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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.10「“なりきりダスティン”でスライス撲滅!?」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

最近はクラブもボールも進化し、とにかく直進性がよくなった。にもかかわらずスライスやフックに悩む人はなぜか減らない。

それは、曲げる練習をしないからだ。球はどうやると曲がるかを理解しないと、真っすぐ打つことはできないと思っている。だからボクは曲がらないように設計されたクラブとボールを使い、一生懸命曲げる練習をしている。だって、ゴルフは曲げてナンボでしょ。曲げながら、どう攻めるかを考えるのが楽しいんじゃない。

ということで、前回はスプリットハンドグリップで引っかける練習をおすすめしたが、もうひとつスライスに悩む人に提案したいものを思い出したのでご紹介しよう。

題して『なりきりダスティン・ジョンソン!』

ご存じダスティン・ジョンソンといえばPGAツアー屈指の飛ばし屋だ。長い手足を生かしたパワフルなスウィングが目を見張るが、真似してほしいのはそこじゃない。そもそも、手や足は今から伸びないからね。

注目したいのは『手首』。トップで右手のひらが空を向いている。それくらい手首を折って使っている。最初に見たときは、思わず「マジっすか!?」って叫んじゃったくらい。で、そんなアンビリーバボーなトップを実現するには、めちゃめちゃフックグリップに握らなければならない。その証拠にトップでフェース面も空を向くほどめちゃめちゃシャットである。彼はそこから手首をまったく使わず、低く長いインパクトゾーンを作る。それと同調した体の使い方も独特なものがあり、見事なフェードを打ち出す。

それは僕を含めたアマチュアには到底真似できない。それが世界トップの技だ。

じゃ、何を参考にするかというと、あのトップでの手首の角度。あそこからフェードを打てるのはダスティンくらいなもので、普通は誰がどうやってもフックしか出ない。中途半端に再現してもダメ。最初はこれでもかっていうくらい手首を曲げてみて欲しい。とことんダスティンになりきる。これが大事。

そうすれば、球をつかまえるというのがどういうことなのかがわかるはずだ。

トップで右手のひらが空を向くぐらい手首を折ると、フェースも空を向く。これがフェースが「閉じた」状態。これなら否が応でも球がつかまる

最初は違和感ありまくりかもしれない。へんてこりんな球も出まくりかもしれない。でもコツをつかめば簡単。「なんだそういうことか」と合点がいくはず。同時に、なぜスライスしてしまうかもわかってくるだろう。

それがつかめたら、次はクラブをSWに持ち替え、30ヤードをドローで打つ練習をするのも楽しい。フック回転をかけ、落ちて左に跳ねる球を打ってみよう。やってみるとわかるけど、これ、けっこう難しいよ。もし、落ちてから右に跳ねたら、それはまだクラブがカットに入っている証拠。そしたら、また「なりきりダスティン」をリピートしてみよう。

こんな練習をしばらく続けると、ほ〜ら、あなたも球を曲げるのが面白くなってきたでしょ(笑)。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2016年12月6日号より