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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.48「“ ダメな動き”をあえてやってみよう」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

我が練習場の休憩コーナーにはたくさんの新聞、雑誌、漫画などが置いてある。ボクも仕事の合間にゴルフ雑誌をチラチラ読んだりする。好きなのは漫画とクラブネタ。レッスン記事も参考にすることはあるけど、全部が自分にとって正解だとは思っていない。

記事の多くは「クラブはこう上げて、トップのカタチはこうで、ダウンはこうして、インパクトでこうなると飛びますよ」というのを写真つきで丁寧に説明している。きっと、それらは理論上正しく、完璧に再現できればスウィングも美しくなるはずだ。逆に、「こんなふうに動くと、こんなミスが出るからダメですよ」という記事もある。

でも、ボクはダメと言われたことでも、あえてやってみるタイプだ。だって、そうしないとなぜダメかがわからないから。

オーバースウィングはダメ、クロスはダメ、ダウンで右肩が突っ込むのはダメ、ヘッドアップはダメ……数々のダメを試した結果、今の僕のスウィングが出来上がった。

それは、頭を残さない、肩は止めない、ダウンでタメない。そして、調子がいいときはトップでクロスするといったスウィング。一般的なゴルフ理論からしたら全否定の内容だ。見た目にも決して美スウィングとは言えない。それでも、プラスハンディを維持している。知り合いにも、超・超変則スウィングの人がいるけど、彼も立派なシングルさんだ。そう考えると正解は、その人次第なのだと思う。

例えば、ダウンで右肩が突っ込むのがダメという理論がある。理由は右肩が突っ込むと、クラブがアウトサイドイン軌道になりスライスや引っかけが出やすいから。それを読んだみなさんは、肩が絶対に突っ込まないように、肩を止めてスウィングすることを心がけるよね。でも、ボクは肩を止めてボールを打つことなんかできない。

確かに、右肩と腕が一緒に突っ込むと、体がかぶるからうまく当たらない。でも、そうじゃなければ、ボク的には肩なんて突っ込むのが自然だと思う。でも、それは実際に動いてみないと、わからなかったこと。

逆に、ダスティン・ジョンソンのようなレイドオフを目指しましょうって言われても、ぼくには無理。あのスウィングは身長が最低185センチあって、柔軟性があって、体幹がしっかりしていないと、かえって飛ばない。それも、やってみて初めて実感したことだ。

素人だからってなんでも言いなりになるのではなく、一度ポジティブに理論をぶっ壊してみる! これがボク流。鏡を見ながら、ダメと言われたことをやってみると、何でダメかがわかるし、ダメと言われていても、なぜか自分には合うってことも多々ある。

反対に正解と言われていることでも、なぜか自分にはしっくりこないってこともある。目指すは正しいスウィングではなく、自分に合ったスウィング。そのほうが練習も楽しいので、断然おすすめ。みなさんも、今日からあらゆるダメを試してみよう!

鏡を見ながら“ダメ”を行うことで、自分に合ったスウィングを発見しやすくなる


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年11月14日号より