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【山を動かす】日本人はなぜメジャーで勝てるようになったのか?

ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマは「日本勢のメジャー優勝」について。一昨年の渋野日向子の全英女子オープンから、今年の松山英樹のマスターズ、笹生優花の全米女子オープン制覇と、日本勢がぞくぞくとメジャー優勝を果たしている。さて、どうして?

●僕や江連忠がアメリカで最新のゴルフ理論を学んで帰って来た頃、日本では“物珍しい理論”と受け取られていました。ところが韓国では、そういう理論がすでに浸透していました。アメリカで学んだコーチたちが帰国して指導に当たるようになっていたからです。それで育ったのが日本アマで優勝したドンファン(03年)やキム・キョンテ(04、05年)といった選手たちでした。韓国よりゴルフの歴史は長い日本ですが、韓国はそういう歴史がないのが幸いして、最新のゴルフ理論を受け入れられたのです。日本で広く最新理論が受け入れられるようになったのは15年ぐらい前でしょう。それで育ってきたのが、いわゆる黄金世代。スターが誕生したのも自然なことです。(内藤雄士/プロコーチ)

●女子の場合は宮里藍の影響が絶対にある。韓国でパク・セリに憧れてプロになった選手がたくさんいたのと同じ。スーパースターが一人出ると続く選手が出てくる。(50代男性・東京都)

日本人選手にはもともと世界で勝てる能力はあったと思いますよ。ところが「メジャーに出るのは特別なことだ」と“フタ”をしてしまっていたんです。そう思い込んできた大人たち、とくにメディアの影響が大きかったと思います。欧米でプロゴルファーになったばかりの若者は、プロになったらメジャーに出るのは特別なことだとは思っていません。メジャーに出場するのは、当たり前なんです。それで出る以上は優勝を目指します。日本でプロテストに合格した若者は日本オープンや日本プロに出るのは特別なことだと思っていなのと同じです。インターネットで情報がたくさん入るようになって、日本の若者も欧米のように考えるようになったのだと思います。(水巻善典/プロゴルファー)

●現在の女子ゴルフの人気ぶりを見ていると、それに憧れる少女が増えるだろうと容易に想像できる。ゴルフは女子が“稼げる”数少ないプロスポーツ。今後も次々とスターが出てくるのではないかと期待している。(60代男性・千葉県)

●かつてのオリンピックなどでは、それこそ“国を背負う”みたいなプレッシャーで悲壮感があふれる選手が多かったけれど、最近の若い選手にそんな雰囲気は感じません。それがいいほうに働いているのでは? みんなのびのびしている。畑岡奈紗もほどなく獲ると思います。(60代男性・北海道)

●トップアスリートの誕生には、まずその競技の裾野が広がっていることが大事だと思います。渋野選手、笹生選手、松山選手らの親御さんの世代は、ようやくゴルフが一般にも普及してきた時代なんではないでしょうか。すると「わが子にもゴルフを」という考えも出てきてジュニア競技が盛んになる。男子の場合、私たちが子どものころは「男の子は野球」が一般的で、とくにフィジカルに優れた子はそうでしたね。それが、いまは松山選手のようなフィジカルに恵まれた子がゴルフを選んでマスターズを制した。野球も日本人選手がアメリカでどんどん結果を出していますが、野球とゴルフは共通点があって、どちらも道具を操るスポーツであるということ。そういう面で、器用な日本人には向いている競技だと思います。(小林雅英/元プロ野球選手・メジャーリーガー)

●ジャンボ尾崎はプロ野球からゴルフに転身して大成功した。プロ野球選手はフィジカルが優れているので、若いうちにゴルフに転向すれば、新たなジャンルでメジャー獲りなんてこともあるかもしれない。最近話題が少ない男子ゴルフ界は、思い切って野球選手をスカウトしたら、全英や全米を獲る選手も出るかも?(50代男性・福岡県)

●陸上の100メートルで金メダルを獲るのは日本勢では無理と思っていたが、9秒台を出す選手が複数出てきた。さまざまな“常識”が覆されている気がする。ゴルフでもトレーニング法やギアの進化で世界中の選手がレベルアップすると思う。日本のゴルフも根性論を脱出したコーチのもと、今後もメジャーを獲る選手は出ると思う。しかし、国内男子ツアーの選手の“小粒”ぶりが気にかかる。(70代男性・鹿児島県)

●ネットの発達は大きいでしょうね。いまや、いつどこにいても、トッププロの最新のスウィングや理論に触れられるし、フェイスブックやインスタなどを通じて自分のスウィングをコーチに見てもらえます。かつては、親御さんがひたすら見たものですが、第三者の視点によって選手のキラッと輝く才能が見つかることがあります。本人の才能はもちろんですが、それに気づく“目利き” =コーチ、監督の存在は大きい。医者でいうセカンドオピニオンのように、複数の人に見てもらうのもいいと思います。親御さんも、コーチたちの意見を聞く柔軟性を持つ方が増えてきているように思いますし、情報網の発達と、選手の才能を見抜く指導者の“千里眼”が日本勢躍進のキーになっているように思います。(吉岡徹治/杉並学院高校ゴルフ部で石川遼らを指導、代々木高校ゴルフ部で笹生優花らを指導)

●ジュニア時代から海外で試合に出られるようになったのが大きいと思う。ナショナルチームの恵まれた環境や優れたコーチの影響は大きい。海外選手を見ても流されず自分を貫ける意志や、世界を相手に臆することのない姿勢は羨ましい限り。(50代女性・神奈川県)

●ゴルフだけでなく、テニスの大坂なおみやバスケットの八村塁など世界で活躍する選手がどんどん現れています。日本も国際化の時代に入ったと言えるでしょう。また、特に大谷翔平を見ていると“新しいタイプの日本人”だなと感じます。かつても、野茂英雄やイチローのように世界で活躍した野球選手はいましたが、彼らはストイックな職人タイプで、ファンもメディアも“ちょっと離れて見守る”イメージがありました。それが大谷は違うんですよねえ。どこまでも自然体で、のびのびしている。それは、松山英樹も似たような雰囲気を感じます。無理したところがないというか。その辺りに活躍の理由があるのではないでしょうか。(島村俊治/元NHKアナウンサー)

週刊ゴルフダイジェスト2021年8月10日号より


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