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【PGAツアーファン倶楽部】強烈なラフに激しい傾斜! 新年初戦「セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ」

PGAツアーの新年一発目を飾るのが、ハワイで行われる「セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ」。実力者が集うこの大会を制するのは? コースを熟知する「杉ちゃん」こと杉澤伸章氏に見どころを教えてもらおう。

TEXT/Masato Ideshima PHOTO/Tadashi Anezaki ILLUST/Takanobu Okabe

セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ 2022年1月6~9日
カパルアリゾート プランテーションコース

Photo by Cliff Hawkins/Getty Images

解説/杉澤伸章

すぎざわのぶあき。プロキャディの経験をもとに独自の視点でトーナメントを分析する

大会としては1953年から開催されている歴史あるトーナメントですが、ハワイのカパルアリゾート・プランテーションコースが舞台になったのは1999年から。最近は前年の秋に新シーズンが始まるため、開幕戦という位置付けではなくなりましたが、前年度のトーナメント優勝者だけが出場できるステータスは変わっていません。優勝した者でないと、この試合には出られないという特別感が、この試合そのものの独特な雰囲気を生み出しています。

コースはテレビでも見たことがある人が多いと思いますが、とにかく傾斜が強く、キャディバッグが立てられない場所もかなりあります。ダスティン・ジョンソンが12番のパー4でアルバトロスを記録しそうになったことは記憶に新しい出来事で、傾斜と風が重なるとかなりの飛距離が期待できます。最終の18番パー5にしても、その年のロングディスタンスを狙うのには格好のホールです。ティーイングエリアから見た景色は例えるならスキーの中級者クラスが滑るくらいの傾斜があります。

また、コースの特徴としてはなんといっても芝種です。バミューダ芝で、ここは本当に強烈です。私自身もこのコースは何度も訪れたことがありますし、実際にプレーをした経験もあるのですが、ラフに入ると、一般のアマチュアだとミドルアイアンでは出ません。クラブが入っていかないんです。根っこが強くて、絡むというレベルではなく、ショートアイアンでもやっと前に飛ばせるといった感じです。ウォーターショットの感覚に似ているかもしれませんね。体験するとPGAツアーの選手たちがどれほど凄いかがわかります。

優勝予想に関して、飛ばしの競演が見どころのひとつではありますが、歴代優勝者を見ると、必ずしも飛ばし屋有利というわけではなさそうです。それよりもバランスの取れた選手が勝っている傾向があり、その理由としては、バミューダ芝ということを含めてグリーン周りが難しいという点に集約されます。ティーショットに関しては広々としているのでさほどプレッシャーはかからないはず。それよりもいかにグリーンをキャッチするかが重要で、中間距離からの精度の高さが必要になります。

あとはどれだけ風が吹くかでしょう。基本的に海風は強く吹くので、そのなかでいかにボールコントロールができるか。この試合に勝つことで、以降いい流れで4月のマスターズに向かえるはずです。リゾート的な空気感がありつつも、選手たちの攻めっ気溢れる真剣勝負を年始早々堪能してください。

杉ちゃんのコース解説
「距離のメリハリがある個性豊かな18ホール」

Total 7530Y Par73
1番2番3番4番5番6番7番8番9番
Par4Par3Par4Par4Par5Par4Par4Par3Par5
503Y217Y421Y418Y515Y415Y536Y203Y548Y
10番11番12番13番14番15番16番17番18番
Par4Par3Par4Par4Par4Par5Par4Par4Par5
388Y164Y416Y377Y292Y525Y377Y547Y668Y

【1番・ 503Y・Par4】 ツアー屈指の難しいスタートホール
2打目が左足下がりで、グリーンをキャッチするのがかなり難しいスタートホール

【4番・ 421Y・Par4】 左のペナルティエリアが意外と近い
目の前に壁があるかのような打ち上げのホールで、ティーショットの落下地点が見えないのが難しい

【8番・203Y・Par3】 恐怖の谷越えパー3
打ち下ろしで風の影響がさらに強くなる。奥に外すと難しく、左手前にもペナルティエリアがある

【12番・416Y・Par4】 1オンも可能な打ち下ろしのパー4
ダスティン・ジョンソンのティーショットがカップインそうになった。スコアを稼げるホール

【14番・292Y・Par4】ワンオン狙いかそれとも刻みか
距離的には3番ウッドで届く選手がいるパー4だが、グリーンが小さく、刻むのも逃げではない

【18番・668Y・Par5】ティーショットの飛距離に注目だ
700ヤード近い距離がありながら、傾斜の影響で、ほとんどの選手が2オン狙いをするパー5

杉ちゃんの“勝手にパワーランキング”

1位 ジャスティントーマス

●1993年4月29日生まれ ●28歳 ●米ツアー14勝
過去2回優勝している相性の良さに加えて、バミューダ芝への対応力にも優れている

2位 パトリック・リード

●1990年8月5日生まれ ●31歳 ●米ツアー9勝
総合的なバランスに長けている点と、2020年大会も2位に入っている相性の良さで選出

3位 ジョン・ラーム

●1994年11月10日生まれ ●27歳 ●米ツアー6勝
直近4年でベスト10を外していないことと、昨シーズンの実績から活躍は間違いない

松本進のスウィング解説

ジャスティン・トーマス
「強烈な地面反力で飛ばす」

178センチと米ツアーでは小柄だが、バックスウィングでは柔軟性を生かしながら腕を高く上げています。高いトップから腕を一気に下ろしてきますが、同時に地面を蹴っているため、腰は上方向に動いていきます。この反動を上手く利用しヘッドスピードを上げ、大きな飛距離を生み出しているのです

スウィング解説/松本進

1986年より渡米し、最新のゴルフ理論とスポーツサイコロジーを学ぶ


PGAツアーを観るなら「ゴルフネットワーク」!

セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ 」放送日時
1日目 1/7(金)午前8:00~午後0:00
2日目 1/8(土)午前8:00~午後0:00
3日目 1/9(日)午前8:00~午後0:15
4日目 1/10(月・祝)午前6:00~10:15
※最大延長:[3日目]午後1:00まで [最終日]午後2:00まで)
※全ラウンド生中継。再放送あり


月刊ゴルフダイジェスト2022年2月号より

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