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「自分は自分でいるだけで十分」通算20勝で永久シード獲得のマキロイが到達した境地

ローリー・マキロイが米男子ツアーの「ザ・CJカップ」で通算20勝目を挙げ、永久シード入り。55歳未満の選手が20勝に到達したのはタイガー・ウッズ、フィル・ミケルソン、ダスティン・ジョンソンに続く4人目の快挙だ。

3日目を終え、復活優勝を狙って単独トップに立ったR・ファウラーに2打差の2位からスタートしたマキロイは、最終日6アンダーの「66」で回り、C・モリカワの追撃をかわして逆転優勝を飾った。

「20勝は目の前にぶら下がったニンジンだった。欲しかったけれど、それが今週だったとは」と満面の笑みで喜びを口にしたマキロイ。

「デビューした頃は、世界ランクのトップ20に入っただけで達成感があった。でもキャリアを重ねるなかで目標を次々にリセットしなければならず、なかなか達成感が得られなかった。停滞は許されないし、あらゆる面で上を見ていた」とマキロイ。

その思いが強すぎたか、さまざまなことを取り入れた結果、スランプに陥った。タイガー以降もっともゴルフの神様に愛されたプレーヤーでありながら、直近の世界ランクはトップ10圏外で、メジャー優勝も14年の全米プロ以来、途絶えている。米国選抜に大差で敗れたライダーカップでは、人目をはばからず大泣きもした。その悔しさがバネになったのか?

「というより、ここ数週間で気づいたことがあるんです。自分は自分でいるだけで十分なんだって。(スランプの間は)誰かになろうとしていたけれど、自分のゲームをすれば戦えると改めて気づいた」

その気づきが3日目の「62」というビッグスコアにつながった。テレビ解説のA・オバーホルザー氏はいう。「マキロイにああいうゴルフをされたら他の選手はナイフじゃなくて飛び道具で戦わなくてはならない」

自信を取り戻したマキロイの21勝目はすぐそこ?

3月からピート・コーウェンをコーチに迎えたマキロイ。効果は早速出た?(写真は2021年全米オープン。PHOTO/Blue Sky Photos)

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月9日号より