショートウッドやユーティリティでパー5を攻略する姿が見られるかもしれません。逆に強風や硬い地面などコンディションがタフな全英オープンは厳しいかも……。いずれにせよこれからが楽しみです。
タイガー・ウッズの1Wスウィング
足の負担を考慮して前傾は浅め
静かな切り返し。クラブの軌道は理想的
週刊ゴルフダイジェスト2022年1月25日号より
こちらもチェック!
- 昨年末に行われたPNCチャンピオンシップで、398日ぶりに試合出場を果たしたタイガー・ウッズ。2021年12月18日、12時18分。初日の1番ホール、奇跡ともいえるティーショットを放った。 PHOTO/Yasuhiro JJ Tanabe 2人のベストボール方式で争うPNCチャンピオンシップ。タイガー・ウッズは12歳の息子・チャーリーくんと出場。初日のスタート……
- 2021年2月の自動車事故から驚異の回復を見せ、先日の親子チーム戦「PNC選手権」で実戦復帰を果たしたタイガー・ウッズ。その最新クラブセッティングを会場でキャッチした! PHOTO/Yasuhiro JJ Tanabe タイガーのバッグを覗くと、ドライバーのソールには「SIM2」ではなく「STEALTH」の文字。テーラーメイドのウワサのニュードライバーをさっそ……
- マスターズ優勝後、7月にコロナ感染、病み上がりで出場した東京五輪でメダル争い。そして10月のZOZOチャンピオンシップでツアー7勝目を挙げるなど、激動の1年間を走り抜けた松山英樹。まもなく30歳になる彼は、いま何を考え、そしてどこに向かっているのか? 心の内をじっくりと語ってもらった。 PHOTO/Takanori Miki、Taku Miyamoto 松山英樹1992年2月……
- 昨季(20-21年)のPGAツアーは数々の記録に彩られたシーズンだった。そこで今回はレコードブックを振り返る。 4大メジャーとザ・プレーヤーズ選手権がすべて2打以内の僅差で決着したのは14年ぶりのこと。そんななか、もっとも注目を集めたのはP・ミケルソンが「全米プロゴルフ選手権」で打ち立てた史上最年長メジャーV(50歳)記録。91年のアマ優勝から30年目の快挙となり、長期スパンでの勝利記録で……
- 今年もPGAツアーでは、世間を騒がせたルール違反が多々あった。なかでも最も話題になったのは? まず、SNSを騒がせたトップは、やはりV・ホブランだろう。3月の「ザ・プレーヤーズ選手権」初日、15番のグリーンでのこと。J・トーマスのラインにかかることから、ボールマーカーを動かしたのはよいが、リプレースするとき、なにを思ったか、反対方向に動かしてしまったのだ。誰も気づかずホールアウトしたのだが……