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【ゴルフは“なで肩”がいい!】<前編>肩甲骨を“下げる”と腕がどんどん動き出す

ゴルフのスウィングは腕を大きく振るが、そのために重要なのが「肩甲骨」の動き。そして肩甲骨をスムーズに動かすには、「なで肩」が理想だという。ではそもそも「なで肩」とはどういう状態なのか。「いかり肩」の人はどうすればいいのか。詳しく話を聞いてみた。

TEXT/Kenji Oba PHOTO/Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa THANKS/ヤマハレディースオープン葛城、ダイキンオーキッドレディス

解説/白木仁

筑波大学体育系教授。大学院で解剖学を学びながら柔道整復師の資格を取得。平成3年より筑波大学体育科学系にてスポーツ医学講師として教育と研究に従事。JGAナショナルチームのトレーナーも務める

肩甲骨が下がるとパフォーマンスが上がる

「尾崎将司や中嶋常幸など、一流選手には“なで肩”が多いです」とは、JGAナショナルチームのフィジカルトレーナーである筑波大学の白木仁教授だ。なで肩はスウィングにどう影響するのか?

「胸郭に対する相対的な肩甲骨の位置によって、なで肩といかり肩に分類できます。相対的に低いのがなで肩、高いものがいかり肩です。腕の動きを司るのが肩甲骨の主な役割ですので、なで肩のほうが腕の動きは格段によくなるといえます」

腕の動きを司る肩甲骨は6方向(挙上、下制、内転、外転、上方回旋、下方回旋)に、胸郭の後面をスライドして動くようデザインされている。この肩甲骨の位置で腕の動きやすさが変わるというのだが、具体的にゴルフのスウィングで考えてみよう。基本的にいかり肩は、肩や肩甲骨の可動域が狭くなりやすいという。

「たとえばトップが浅く、アップライトなスウィング軌道になりやすい人は、いかり肩が多いです。バックスウィングで左腕がアゴにぶつかり、スムーズな動きがしにくい側面もあります。これに対し、なで肩はバックスウィングがスムーズでスウィング軌道もフラットになりやすく、ドローボールが打ちやすい傾向があります」

あくまで一般的な傾向で、持ち球や上達の度合いが肩甲骨の位置だけで決まるわけではない。ただゴルフに限らず、腕の動きはあらゆるスポーツで重要であることは間違いない。ちなみにメジャーリーグで活躍する大谷翔平選手もなで肩だという。では、いかり肩の人はどうすればいいのか?

「肩が上がることで肩周りの筋肉が緊張し、腕の動きが制限されるわけですから肩甲骨を下げることが必要でしょう。マラソンでも腕はできるだけ低い位置で振るように指導します。肩甲骨の位置は腕の動きやすさだけでなく、呼吸のしやすさにまで影響してくるものなのです。また、ストレッチやマッサージで肩甲骨周りを柔らかくし、動きをスムーズにさせることも可能です」

白木教授によると、どんなスポーツでも肩が上がってしまうのはよくないという。つまり肩甲骨が下がった状態でないと高いパフォーマンスは発揮できないのだ。これはゴルフでも同じだという。

Q. なで肩といかり肩の違いは?
A. 胸郭に対して肩甲骨が下にあると「なで肩」

なで肩、いかり肩は肩甲骨の相対的な位置によって決まる。同じ身長でもなで肩といかり肩では、肩の位置が異なるため、姿勢ではなく、体型の違いと考えられる。なで肩のほうが肩甲骨の可動域が広い傾向にあるという

Q. 肩甲骨の役割とは?
A. 鎖骨と連携し腕の動きを司る重要な部位
腕の動きを司るのが肩甲骨の重要な役割だ。鎖骨と連動し、頸部の筋、上肢とも連結して腕の動きをコントロールする。肩甲骨の動きが制限されると、腕が思うように動かないばかりか、肩こりや肩痛、頭痛などの原因になる

Q. 肩甲骨の位置で何が変わるの?
A. 腕の動きのスムーズさが変わります
肩甲骨を上げたり下げたりして腕を動かすと、そのスムーズさの違いがわかるはずだ。肩甲骨が下にあるほど、腕は動きやすくなる。息を吸い込むと肩甲骨も上がるため、呼吸のしやすさにも影響がある

では肩甲骨を下げるにはどうすれば?

  • ゴルフのスウィングでは、肩甲骨が上がった「いかり肩」よりも、肩甲骨が下がった「なで肩」の状態が、腕をスムーズに動かすうえで重要だという。ではどのようにすれば理想的な「なで肩」姿勢を作ることができるのか。横田英治プロに話を聞いた。 TEXT/Kenji Oba PHOTO/Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa THANKS/明治ゴルフセンター、ヤマハレディースオー……

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月26日号より

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