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【月刊GDベストスウィングアワード2021】プロコーチ10人が選んだ“世界イチ”のスウィンガーは?

ゴルフの最高峰、PGAツアーにあって、最も優れたスウィングの持ち主は誰か。今回は、日本を代表する一流プロコーチ10人に、理想的なスウィングを持つ3選手を挙げてもらった。果たして最も多くの票を集めた選手は?

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara


プロコーチ10人が選んだ
PGAツアーのベストスウィンガーTOP3

プロコーチが選ぶベストスウィンガー 同率1位
コリン・モリカワ

フェース向きの変化が極めて少ない
「彼の強みはデータからもわかるようにショットの安定感が抜群に長けていることです。その安定感を生むのはトップの位置からインパクトまでのフェース向きの運動量の少なさ。トップ位置で左手首を手のひら側に折る動きを入れることでフェースをシャット(閉じた状態)にし、この形をキープしたまま腰の回転でフェースをボールにぶつけていきます。すると、早い段階でフェース面がボールに向くため、フェース面の動きが少なくなります。かなり体の動きもシンプルでまさに再現性の高いスウィングといえますね」(内藤雄士)

トップで左手首を手のひら側に折ることで、フェース面が空を向くシャットに。この手首の形をキープしたままインパクトを迎えるため安定する

プロコーチが選ぶベストスウィンガー 同率1位
ローリー・マキロイ

地面反力を使って効率よくヘッドを走らせる
「マキロイ自身が持つ体のスペックを最大限に生かすことで飛距離を出しているスウィングです。注目すべきは切り返しとともに左脚で地面を強く踏み込んでいく動き。その反動で地面からのエネルギーを受け、両脚が伸びるように動くことで、腰の回転速度が上がり、ヘッドスピードも上がるんです。いわゆる『地面反力』を上手く使いながら振っています。だからこそ、それほど大きくないのにPGAツアーのなかでも屈指の飛ばし屋でいられるんです」(井上透)

トップからインパクトまでの腰の回転スピードを上げることでヘッドスピードを上げる。地面を踏み込んだ反動を使えるからこそできるスウィング

プロコーチが選ぶベストスウィンガー3位
ブライソン・デシャンボー

体のパワーを最大限に引き出す強烈な捻転
「正面から見て背中の全面が見えるくらい大きなトップを作り、そこから爆発的な回転力で飛ばしていく選手。特徴はテークバックからトップまでのスウィングアークを大きくすることで、体の捻転を強くし、回転力を上げていること。これだけ振っても体がブレないのは、強靭な下半身の土台がある証拠です。筋力アップした体を効率よく使っているスウィングですね」(黒宮幹仁)

