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「規制するポイントが違う!」長尺ドライバー規制問題にPGA選手から批判の声ぞくぞく

去る10月12日、ゴルフの統括団体「R&A」と「USGA」(全米ゴルフ協会)が、来年1月からドライバーの長さを制限するローカルルールの採用を決めた。

発表によると、プロ競技と一部アマチュア競技でドライバーの長さ制限が48インチから46インチに変更される。これは飛距離が伸び続ける現状が「有害である」という判断から。

R&Aの最高責任者、マーティン・スランバーズ氏は「正しい選択。トーナメントの主催者がルールの枠内で選択できる柔軟性を提供できる」と語り、USGAのトップ、マイク・ワン氏は「あくまでも規則ではなくローカルルール。一般のゴルファーには当てはまらない」と強調した。

ちょうど1年前の今ごろ、ゴルフ界はデシャンボーの「48インチ挑戦」宣言で持ちきりだった。全米オープンの舞台「ウィングドフットGC」を圧倒的な飛距離でねじ伏せ優勝したのは記憶に新しい。

しかし制限が課されることになり、47.9インチのドライバーで全米プロを制したP・ミケルソンは猛反発。SNSで「情けない。長さとアークを利用したほうが体を痛めないし、飛んだほうがゴルフも楽しくなる。ニューヨークでアイスを売るなというのか?」と独特な言い回しでこの取り決めを批判した。「長いクラブほど真っすぐ飛ばすのは難しい。規制するポイントが違う」とJ・トーマスが言えば、D・ジョンソンも「48インチを試したが、すごく曲がる。皆が使うわけじゃないから規制する必要性を感じない」と“不要論”を展開。

その他の選手も「46インチより長いドライバーを使っている選手は少ないし、規制ができても何も変わらないと思う」(A・スコット)。「距離が短くてもコースの難易度を上げれば良い」(C・モリカワ)。「業界へのインパクトはゼロ。他の案を考えたほうがいい」(S・シンク)。

どうやらツアー現場では、反対意見が大半の様子。議論は尽きなそうだ。

長尺が有利なら全員がとっくに48インチを使っているはずだが……(PHOTO/Blue Sky Photos)

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月9日号より

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