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【“シャンク”克服】<後編>練習場で今すぐトライ! “タイプ別”悪癖が直る魔法のドリル

前回は、シャンクの原因と、それを引き起こす元となる4つの悪癖を教えてもらった。ではその悪癖を直すにはどうすればいいのか。引き続き横田英治プロに解説してもらおう!

ILLUST/Shinichi Hoshi PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/平川CC

解説/横田英治

プロアマ問わずわかりやすいレッスンが人気で、教えてきた人数は何万人にもおよぶ。横田自身が主宰し、ゴルファーが集う総合サロン「クラブハウス」を来春オープン予定

>>あなたはどのタイプ?
まずはシャンクの原因を知ろう

タイプ1「かかと体重型」の直し方

「かかと体重自体は悪いことではないですが、前後の動きをコントロールできないと、インパクト直前に届かなくなってしまう。だから手を伸ばして“当てに”いく必要が出るんです」

と横田。こんな人は、スウィング中の“体重のかかり方”の感覚を変える必要があるという。


「練習場のゴムマットに、かかとを余らせた状態で立ち、“足裏の前側”を意識して素振りしてください。かかとを終始つけずに振るのが大事です。かかと体重の人は、全然感覚が違うはずですよ」

「かかと体重型」の特徴
前のめりになって上体が起きる

インパクト直前、ボールにヘッドを「届かせよう」と、手が前に出る。ボールが近い人や球をつかまえたい人に多い症状

「かかと体重型」の人はコレ
はしっこ素振りで前傾キープ

上体のポジションが安定する

体重が母趾球を中心にかかり続けることで、スウィング中、上体のポジションが安定。前傾が維持され、軌道も安定する

タイプ2「ライン出し型」の直し方

「目標に打ち出したいあまり、フォローくらいまでフェース面を目標に向け続けようとする人がいますが、いくら“ライン出し”したいからといっても、フェースや腕の自然なターンは不可欠です」

と横田。フェース向きを維持しようとすると、左わきが開きやすく、手と体の距離をキープするのが難しくなるという。

「ヘッドカバーを左わきにはさみ、ハーフショットでフィニッシュまで落とさないように振ることで、自然と腕がターンし、手と体の距離も一定に保てます」

「ライン出し型」の特徴
インパクトにかけ手が体から離れる

左わきが開きながらインパクトを迎えることで、手と体の距離が崩れ、手が前に出やすい。「プロでもそういう選手もいますが、実際は少しインサイドにヘッドは抜けます」(横田)

「ライン出し型」の人はコレ
ヘッドカバーを落とさず振ろう

腕と体の距離を一定にキープ

ヘッドカバーをわきに挟むことで、腕と体の距離をキープできることに加え、常に体の正面に手があるため、手先が悪さをしなくなる

タイプ3「キャスト型」の直し方

「切り返しで右肩が出る、カット軌道の人に多いタイプです。インパクトにかけ上体が起きるから、届かせようと手が浮くのに加え、左へ打ち出したくないからフェースも開きやすい。そんな人はトップから始めると良いです」

トップから!?どういうこと?

「“ストップ&ゴー”と呼ばれる練習法があるのですが、正しいポジションでトップの形を作っておいて、そこから体の『戻り』だけで打ってください。手から動き出すと右肩が出るので、みぞおちを下に落とすイメージで!」

と横田。動き出しの正しい順番も同時に覚えられるドリルだ。

「キャスト型」の特徴
右肩が出て手が前に出る

切り返しで右肩が前に出て、アウト-イン軌道に。スクエアフェースだと左へ行くため、フェースを開いてインパクトしやすく、これがシャンクに拍車をかける

「キャスト型」に人はコレ
ストップ&ゴーでみぞおちから動き出す

右ひじが締まり手が前に出なくなる

トップで動きを止め、みぞおちを「落とす」イメージでダウンスウィングをスタート。右肩が前に出なくなり、右ひじが締まった状態で、ヘッドがインサイドから下りやすくなる

タイプ4「詰まり型」の直し方

「インパクトで“詰まる”人は、左サイドに手が抜けるスペースがないことが問題なので、このタイプの人は、左へ振り抜く感覚をつけたいです」

と横田。問題の元凶は、腰の回転不足だという。

「ダウンスウィングで腰の回転が足りないと、フォローで手を目標方向に投げ出すように振るしかない上、右腰が前に出やすい。こういう人は、奥に置いたボールに構えて、手前のボールを打つドリルが効果的です」

振り幅は腰から腰の高さで十分。慣れないうちは、奥に置くのはコインやマーカーにしよう。

「詰まり型」の特徴
インパクトで右腰が前に出る

腰の回転不足が原因だが、無理やりつかまえようと、ダウンスウィングで右腰が前に出やすく、上体も起きやすい

「詰まり型」の人にはコレ
で構えて手前を打つ!

腰と手の距離感が維持される

2つのボールを10cmぐらい離してセット。奥側のボールにアドレスし、手前側のボールを打つ。自然とインパクトで左腰が後ろへ下がる動きが生じ、腰がスムーズに回転する

え? 逆だった!?
「トウで構える」は危険です

先に紹介した4つのドリルは、シャンクを克服するためのいわば「根本治療」。では、コースで「ペチーッ」が出てしまったらどうすればいいのか。

「簡単ですごく効く荒療治がありますよ。もしラウンド中にシャンクが出たら、次は思い切って『ヒールで』構えてみてください」

ヒールで構えたら余計にシャンクが出てしまうのでは?

「シャンクが出るとトウ側にボールを置いて構えがちですが、それは逆効果。ヒール側で構えると、“芯に当てよう”という意識が働き、ヘッドを引き寄せる動きが出て、絶対にシャンクしなくなりますよ」

思い切って
超ヒールで構えてみよう

自然とヘッドを手前に引き寄せようとする

ボールをトウ側ではなく、あえて極端にヒール側に置いて構えてみる。“反応できる”レベルのゴルファーであれば、芯でとらえるためにインに振り抜くことができるはず。「手先でインに振るのではなく、しっかり腰を回転させることも大切です」

トウで構えると、届かせようとして
かえって手が前に出やすい

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月2日号より