【飛ばしは“骨盤”】#3 アドレスで「骨盤が立った状態」作れてますか?
淀みのないスウィングを身につける上で最も重要なのが「骨盤」の使い方。ここからは、具体的な骨盤の動かし方について、吉田直樹コーチに詳しく聞いていこう。
TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、Kazuo Iwamura、Takanori Miki、JGMA THANKS/武庫ノ台GC、大津CC東C、皐月GC天拝C【PGM】、木更津GC
解説/吉田直樹
よしだなおき。小祝さくらや谷原秀人など、トッププロを指導するプロコーチ。自身の経験から、スウィングを骨盤の動きにフォーカスして考える
●CONTENTS●
#1 なぜ“骨盤”が大事なのか
#2 骨盤の正しい動かし方
#3 骨盤が立ったアドレスを作る
#4 切り返しで“もう一段階”前傾を深めよう
#5 ゴルフ好きアスリートが語る骨盤の重要性
#6 切り返しは左腰を下げる
#7 骨盤を強化するストレッチ&練習法
骨盤が前傾した構えができれば
動きが極めてシンプルになる
左骨盤(Left Pelvis)の動きがスウィングのカギという考えから、「LPスウィング」を提唱し、小祝さくらなど、トッププロも指導する吉田直樹コーチ。
「骨盤が正しく動くと、動きがある程度制限され、無駄が省かれるので、スウィングが簡単になります」と言う。
特に大事なのがアドレスでの骨盤前傾。
「直立姿勢でお尻をキュッと締めて、背すじを伸ばし、軽く胸を張ると、骨盤が前傾した(立った)状態になります。そこから、骨盤の前側にクラブをあてがって、もたれかかるように上体を前傾すると、ゆるみのない構えができます」
骨盤が“立つ”=骨盤が“前傾”した状態
よく骨盤が「立つ」という表現が使われるが、正確には骨盤が前傾した状態が、理想的なアドレスの姿勢
骨盤が”ゆるんだ”状態だと
締まりのないアドレスに
骨盤が前傾していないと、尻が落ちて背中が丸まったアドレスになる(骨盤が後傾した状態)。骨盤を適切に立たせられないと、余計な動きが”できてしまう”ので、体が左右に揺れたり、腕が上がりすぎたりして、スウィングが安定しない。
アドレスがゆるむとスウィングもゆるむ
アドレスで骨盤が後傾した状態だと、ひざが左右に動きすぎるなどして、スウィングにさまざまな悪影響をもたらす
骨盤を前傾させると
ゆるみのない構えに!
まず上から吊られている感覚で胸を張って背筋を伸ばし、お尻を締めて高い位置にキープ。そこから両足の付け根部分を中心に上体を前に傾けると、“骨盤が立った”ゆるみのないアドレスになる。これがいわゆる“股関節が入った”状態。
●骨盤を前側させるコツ1
付け根の高さのクラブに体を預ける
ちょうど両足の付け根の高さのクラブに、体を預ける感じで上体を前傾する。胸は軽く張ったまま。無理に胸を張ろうとして、腰を反らせてしまうと正しく上体を回転できなくなる。
●骨盤を前傾させるコツ2
ひざは少しゆるめる
両足の付け根から上体を前傾させると、前につんのめりそうになるが、ひざを少しゆるめるとバランスが取れる。ジャンプして着地したときの感覚に近い。
テークバックは無理に回そうとしなくていい
前傾した骨盤は、斜めに回転するため、自然に左右の股関節が「切り上がる」。骨盤が回ると上体が回り、腕がそれについていくことでトップが完成する。上体を無理にねじる必要はない
>>アドレスが決まったら、どう振っていけばいい?
- 淀みのないスウィングを身につける上で最も重要なのが「骨盤」の使い方。前回に続き、具体的な骨盤の動かし方について、吉田直樹コーチに詳しく聞いていこう。 TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、Kazuo Iwamura、Takanori Miki、JGMA THANKS/武庫ノ台G……
月刊ゴルフダイジェスト2023年1月号より