バックスウィングで、重心を左サイドに残したまま上半身を深く捻転させ、スウィングアークを大きく上げていく。だからこそ深いトップができる

月刊ゴルフダイジェスト2022年2月号より

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  • 賞金女王にして銀メダリスト、稲見萌寧のスタート前の練習はちょっと変わっている。他の選手がどんどん球を打つなかで、ゆっくりとシャドースウィングしたり、トップの手をじっと見たり。1球、ちょこんと球を打ったと思ったら、またゆっくりシャドースウィング……。この謎めいた練習ルーティンの意義について、奥嶋誠昭コーチに聞いた。 PHOTO/Shinji Osawa、Yasuo Masuda、Tadashi Anezaki THANKS/北谷津ゴルフガーデン、CAT Ladies2021、スタンレーレディス、日本女子オープン 解説/奥嶋誠昭 おくしまともあき。1980年生まれ。神奈川県出身。ツアープロコーチとして、稲見萌寧、木下稜介、高橋彩華を指導。横浜のノビテック(ヒルトップ横浜クラブ内)でGEARSを使ったアマチュアレッスンも行う ●Contents●>>稲見萌寧の練習メニュー>>重要なのはトップ位置!>>「球を打つ」練習の目的は? スタート前の練習でヘッド軌道を整える GD 稲見プロは、朝の練習であまり球を打ちませんよね。奥嶋 球を打つのは、その日の調子がどうなのか、球筋を調整しながらコース戦略を立てるために行うのが普通ですが、稲見プロはそこが違うんです。GD というと?奥嶋 インパクトゾーンのヘッド軌道を整えています。GD 球筋を見るのではなく、ヘッド軌道を見ている!奥嶋 だから、SWの小さな素振りから練習を始めます。GD しかも左手1本ですね。奥嶋 稲見プロは左手で振るタイプですから、まずは左手でヘッドの動きを確認するわけです。GD なるほど。奥嶋 稲見プロの練習は、すべてインパクトゾーンのヘッド軌道をスクエアにすることにつながっています。そのため、SWの小さな素振りから振り幅と番手を徐々に大きくして、それぞれの練習メニューの締めに、確認のために球を打つという感じです。GD だから、ほとんど球を打たないんですね。 普通に打つのは4~5球だけ稲見萌寧の練習メニュー すべての練習メニューは、インパクトゾーンでヘッドを正確に動かすためのもの。SWの小さな素振りから始め、振り幅と番手を徐々に大きくしながら、ヘッド軌道を確認するためにボールを打っていることがわかる。普通にボールを打つのは最後の4~5球だけだ。 【Menu1】軟らか棒●手首で右回し●スピードを変えて素振り 【Menu2】SW●左手持ち……腰から腰まで連続素振り ●左手持ち……トップ確認 > ゆっくり素振り●両手持ち……トップ確認 > ハーフウェイダウンを繰り返す ●左手アプローチ●右手アプローチ ●両手アプローチ 【Menu3】8番アイアン●両手持ち……トップ確認 > ハーフウェイダウンを繰り返す●右手持ち……トップ確認 > ゆっくり素振り●両手クロス……体を回して両手を伸ばし、トップ確認 ●両手持ち……トップ確認 > ハーフウェイダウンを繰り返す > 打つ 【Menu4】5番UT、3番ウッド●「3」とほぼ同じメニュー 【Menu5】バット●トップ確認 > ゆっくり素振り 【Menu6】ドライバー●「8番アイアンとほぼ同じメニュー 【Menu7】8番アイアン●ゲートを作って打つ●普通に打つ 4~5球 >>では実際、どんなふうに練習しているの?具体的な中身をチェック! 週刊ゴルフダイジェスト2021年12月28日号より こちらもチェック!
  • かつてはフロリダ州アイルワースがプロゴルファーから人気だった。そして現在、プロゴルファーが好んで住むのは、同じフロリダ州のジュピター。世界のトップ選手たちは、なぜジュピターに集まる? ジュピターはフロリダ州パームビーチ郡の北東に位置するシーサイドタウン。そこに現在30名を超えるシード選手が居を構えている。J・トーマスとR・ファウラーは同じ通りの住人だし、D・ジョンソン、R・マキロイ、B・ケプカらもご近所さん。プロゴルファーが多いメリットは「練習相手にこと欠かないこと」。そもそもジュピターには素晴らしいゴルフ場が多いが、ジャック・ニクラス夫妻が22年前に『ベアーズクラブ』という高級住居付きプライベートコースを開場したことが大きな転機となった。E・エルスやL・ドナルド、P・カントレーらは「ニクラスのアドバイスをいつでも聞ける」地の利を気に入り、寒い国出身のS・ローリー(アイルランド)やM・フィッツパトリック(英)らは「1年中青芝でゴルフができるのが魅力」と語る。タイガーの住まいはコース内ではなくジュピターアイランド。オーランドに住んでいたとき「湖はあったけれど海がなくて恋しかった」と11年に土地を購入。離婚騒動のさなかに家を建て、庭にはショートコース、敷地内に船着き場つきと理想を具現化した。近くで経営するレストランには、選手がパパラッチやサインをねだるファンに煩わされることなく食事ができるスペースを完備した。 G・ノーマン、N・プライス、G・プレーヤー、R・フロイドといったレジェンドも住人で、プロが珍しくない土地柄だけに、選手たちも周りの目を気にすることなくプライベート空間を守れる。さらに税制優遇措置があるのも大金を稼ぐ身にはありがたい。先立つものさえあればジュピターに住んでみたいものである。 地元トークに花が咲く?(写真は2019年WGCメキシコ選手権。PHOTO/Tadashi Anezaki) 週刊ゴルフダイジェスト2021年12月28日号より
