【飛ばしは“上半身”】#2 始動では「お腹」を目いっぱい力む! 手打ち・軸ブレが防げる
飛距離アップには、上半身の3つの部位「お腹」「胸」「背中」の使い方が大事だという。今回はそのひとつ「お腹」の使い方について、辻村明志コーチに聞いた。
TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Shinji Osawa
解説/辻村明志
つじむらはるゆき。1975年生まれ。上田桃子や小祝さくら、吉田優利などのコーチを務める
サポート解説/吉田優利
よしだゆうり。2000年生まれ、千葉県出身。21年の楽天スーパーレディスでツアー初優勝を果たす
●CONTENTS●
>>#1 回転力アップのキモは「上半身」
>>#2 始動は「お腹」から
>>#3 「胸」を大きく回すコツ
>>#4 飛ばし屋に学ぶ「背中」使い
腹筋だけはいくら力んでもいい
スウィングには「力んではいけない」場所と、「力んでもいい」場所がある。力みが大敵なのは手、腕、肩。逆に力んでいいのは、腹筋などの体幹部分。とくに、「腹筋に限って言えば、始動の瞬間からずっと力みっぱなしでいい」と、辻村コーチは言う。たとえば、21年に2勝を挙げた、吉田優利プロの場合、お腹(腹筋)が「抜ける」のが、不調のサインだという。
「『抜ける』というのは、つまり必要な力が入っていないということ。そうすると上体が浮いて、ミスが出やすい状態になってしまう。だから、彼女にはいつも『ずっとお腹に力を入れておく』ように、口酸っぱく言っています」(辻村)。
とくに、始動部分でお腹に力が入っていると、下半身と上半身が連動して上がるので、「手打ち」になりにくいのが最大のメリットだ。
お腹に力を入れるメリット1
体幹部から回せ、手上げを防げる
バックスウィングでは、胸が飛球線後方を向くぐらいしっかり回すことが大事。腹筋を意識することで、体幹部をしっかりと回していくことができる。お腹の力が抜けていると、体を回せず手だけで上げやすくなる
お腹に力を入れるメリット2
スウィング軸が安定する
腹筋に常に力が入っている状態を保つことで、下半身の左右ぶれや上体の揺れ、上下動を抑制でき、回転軸が安定する
「左腕と体の距離感を変えないように意識しています」(吉田)
腹筋が使えているかをチェックするには「左腕の長さを変えずに上げていく」ことが大事だと言う吉田。左ひじを曲げず、体との距離が変わらなければ腹筋を使えている証拠だという
Drill
ペットボトル押し練
水の入ったペットボトルを、バックフェースで真っすぐ押しながらテークバックすると、自然と腹筋に力を入れた始動になる
>>#2 始動は「お腹」から
>>#3 「胸」を大きく回すコツ
>>#4 飛ばし屋に学ぶ「背中」使い
月刊ゴルフダイジェスト2022年2月号より
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