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【山を動かす】五輪の「4日間ストロークプレー」はタイガーのため!? 五輪の競技方式を考える

ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマは五輪ゴルフの競技方式について。東京五輪はリオと同じく4日間のストロークプレーで行われたが、はたしてこれがベスト? 識者や一般ゴルファーに聞いた。

●私は五輪が決まったときから、ストロークプレーだけでは普通のトーナメントと何ら変わることがないので、ほかのフォーマットも付け加えるべきだと考えていました。たとえば①男女ともに18ホールストロークプレー②男女ともに18ホールのチーム戦、フォアサム③男女混合のミックスダブルスではどうでしょう。この3つのフォーマットなら個人、団体も含み、18ホールなので時間も少なくて済みますし、東京五輪で最初に謳っていたコンパクト化も実現できます。またミックスダブルスは必然だと思います。今後、ジェンダー問題を避けては通れません。華やかさも出るし、五輪には、まさにうってつけだと思いますよ。(佐渡充高/テレビ解説者)

●4日間、朝から晩までやるスタイルは五輪にはそぐわないなあと思って見ていたら、男子最終日にまさかの銅メダルプレーオフ。しかも7人が徐々に脱落していくなんて、まるで「ゴルフサバイバル」みたいで興奮! そこが一番面白かったのに、途中でNHKの中継が終わりスタジオトークに切り替わった際は心底驚いた。(40代女性/東京都)

本当に強いやつを決めるのか、4年に1回のお祭りか、まだ指針は決まってないようですね。案として考えられるのは、プロとアマ混合の国別対抗の団体戦。あとは60人によるマッチプレーも手ですが、どれも帯に短し、襷に長し、ですね。各国「参加することに意義がある」というくらいの気持ちでやるしかないのでは……。次のパリ五輪までにみんなで考えましょう。(タケ小山/テレビ解説)

●現状のやり方では、(代表)コーチの手腕が発揮できない。選手はそれぞれコーチがいるから、技術的な指導はあまりできないだろうし。だったら、団体戦にしてライダーカップのように選手選抜の時点で「キャプテンピック」のような枠を作る。そうすれば、辞退する選手もいなくなるのでは。(50代男性/千葉県)

毎週やっているトーナメントと同じ形式では、見ていても熱くなれませんね。       やはり他の競技でもやっているように、国別みたいな形式にするともっと盛り上がると思います。ライダーカップがあれだけ選手も観戦している人も熱狂できるのは、国とか地域を代表しているからだと思うんです。ああいうフォーマットが可能かどうかわかりませんけど、ライダーカップとかワールドカップなどをヒントにして考えてみたらどうでしょうか。前回のリオも今回の東京も男子4日間、女子4日間でしたが、2週間という期間があるわけですから、やり方次第では男女混合もありだと思います。(富永浩/プロゴルファー)

●ゴルフとテニスは出場辞退したトップ選手が多く、始まる前からしらけていたが、シャウフェレやマキロイが「貴重な経験だ」と頑張っていたのを見て、五輪ならではの価値があるのだなと思った。でも、私がプロテニス選手ならウィンブルドンに勝ちたいし、プロゴルファーならマスターズに勝ちたい。(60代男性/福岡県)

●やはり4日間のストロークプレーではオリンピックの特別感がありませんね。何かオリンピックならではの工夫はほしいと思います。1カ国3人とか4人の団体戦にするとか、18ホールにこだわらず6ホール単位にして、勝ち抜きにするとか、考え方を柔軟にすれば、いろいろと面白いゲームスタイルが提案できると思うんです。6ホールなら時間短縮にもなって、国別対抗戦もやりやすいと思うんです。競技形式も、例えば日本でやっている3ツアーズみたいに9ホールでポイント制にするとか。それを6ホールにすれば、かなり多くの国が参加できます。ゴルフの普及でネックになっているのは時間がかかるというのがありますが、時間短縮の提案にもなると思います。現在は男女合わせて2週間という期間があるわけですから、それだけの長さがあれば、いろいろなフォーマットを実施できる可能性があります。五輪ゴルフを統括している団体は、もっと柔軟に考えて、新しい提案をしてほしいですね。(水巻善典/プロゴルファー)

●ゴルフをしない友達も「ゴルフ中継を見た」と言うから、競技普及、ファンの拡大という意味では意義があったのかもしれない。ただし、その友達の感想は「ゴルフって長いなー」でした。そもそも五輪向きじゃないのかも。(40代男性/東京都)

●リオ五輪でゴルフが復帰したとき、試合形式がストロークプレーに決まったのには裏話があります。2013年頃ですが、タイガー・ウッズが「ストロークプレーなら出場する」と言ったそうなんです。それに60人出場というのもタイガーの提案らしい。とにかくタイガーが出場すればなんでもいいという、当時のサマランチIOC会長の商業主義優先のゆえですよ。五輪はメジャーでもないですし、最強を決める大会ではありません。もし、最強を求めるなら世界ランクの順位通りでなくてはならない。五輪はいわば万国博覧会の顔見世興行です。万国旗がずらりと並ぶあれですよ。そういう意味では、今回の東京五輪で1位が米国、2位がスロバキア、3位が台湾というのは“成功”しましたね。全米オープンでは絶対起こりえないことです。これが1位から3位まで、米、日、英(豪)が独占したのでは面白くもおかしくもありません。これらの観点からすればストロークプレーでもマッチプレーでもいいですが、マッチでは有力選手が早く消えることもあるので、万国博覧会としては困るでしょうね。団体戦もあればドタキャンできなくなる利点もありますがね……。結論をいえば、五輪の試合フォーマットはどれでもいいということです。(川田太三/17年までJOC委員)

週刊ゴルフダイジェスト2021年8月24日号より


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