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【名手の名言】ローリー・マキロイ「“小さな目標”に全力を注ぐ」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は、現在世界ランク1位に君臨するローリー・マキロイが2011年に発した言葉をご紹介!

2011年マスターズの雪辱を2カ月後の全米オープンで果たしたマキロイ(PHOTO/Tadashi Anezaki)


これからは小さな目標に全力を注ぐ。
マスターズではマスターズという
大きな目標しか目に入らなかった

ローリー・マキロイ


現在世界ランク1位のローリー・マキロイがプロ転向したのは2007年のこと。09年に欧州ツアーのドバイデザートクラシックで初優勝を挙げると、10年にはクエイル・ホロー選手権を制し、PGAツアー初優勝。同年の全英オープン、全米プロでも優勝争いを演じ(ともに3位)、メジャー制覇も目と鼻の先にあった。

そんななか臨んだ2011年のマスターズ、3日目終了時点でマキロイは2位に4打差をつける単独首位に立つ。誰もがタイガー以来の若きニュースター誕生を期待したが、最終日の10番ホールでまさかのトリプルボギー。「80」と大きくスコアを崩し、15位に沈んでしまった。

千載一遇のチャンスを棒に振ったマキロイだったが、続く全米オープンでは、2位に8打差をつける圧勝でメジャー初制覇を成し遂げた。それまでの同大会の最多アンダーパー記録(タイガーの12アンダー)を4打も縮め、ニクラスが持つ最小ストロークをも更新。記録づくめの勝利となった。

表題の言葉は、マスターズで惨敗した後、発せられたもの。これまでも多くの名手が、表現は違っても同じような意味の言葉を残している。

球聖ボビー・ジョーンズも「コースのオールドマン・パーと闘う」ことを発見してから栄光の道を走りはじめた。

マキロイはマスターズで惨敗したあと、コースで目の前のショットという小さな目標をつくり、スコアを積み上げていった結果が、全米オープンでの記録的な勝利となったわけである。


何かを学びさえすれば
「負け」は必ず「勝ち」に変わる

ローリー・マキロイ


この言葉は、正確にはマキロイの父・ゲーリーが言ったこと。

2011年のマスターズ最終日、惨敗を喫した夜、マキロイが父に電話を入れると、父は表題の言葉だけを静かに伝えたという。

マキロイの心の中で何かが響いたのだろう。全米オープンの直前にはユニセフ大使としてハイチを訪れた。

「当たり前のようにペットボトルの水が飲める幸せ、ゴルフができる幸せを痛切に感じた」とマキロイは語っていた。

たしかに、全米オープンの前には謙虚なマキロイがそこにいた。 マキロイが勝利して、抱き合った父は一言「成長したな」とだけ伝えて、表彰式の途中、クラブハウスへと歩を進めたのだった。

■ローリー・マキロイ(1989~)

北アイルランド生まれ。2歳で40ヤードのドライブ、16歳で初エース。幼少の頃から天才ぶりを発揮し、将来を嘱望される。07年プロ入り。2012年にはタイガー・ウッズに続く年少記録で世界ランキング1位に上りつめた。攻撃的なゴルフは欧州はもちろん米国でも人気。

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