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選手の流出を阻止できるか? PGAツアーが“サウジインターナショナル”出場を条件付きで許可

ライバルツアー構想が取り沙汰されるなか、PGAツアーは今年2月に行われるサウジインターナショナルへのPGAツアープレーヤーの出場を条件付きで認める通達を行った。

19年に創設されたサウジインターナショナルは、21年まで欧州ツアーの一環。当初から開催国の人権問題や高額出場料を批判する声が大きく、22年からはアジアンツアーに組み込まれる。選手流出に神経を尖らせるPGAツアーがサウジインターナショナル出場を許可するか注目されていたが、昨年12月20日、条件つきで認可した。

その条件とは、同週開催のPGAツアー「AT&Tペブルビーチプロアマ」に過去5年で1回以上出場した選手に関しては、今後2年間(23年&24年)で最低でも1回は同大会に出場すること、過去5年間に一度も出場していない選手に関しては、今後3年間(23年~25年)で2回以上同大会に出場することを約束すれば、サウジインターナショナルに参戦できるというもの。

これを受け、大会2勝を挙げているD・ジョンソンのほか、P・ミケルソン、B・デシャンボー、S・ガルシアらPGAツアーからおよそ30人がすでに出場認可を申請。一部の選手にはサウジ側から高額の出場料が支払われるという。

PGAツアーの懸念は、将来ライバルとなりうる新世界ツアー構想。G・ノーマン率いるLIVゴルフインベストメンツはサウジアラビアの公的投資ファンドと基金を共有しており、5000億ドル(約57兆円)を超えるファンドが近年国際的スポーツへの投資を活発に行うとしている。

PGAツアーとしては、マネーパワーで選手たちが他ツアーに奪われる危機を何としても防がなければならない。今回の通達でも、AT&Tペブルビーチの歴代覇者を挙げたり開催コースの歴史など特別な大会であることを強調するなど、選手の流出阻止に必死。既存ツアーと新ツアーのせめぎ合いが続いている。

出場するだけで億単位の出場料(アピアランスフィー)が得られるサウジインターナショナルはやはり魅力的?(PHOTO/Hiroaki Arihara)

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月25日号より

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