  • スライスを防ぐために、無理にフェースを返して球をつかまえようとする人が多いが、「それは逆効果」と藤田寛之は言う。その真意は? 詳しく聞いてみた。 PHOTO/Tsukasa Kobayashi、Hiroyuki Okazawa THANKS/葛城GC 解説/藤田寛之 1969年生まれの52歳。福岡県出身。専修大ゴルフ部を経て92年にプロ入り。国内ツアー通算18勝。12年には年間4勝で賞金王に輝く。今季まで23年連続賞金シードを保持。小誌で「フジタの時間」連載中 「フェースを返すだけではスライスは防げません」 男子ツアー屈指のショットメーカー・藤田寛之に、スライスを直すための方法を聞いてみた。「アマチュアは確かにスライスが多いです。一緒に回っていると、スライスが出た瞬間に『あぁ~フェースが開いた』というアマチュアの声をよく聞きます。スライスを直そうとすると、フェースを閉じることばかりを考えがちですが、スライスする根本的な原因は、もっと別のところにあるんです」いったいどういうことか。「スウィングの大前提は円軌道です。クラブはインサイドから入ってインサイドに抜けていく、いわゆる『イン・トゥ・イン』軌道が基本です。ですが、多くのアマチュアはアウトサイドからクラブが入る『アウトサイドイン軌道』になっています。これがスライスの原因であり、フェースが開いてしまう要因でもあるんです。ボクのなかでは、アウトサイドからクラブを入れることはありません。カット軌道はボールにエネルギーが伝わらないので飛ばないし、ボールも大きく曲がります。カットに打つときがあるとすれば、バンカーの目玉や深いラフ、ロブショットだけです」どうしてカットに振ることが、フェースが開く要因になるのか。「アウトサイドイン軌道で振ると、本来であればボールは左に飛ぶはずです。そこで引っかけを嫌がってフェースを開いてしまうため、スライスが出るんです。イン・トゥ・インに振ることができれば、フェースが開きながら入り、インパクトでスクエアを迎え、閉じながら抜けていきます。このスウィングの基本が重要なんです」 続きを読む スウィング軌道は「イン・トゥ・イン」が基本というフ藤田。「フェースが閉じてインパクトしてもアウトサイドイン(カット)軌道に振れば、左に出て右に大きくスライスします。つまりフェースの開閉より先にスウィング軌道を見直すべきなんです」(藤田・以下同) フェードでも球をつかまえる 藤田といえば「フェードボール」が代名詞だが、フェードであってもクラブはインサイドから入れるという。「スウィングの目的はボールを遠くへ飛ばすこと。つまりエネルギーをいかにボールに伝えられるかです。それにはインサイドからクラブを入れることが必須。インサイドからクラブを入れることで、ボールを“つかまえる”ことができるんです。フェードでも球をつかまえることが基本。だからフェードでも、必ずインサイドから入れるんです」このインサイドとアウトサイドは、どう区別するといいのか?「基本的にはスウィングプレーンに対して内側(体に近い)がインサイドの領域で、外側(体から遠い)がアウトサイドの領域になります。この区別は誰もがイメージしやすいと思いますが、もうひとつ大事なのが、体の向きに対する領域です。右サイド(体が閉じた状態)がインサイドの領域になり、左サイド(体が開いた状態)がアウトサイドの領域になります。インパクトに向かって体(肩や胸、腰)が早く開いてしまうほど、アウトサイドに入りやすいということです。ポイントは体を閉じたまま(右サイドに残す)、インパクトに向かうこと。これがインサイドにクラブを入れる要素になるんです」 プレーンに対して外側がアウトサイド内側がインサイド スウィングプレーンに対して内側がインサイドで、ドローでもフェードでも必ずこの領域からクラブを入れる。「クラブがインサイドから入ることでボールがつかまる=エネルギーが伝わります」 胸や腰を右サイドに“残す”とインサイドから入る 「体の左右にもインサイド、アウトサイドの領域があります。基本的に体の開きが早いほど、クラブはアウトサイドから入りやすくなります。