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ドラコン王カイル・バークシャーが「ボール初速」の世界記録を達成! 驚異の100m/s超え

2度の世界ドラコン王者に輝く飛ばしのカリスマ、カイル・バークシャーがボールスピード世界記録を樹立した。

つい先日、T・ウッズが、B・デシャンボーの飛距離を探求する飽くなき挑戦は「歴史的だ」と語った。すると12月15日、デシャンボーがコブラのテストセンターでボールスピードの自己ベスト、時速221.5マイル(=99m/s)を記録したとツイッターに投稿。しかし上には上がいる。バークシャーがデシャンボー超えの世界記録、時速233.4マイル(=104.3m/s)をマークした動画をインスタグラムにアップしたのだ。

室内練習場でマン振りを繰り返す25歳のバークシャー。10数回トライした後、世界最速マイルを叩き出すと、クラブを投げ出し歓喜の雄叫び。

「(新記録をマークするのは)時間の問題だと思っていたよ」と余裕のコメントも飛び出し、自らを“キング・オブ・ボールスピード”と呼んだ。

北テキサス大学のゴルフ部の学生だったバークシャーは17年にドラコン競技に転身。ここ4年で2度世界チャンピオンに輝き、デシャンボーの出場で盛り上がった21年の世界ドラコンも422ヤードの記録で優勝している。競技でのパーソナルベストは驚異の492ヤード!

ボールスピードとはインパクト直後のボールのスピード、つまり初速に当たる。トラックマンが普及してからさまざまなデータが公開されるようになったが、例えば18年に全米オープンと全米プロを制覇した全盛期のB・ケプカのボールスピードは時速178マイル(=79.6m/s)。それをバークシャーは55マイル上回ったのだから、その破壊力たるや想像を超える。

デシャンボーはドラコンへの挑戦について「インスピレーションを与えたい」という。バークシャーの記録に刺激を受けたであろう彼もまたさらなる初速アップに挑むはず。記録は超えるためにある。

世界No.1の飛ばし屋、カイル・バークシャー(写真右)。左はドラコンプロの松本一誠

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月25日号より

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  • PGAツアーの選手としては初めて、世界ドラコン選手権に参戦したブライソン・デシャンボー。彼の出場で、ドラコン競技は、これまでにない盛り上がりを見せた。デシャンボー自身はベスト8まで進出したもののベスト4には残れず、結果は7位。この日、406ヤードを記録したが、優勝したカイル・バークシャーは422ヤードを記録し、連覇を達成。ちなみにデシャンボーは今シーズン開幕前のオフ期間中、バークシャーのもとを訪れ、飛距離アップの秘訣を聞き、それ以来、親交を深めているそう。とはいえデシャンボーは、「時速219マイル(秒速にすると97.88m/s!)というボール初速を記録して、夢が叶った。これまでの人生で記録したボール初速より時速で3マイルも速く、壁を突き抜けた感じだ。こんなスピードが出るなんて考えてもいなかった」と満足顔。さらに「今週、自分は速いボールスピードを出しながら、ボールをコントロールすることを学んだ。これまでは、常にボールを思いきり叩いていたが、どのようにスウィングするかについては、あまり深く考えてこなかった。でも、もっとも速いスウィングスピードを出しながら、今は自分のゴルフスウィングを良くすることができていると感じているんだ。それはこれまでやってきていなかったこと。新たなレベルに達したんだよ。(米ツアーの試合でも)それを生かせるようにしたいと思っている」という。飛ばし屋たちと戦いながら、多くを学んだデシャンボー。来年のこの試合にも出場することを決めたというが、ここで得た成果を直近で実践に移すのは、まだ少し先になりそう。というのも、「心や体を癒すため」に少し休養する意向を示しているから。休養明けの進化したデシャンボーに注目だ。 ドラコンとの二刀流もいけそうだ(写真は2021年全米プロ。PHOTO/Blue Sky Photos) 週刊ゴルフダイジェスト2021年10月26日号より こちらもチェック!