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女子アマV 寺岡沙弥香の強さの秘密<前編>「センターに置いて2パットでいい」マネジメントの重要性

6月の第63回日本女子アマチュア選手権で優勝した寺岡沙弥香(19)。「頭の使い方がよくなっているのが自分でもわかる。マネジメント力で獲ったタイトルです」という。この“マネジメント力”とはどんな力のことをいうのか。コーチの川西直樹プロを交え詳しく話を聞いた。

THANKS/忍ケ丘ゴルフセンター PHOTO/Masaaki Nishimoto、Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki

寺岡沙弥香(右)
02年大阪出身。3歳でゴルフを始め、大阪学院大高卒業後、プロテスト合格を目指して日々研鑽中。153㎝でパワフルに飛ばす。「160㎝以下の人に飛距離は負けたくない」。宮里藍が大好きで目標
川西直樹(左)
75年大阪出身。リアライズゴルフアカデミー主宰。近畿大学卒業後24歳でプロ転向。師匠は田中秀道。08年からは不動裕理のキャディなどで一流選手の考え方やマネジメントを勉強。「同級生で一番活躍しているのはタイガー・ウッズですわ」

プランニング通りできたか。コースで自問自答する

今年の日本女子アマ、寺岡は初日から首位を守り6打差をつけての完全優勝。

「彼女は飛ぶし曲がらない。ショット力は高いけど、グリーンを外すとボギーにしていた。でも最近、リカバリー力が上がり、マネジメント力がついたことで数字が出せるようになりました」とは小3からコーチを務める川西プロ。

「ゴルフってゲームやから、プランニング通りできたかどうかが自分に対しての評価やと思います」

優勝した関西女子アマでも寺岡は自己分析ができていた。

「『よかったな』と言ったら『ドライバーが全然ダメだったからスプーンでいった。曲がったけどとりあえず最低限のパープレーでおさめられました』と。コースでいろいろ考え、自問自答しながらできるようになってきたんやなと。自分とのマネジメントが大事です」

寺岡も、急にマネジメントというものを理解し始めたという。

「中高時代は『へえ』くらい。セカンドでピンを狙って、バーディかボギーという感じやったのが、センターに置いて2パットでいいということの本当の意味を知ったという感じですね」(寺岡)

「かっこええな(笑)。負けたくなくてピンを狙いドツボにハマる。悔しくて泣く。この繰り返しで徐々にわかってきた。皆に言いますが、失敗せんことには気づかない、どんどん失敗せえと」(川西)

アプローチ力も加わり、粘りも出た。「サントリーレディスでバッグを担ぎましたが、全部58度でピッチ&ラン一辺倒。だから2日目が終わって4時間のアプローチ練習。転がしたりフェースを開いて打ったり、番手やボール位置を変えて。それを試合で試したんです。これが寄った。素直やから喜ぶし、どんどん使いたくなって自信もつく」(川西)。「楽しくなった。『そういうことか』と言いながらやっていました」(寺岡)

まずバウンスの話を説明したと笑う川西。「開いたらバウンスが地面に当たるなど座学です。他のプロのヘッドが入るところや芝のめくれ方を見たり、ああだこうだ言いながらいろいろ試しました」

引き出しができても、鍵をかけてはダメだと川西。女子アマの18番。「2日目は右手前から50度で転がし、3日目は58度で15Yに落として寄せ、最終日は奥からの30Yをバウンスを使ってフワッと上げて。すべて2回で上がれました」(寺岡)

川西コーチが自身のゴルフ経験から学んだ
上達の極意とは?

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月16日号より