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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.98「アプローチはバックスピンが多いよりも“少ない”ほうがいい!?」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

「ゴルフ バックスピン」というキーワードでネット検索すると……バックスピンをかけるには、バックスピンのかけかた、キュッと止める練習法などの記事がヒットする。つまり、バックスピンはかける前提なのだ。次々ページをすすめても、一向に「バックスピンをかけない」話が見つからない。試しに「ゴルフ」「バックスピン」に続き「かけない」と入れてみたが、それでもしつこくバックスピンのかけ方にヒットする。記事を書いている人は、まさかこの世にバックスピンをかけたくない人がいるなんて思ってもいないのだろう。ボクがその、まさかなんですけどね。

グリーン上でギュッとボールが止まるのは確かにカッコイイかもしれない。一度でいいから、奥からバックスピンでピンそばに寄っていく球を見ながら「カモ~ン!」とか言ってみたい、という気持ちもわからんでもない。しかし現実はそう甘くない。うまくかからず奥からの下りパットが残る寒い結果のほうが圧倒的に多い。それなら無理にバックスピンをかけんと、手前のカラーから転がしたほうがいいと思わん?

勘違いしている人もいるかもしれないけど、バックスピンはかけるものではなくかかるもの。

だから、ボクが目指しているのはあえてバックスピンがかからないスウィング。ウェッジでも前に転がる球、イメージ的には落ちてワンピン程度転がるぐらいがベストかな。そのほうが距離の計算もラクチンだし。バックスピンは、どれだけ戻ってくるか見当つけにくいもんね。

でも、さっきも言ったようにバックスピンは普通に打つと自然とかかってしまうから、あえてかけないようにするのは意外と難しいんだ。大雑把に言うとヘッドを鋭角に入れず、ターフをとらないスウィング。若干だけどフェース面をボールがスリップする感じかな。これができるようになってから、ボクのスピン量はかなり減った。今はSWのスピン量が普通の人の半分、つまり9Iで打ったのと同じくらいだ。スピン系ボールでも前に転がるのが自慢。スピンをかけないと何がいいかというと、手前からトロトロと転がるからカップに対し上りのパットが残りやすい。だから次のパットが入りやすいってこと。さっきも言ったけど、奥からバックスピンで狙うより、パーの確率が増えるってわけ。

この打ち方はバンカーやディボット跡に入ったときにも有効だ。インパクトでヘッドが刺さりにくくスムーズに抜けるから、寄らないまでも、脱出はできるはず。

高嶺の花を羨むより、足元の豆を拾えって言うけど、ゴルフも同じだね。バックスピンで高嶺のバーディを狙うよりも、ノーバックスピンで足元のパーを拾え! である。だから、バックスピンは必要以上にかける必要なし! そう思ってやってみて。

低スピン打法は入射角がゆるやかになるので、ディボット跡などクリーンにボールを打ちたいときにも有効。ウェッジでフルショットをしてワンピン転がれば低スピンで打てている証拠


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年2月5日号より