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【ハの字スタンスで飛距離アップ】<前編>右つま先を開くメリットとは?

アドレス時のつま先の向きは、「右足真っすぐ、左足を開く」とよく言われるが、今どきの“回転系”スウィングには、両足を開く「ハの字」型のスタンスが合っていると森守洋コーチはいう。その真意とは?

PHOTO/Takanori Miki、Kazuo Iwamura、Blue Sky Photos THANKS/東京ゴルフスタジオ

解説/森守洋プロコーチ

ツアープロのコーチを務めつつ、多くのアマチュアにもレッスンを行う。国内外、新旧問わずあらゆるスウィング理論に精通

回転のパワーを最大限に引き出す

右足つま先を飛球線と垂直にして構える「右足真っすぐ&左足開き」のスタンスが主流かと思いきや、右足も開く「ハの字」スタンスを採用する選手がPGAツアーでも増えている。右足を開く効果について、森守洋コーチに聞くと

「つま先を開く目的は、回転量を増やすためです。テークバックでは右側、フォローサイドでは左側のつま先を閉じることでロックがかかり、開くことで回転の制御が取り外されます。体が硬くなる40代からは捻転量が落ちるので、回転重視で特に右つま先を開くのは効果的です」

確かに右つま先を開くとトップは深くなるが、松山英樹も最近“ちょい開き”に変えたというし、20代、30代のプロまでもが開く理由は?

「もちろん開かなくても十分に回れますが、回転速度を上げるために開くのだと思います。スウィング中、足裏にかかる体重は直線ではなく、テークバックで右つま先にかかる荷重が、切り返しで右かかと側へ移動します。これによりトップからダウンスウィングへ移行するなかで“沈みこむ動作”が生まれ、回転速度が最大化されるのです」

この動作を出すために、右つま先を開くのは効果的ということ。今どきの回転系スウィングにも相性は良さそうだ。

PGAツアー選手のスタンスを調査
“ハの字”派が優勢

PGAツアーの賞金ランク上位50人のスタンスを調査した結果、「右足真っすぐ・左足を開く」よりも「両足を開く」ハの字スタンスがやや多いという結果に。時期や試合によって角度を変えている選手も多かった

「ハの字」派……松山英樹、J・スピース、J・デイ、V・ホブラン、M・ウルフ etc
「右真っすぐ・左開き」派……C・モリカワ、T・フィナウ etc
「両足真っすぐ」派……B・ケプカ etc

右つま先真っすぐだと…
トップが浅くなりかかとに体重が届かない

右股関節が制限をかけ、体重移動が直線的。「若いプロは柔軟性も筋力もあり問題ないですが、一般アマチュアだと回転速度が上がりにくいです」(森)

右つま先ちょい開きだと…
右のかかとまで乗れて“間”ができる

テークバックで十分な回転を得ることで、トップでつま先に乗った体重がかかと側へ移動。これにより切り返しで一瞬座るような動作が生まれる

松山も最近右つま先を開いた

今年から右つま先を少し開いたという松山。「おそらくスムーズに回転するため、アドレス時にどこにも緊張感を作りたくないことが目的でしょう」(森)

ハの字スタンスはパワーを溜めやすい!
その理由とは? >>後編へつづく

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月22日号より

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