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練習日は8時間半ぶっ通し! 稲見萌寧の強さの秘密<練習編>

今シーズン8勝を挙げ、現在賞金ランク1位の稲見萌寧。彼女の強さの秘密を探るため、まずはトーナメントの練習日に密着した。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa THANKS/北谷津ゴルフガーデン

「私の辞書に“満足”という
言葉はありません」

稲見萌寧の強さの秘密を探るため、日本女子オープンの練習日(水曜)に密着。

稲見は朝8時半に会場入りすると、日が暮れるまでひたすら練習。誰よりも長い時間、そして内容の濃い練習をしていたように見えた。驚いたのは、長時間の練習にも関わらず、集中力がまったく切れない稲見の姿。では、実際にどのような練習をしているのか奥嶋誠昭コーチに聞いてみた。

「連戦が続くなかでの練習になるので、試合で気になった部分を修正していく形です。今週でいうとアプローチの修正が中心。アドレス時に左肩がかぶり、右肩が下がる傾向にあったんです。この状態で打つと少しでも最下点がズレたら、ボールの手前にクラブが入り、ミスになるので、ひたすらここの修正に取り組んでいましたね。彼女の中に“満足”はなく、常にどこかで妥協点を見つけて練習を切り上げるのですが、その妥協点もめちゃくちゃ高いので、練習は長くなってしまうんです。僕も少しは休みが欲しいですね(笑)」

日本女子オープン練習日のスケジュール

【9:00】
入念にウォーミングアップ

ショットを打つ前に行うのが、素振り棒を使ったウォームアップ。ゆったりと振りながらクラブの上げ方を確認している

【9:15】
片手打ちでスウィングチェック

ウェッジを使って片手打ち。始動でヘッドが外に上がりすぎないようにチェック。その後、徐々に番手を上げて練習する

【11:00】
練ラン中も悩みがあればすぐに解決

マネジメントを意識しながらコースを念入りにチェック。少しでも不安があると、コーチとともに解決法をとことん話し合っていた

【13:00】
練習場で課題を克服

練習ラウンドで生じた課題を練習場で確認。この日はアプローチを入念にチェック

【16:30】
最後はパッティング

練習の締めはパット練習。ロングパットからショートパットまで、日暮れの時間まで打ち続けた

月曜日はプラス2時間
トレーニングで体を追い込む

多くの選手が休息にあてる月曜日は、普段の練習に加えて、トレーニングにも時間を割く。早朝7時から練習場、夕方からトレーニングで練習時間は10時間を超えるという

周囲が語る稲見の凄さ

【証言1: 奥嶋コーチ】
「試合後でもすぐに練習場へ向かうことがあります」

「CATレディースで2位になったときは、悔しさのあまりそのまま千葉の練習場へ向かい、黙々と打ち続けていました」

【証言2: クラブ担当】
「ウェッジの溝の減りが誰よりも早い」

「彼女のウェッジの消費量はジュニア時代から他の選手の倍以上でした。あんなに練習する子は見たことがなかったですね」

【証言3: 北谷津ゴルフガーデン社長
「体調が悪くても練習。負けん気が強いんです」

「ジュニア時代から多少の風邪や具合の悪さはお構いなし。私のほうが『体調は大丈夫?』と声を掛けそうになるくらいです」

「完璧主義」が奏功!?
稲見萌寧の強さをさらに深堀り!

月刊ゴルフダイジェスト2021年12月号より

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