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【飛ばしは“骨盤”】#5 岩隈久志&大畑大介、2人のゴルフ好きアスリートが語る骨盤の重要性

淀みのないスウィングを身につける上で最も重要なのが「骨盤」の使い方。ゴルフ好きのトップアスリート2人に話を聞いてみると、骨盤の重要性はどんなスポーツにも共通しているようで……。

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、Kazuo Iwamura、Takanori Miki、JGMA THANKS/武庫ノ台GC、大津CC東C、皐月GC天拝C【PGM】、木更津GC

●CONTENTS●
#1 なぜ“骨盤”が大事なのか
#2 骨盤の正しい動かし方
#3 骨盤が立ったアドレスを作る
#4 切り返しで“もう一段階”前を深めよう
#5 ゴルフ好きアスリートが語る骨盤の重要性
#6 切り返しは左腰を下げる
#7 骨盤を強化するストレッチ&練習法

骨盤は“土台”と“エンジン”の
機能を兼ね備える

岩隈久志

いわくまひさし。大阪近鉄バファローズ、東北楽天イーグルスでエースとして活躍。その後メジャーリーグでも名を轟かせたピッチャー。ゴルフのスコアは平均90台

メジャーリーグのシアトルマリナーズでアジア人2人目となるノーヒットノーランを達成するなど、プロ野球選手として長年活躍してきた岩隈久志さん。投球動作において、骨盤の役割はかなり重要だという。

「僕らピッチャーにとって骨盤周りのトレーニングやストレッチは不可欠なものでした。それは投球において骨盤というのは、体を支えるための土台であり、球速を出すためのエンジンとしての役割もあるからです。

僕の投球モーションは独特で、左足を上げてスッと直立し、一度止まるような形になるのですが、そのとき右足1本で直立しても軸がブレない”土台”が必要で、まずここで骨盤が大事になります。

そして、そこからリリースポイントへと徐々にパワーをつなげていくのですが、その”エンジン”的な役割も骨盤が担っています。だからこそ、骨盤が機能しないと、体がブレてコントロールもしにくく、さらに、下半身から動き出せなくなるため、球速も上がらなくなってしまうのです」


具体的にはどうやって骨盤を動かして投げていたのか?

「ポイントは右の骨盤。ひとつ目の”土台”という意味では、右骨盤に体重をかけて立つのですが、その際に体が横に流れたり、前に倒れたりすると右骨盤で体を支えることができません。右の骨盤の上に真っすぐ乗るというイメージですね。

そしてもうひとつの”エンジン”の動き。これは”土台”を作ったところから、右半身を右に倒すように右骨盤をグッと入れていきます。こうすることで、下半身が目標方向に動き出し、上体は開かずに動かすことができるので、リリースポイントで最大のエネルギーが出るというわけです。

この2つの動きは、ゴルフのトップと切り返しの動きと完全にリンクしています。動かし方はわかっているのに、ゴルフになるとなぜかボールは曲がってしまいますが(笑)」

ラグビーで培った骨盤周りの強さが
“傾斜地ショット”に生きている

大畑大介

おおはただいすけ。現役時代は神戸製鋼コベルコスティーラーズで走力を生かして活躍。ポジションはウイングとセンターバック。ベストスコアは82

選手同士のボディコンタクトが激しいラグビー。その第一線で活躍し続けていた大畑大介さんは、スピードとボディコンタクトに耐え切るためには骨盤周りが大事だという。

「ラグビーは、選手同士のボディコンタクトが激しく、体の強さが必要不可欠。そのなかでも特に骨盤周りの強さが大事なんです。ここがしっかりしていないと、体幹がブレやすくなるため、強いタックルを振り切ることができなくなります。

だから、現役時代はゴムチューブを使ったり、バランスボールの上でスクワットをするなど、骨盤周りのいわゆる”体幹”をしっかりと鍛えていました。

しかし、ラグビーは強さだけでは意味がありません。タックルをかわす体のキレも必要だからです。そのためには、ただ骨盤周りを強くするのではなく、柔軟性や可動域を大きくすることが大事なんです。そうすることで骨盤周りを自分の思った通りに動かすことができるようになり体のキレが増していくんです」

トレーニングする際は、意識することが鍛えるための第一歩だという。

「ただやみくもに骨盤周りのトレーニングをしても意味がないんです。僕も若い頃はただ体を大きくしたいと考えていましたが、それではいざその筋肉を使おうと思ったときに、自在に動かすことができず、ただ体が重くなってしまっていたのです。

そこで大事にしたのが、『自分が骨盤周りをどう動かしたいのか』という意識を強く持つこと。理想をイメージしながらトレーニングをすることで、効果は大きく変わってきます。

今、ゴルフに夢中になっていますが、現役時代に骨盤周りを鍛えたことは、ゴルフへのメリットも大きかったと感じています。特に感じたのが傾斜地でのショットですね。ゴルフ場は、平らな場所が少なく変な体勢で打つことが多いのですが、骨盤周りの体幹を鍛えていたおかげで、軸ブレがなく打つことができています。

むしろ、傾斜地のほうがいいショットが出るんじゃないかと思うくらいです(笑)」

>>切り返しの骨盤の動きを極めよう

>>スムーズな骨盤の動きを取り戻す方法とは?

  • 淀みのないスウィングを身につける上で最も重要なのが「骨盤」の使い方。最後は、自宅での空き時間やラウンド前にオススメな骨盤トレーニング法を教えてもらった。 TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、Kazuo Iwamura、Takanori Miki、JGMA THANKS/武庫ノ……

月刊ゴルフダイジェスト2023年1月号より