できるだけ体を閉じた状態(右サイドに胸や腰を残す動き)でインパクトを迎えることが大事です」 アドレスの時点で「つかまらない構え」になっている スライスを嫌がるほど、左を向きやすくなり、ボールもどんどん左寄りになる。だが、このアドレスがアウトサイドからクラブが入る要因になっている。右腰、胸、右肩が前に出ていないか、チェックしよう インサイドアタックを手に入れる3つのドリル Drill 1 クラブで8の字を描く まずはクラブを胸の前で構え、下から上のイメージで8の字を描いてみよう。このイメージのまま、テークバックでアウトサイドに上げる。切り返しでクラブはループするため、自然にインサイドにクラブが下りてくる Drill 2 ステップ打ち アマチュアは右に体が残ったまま打つことが多い、と藤田。いわゆる明治の大砲だが、右に軸が残るとクラブはアウトサイドから入る。それを解消できるのがステップ打ちだ。左足に踏み込むことで体の開きが抑えられ、クラブがインサイドに入りやすくなる Drill 3 沈み込みインパクト アウトサイドからクラブが入る動きとしてアーリーリリース(タメがほどける)がある。これはインパクトで体が伸び上がる動きと連動している。それを解消するには沈み込む動きが最適。いつもより大胆に沈み込むことで自然にタメも作れるようになる 週刊ゴルフダイジェスト2021年12月28日号より こちらもチェック!
  • 週刊ゴルフダイジェストの年末恒例企画「ベストスウィンガー」。読者からの投票によって選ばれた男子部門の1位はやっぱりあの選手! TEXT/Kenji Oba PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Hiroshi Yatabe、Blue Sky Photos 松山英樹がマキロイを抑え男子選手で1位に 2021年、ゴルフ界最大の話題といえば、松山英樹の日本人初、アジア勢初のマスターズ制覇だろう。それは今回の投票結果にも顕著に表れていた。マキロイやタイガーといった世界的なスーパースターを抑え、松山が2021年のベストスウィンガー1位に輝いたのだ。「マスターズを制した正確無比なスウィング」(60歳男性)「アイアンとアプローチのキレは米ツアーでもトップクラス」(56歳男性)など、日本人というより“世界のマツヤマ”としての評価が多かった。マスターズ優勝もさることながら、プレーオフ最終戦のツアー選手権に8年連続出場の快挙は、世界のゴルフを引っ張るトップ選手&スウィングと言っていいだろう。 3票差で2位になったのは? 松山に次いで3票差で2位になったのはローリー・マキロイだ。「フィニッシュのカッコよさ」(男性49歳)、「クラブが体に巻きつくしなやかさ」(男性51歳)など、美しさを称えるコメントが多かったのは、マキロイのスウィングの特徴といえる。21年はプロ11年目で米ツアー通算20勝を達成し、永久シードを獲得。22年はマスターズ優勝でのキャリアグランドスラムが期待される。「再現性の高さ」(男性75歳)、「お手本のようなリズムとバランス」(男性50歳)などの評価で3位に入ったのがコリン・モリカワ。20年の全米プロに、21年の全英オープンは、いずれも初出場でのメジャー優勝という史上初の快挙。体型的にも日本人が見習うべきスウィングかもしれない。 1位 松山英樹105票 「とくにアイアンの精度が最高」(45歳男性)「弾道コントロールの上手さ」(50歳男性)「まったく緩みのないスウィング」(64歳男性)「マスターズを制したスウィング」(62歳女性)「下半身の安定感とブレないトップ」(49歳男性)「切り返しが最高に上手い」(63歳男性) >>松山英樹の1Wスウィングはこちら 2位 ローリー・マキロイ102票 「ピタッと止まるフィニッシュ」(49歳男性)「スウィングのリズムが変わらない」(59歳男性)「カッコよすぎ」(55歳男性)「体幹が強く美しいスウィング」(51歳男性)「体とクラブがシンクロしている」(47歳男性) >>マキロイの1Wスウィングはこちら 3位 コリン・モリカワ54票 「ボディターンが素晴らしい」(59歳男性)「キレのいいスウィング」(31歳女性)「ミスしない再現性の高さ」(75歳男性)「癖がなく基本に忠実なスウィング」(50歳男性) >>モリカワの1Wスウィングはこちら 4位 タイガー・ウッズ33票 「完璧なオンプレーン」(55歳男性)「全ショットがキレイ」(46歳男性) >>タイガー・ウッズの1Wスウィングはこちら 5位 ザンダー・シャウフェレ27票 「しなやかで力みが感じられない」(44歳男性)「ゆったりリズムで安定感抜群」(48歳男性) >>シャウフェレの1Wスウィングはこちら 6位 ブライソン・デシャンボー15票 「飛距離が異次元」(33歳男性)「飛びを追求した進化系」(51歳男性) >>デシャンボーの1Wスウィングはこちら ベストスウィンガー2021<女子部門>の結果は? 週刊ゴルフダイジェスト2021年12月21日号より