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【笑顔のレシピ】Vol.80 「達成するまで帰れません」しぶこもこの練習で強くなりました

TEXT/SHOTANOW

メジャーチャンプ・渋野日向子を育てた青木翔が“コーチング”のこだわりを語る連載「笑顔のレシピ」。ゴルフだけでなく、仕事や育児などでも役立つヒントが満載!

コーチとして選手が楽しんで練習するために、さまざまなメニューを考えますが、僕がよくやるのは「帰れません方式」の練習です。

これは文字どおり、設定した目標をクリアするまで終わらない練習のこと。たとえば、練習場の10ヤード刻みの距離表示看板に全部キャリーで当てるまで終われないアプローチ練習や、一定の距離から連続してカップインしないと終了しないパッティング練習などです。

もちろん選手のレベルによって難易度を設定しますが、本当にクリアするまで帰ることができません(笑)。アカデミーの生徒たちは、なかなか看板に当てられず、練習の大半がそれだけになることもあります。しぶこが国内ツアーに参戦していたとき、よく練習グリーンで遅くまでパッティングをしていると報じられていましたが、それも「帰れません方式」の練習でした。

パッティング練習が好きだからずっと練習していたのではなく、上がりたくても上がれなかっただけなのです(PHOTO/Shinji Osawa)

「50ヤードのアプローチを300球打つ」というような練習もありますが、これだとどんな内容でも数に到達すれば終わり。手を抜いても300球打ててしまうわけです。でも「帰れません方式」だと、手を抜く=終わらないとなるので、全球全力でトライします。練習自体の内容も濃くなりますし、試合のようにプレッシャーがかかった状況を作り出せるのもメリット。

さらに大きいのは、決めた目標を自分の手でクリアするという達成感を得られることです。運の要素もありますが、本番でもラッキーは起こります。

30分でクリアできることもあれば、3時間やっても終わらない日もある。選手自身は一直線に右肩上がりに成長するのではなく、浮き沈みを経て上達するという実感も得られます。

ゴルフはそもそもサッカーやバスケットボールと違い、タイムアウトのないスポーツです。自分の力で最終ホールのカップインをするまでゲームは終わりません。そういう点でも数をカウントするのではなく、自らの力でゲームをクリアするという意識づけにもなるのです。

青木翔
あおきしょう。1983年生まれ。福岡県出身。渋野日向子をメジャーチャンプに導き、三ヶ島かななどツアープロや、全国トップレベルのジュニアゴルファーの育成に努めている

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月8日号より

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