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【わかったなんて言えません】Vol.98 清水大成 #4「10フィンガーは変えられない」

「ゲンちゃん」こと時松隆光がプロを招いてトークをする連載「わかった! なんて言えません」。清水大成プロをゲストに招いての最終回は、2人の代名詞でもある「10フィンガーグリップ」について。

TEXT/Masaaki Furuya PHOTO/Norimoto Asada

ホスト/時松隆光

1993年生まれ、福岡県出身。ツアー通算3勝。プロ10年目。テンフィンガーグリップで戦う。愛称は“ゲンちゃん”

ご指名/清水大成

1999年生まれ、福岡県出身。日大卒業後、20年プロ入り。ルーキーにして賞金シード獲得。1勝目が待たれる。飛距離や爽やかさも魅力

前回のお話はこちら

時松 最近、試合で一緒に回ってないよね。

清水 確かにそうですね。去年は2度、回ってますけど。

時松 サトウ食品ね。

清水 バンテリン東海もです。

時松 昔から知ってるので、ラウンド中もけっこうしゃべるよね。お互い無口でもないし。

清水 そうですね。

時松 練ランは片岡(尚之)くんと回ることが多いみたいだけど、どんな話をする?

清水 けっこうくだらないことですよ。あと、よく教えてもらいますね。尚さんはパターが上手いですし。あ、“パターも”上手いですから(笑)。

時松 石川(遼)さんともよく練ランしているよね。

清水 はい。遼さんも優しいです。技術的なことでも、何かを聞いたら、めちゃくちゃ丁寧に教えてくれます。源蔵さんは先輩から教えてもらうことありますか。

時松 覚えているのは19年のセガサミーの2日目に(池田)勇太さんと回ったときのことかな。勇太さんは上位のスコアだったけど、僕は予選カットラインに届くかどうかというスコアで。17番でバーディを取って、次の18番はパー5だから連続バーディがほしかったんだけど、その日は土砂降りだったし届かないから2打目は刻んだ。でも行ったら下がグチュグチュで。プリファードライの適用でボールを動かせたんだけど、でもそのままバーンって打ったんだよね。そうしたら、後ろからきた勇太さんから「踏んだら水が出るじゃん。カジュアルでしょココは。何で動かさないんだよ」って怒られて。それでバーディパットは6メートルくらいだったけど、ショートしたらまた怒られると思ったから、ガッと打って5メートルくらいオーバーして。結局、パーだった。もしバーディが取れていても予選落ちしていたけど……。翌週の試合の初日、勇太さんが8アンダーを出してメッチャ機嫌がいいとき「先週すみませんでした」と言いにいったけど。


清水 (笑)。

時松 勇太さんからはそのときに、ルールはきちんと生かすことや、スコアや勝負へのこだわりをもっと持てというようなことを教えていただいた。

清水 そうなんですね。

時松 教わるといえば、僕らゴルフを最初に教わった時が篠塚(武久)先生で10フィンガーグリップだったから、もうコレは変えることはできないよね。

清水 今から変えたら多分、ゴルフにならないと思います。

時松 10フィンガーでよいところっていうと何だと思う。僕は「指」かな。

清水 ケガをしないということですよね。それはあります。

時松 でも正直、ほかの握り方でやったことがないから、ほかに10フィンガーのどこがよいのか、逆に何が悪いのかがわからないんだよね。

清水 僕もそうなんです。

時松 まあ、僕の場合はこの握り方だとアプローチで1つの打ち方しかできないというのが悩みというか。

清水 でも源蔵さんのアプローチはメッチャ入ります。

時松 粘っこくゴキブリみたいにゾロゾロッて入る感じだけど。

清水 (笑)。

時松 自分としては上げるピッチショットとかも打ちたくて、丸山(茂樹)さんにもいろいろ教えてもらったけど、結局、習得できなかった。大成は10フィンガーでもロブショットとか上手いよね。

清水 ロブは好きです。小学校のときはアプローチ練習で9割はロブをやっていましたから。

時松 そういえば、コースの奥でメッチャやってたなぁ。

清水 上げて止めるのが楽しかったから。

時松 10フィンガーでロプをどうやって打っているの?

清水 感覚としたら右手で打っている感じです。フェースを開いて、インパクトは若干、ハンドレイト気味にもってくるというイメージです。

ロブは右手のひらで!

「右手がボールの下に入っていくというか、右手のひらがフェース面の感じで、すくうように打つんです」(清水)

時松 そういえばこの前、横田(真一)さんがユーチューブで、篠塚先生の所を訪問したときの話を(片山)晋呉さんにしていたんだけど。篠塚さんは寝てて突然「あ、コレ!」ってひらめくらしいという話をすると、「僕も枕の横にノートとペンを置いていて、夜中にふとひらめいたことをバーッと書きとめておく」って言っていた。

清水 へぇ~。

時松 そういうひらめきで作られた道具とかを使って僕らはゴルフを覚えてきたんだって思うと、ますます10フィンガーを変えられないよな。

清水 本当です。

時松 お互い優勝目指して頑張ろう。

週刊ゴルフダイジェスト2022年10月4日号より