【練習場の“浦”メニュー】Vol.5「アプローチが飛びすぎる人は足の指を浮かせて打ってみよう」

身長171cmで420Yという驚異の飛距離を誇る浦大輔が、上達に役立つホンモノの練習を伝授する連載「練習場の“浦”メニュー」。コントロールショットやアプローチが苦手な人は、飛ばす動きのまま、どこかでブレーキをかけてごまかして距離感を合わせている。その諸悪の根源は「足の指」にあるという。
TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/√dゴルフアカデミー


浦大輔
うらだいすけ。身長171cmで420Y飛ばす飛ばし屋にして超理論派。東京・池上で√d golf academyを主宰。「浦大輔オンラインアカデミーサイト」では、スペシャルドリルやマル秘レッスンを有料会員限定で配信中
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- 身長171cmで420Yという驚異の飛距離を誇る浦大輔が、上達に役立つホンモノの練習を伝授する連載「練習場の“浦”メニュー」。ゴルフスウィングはクラブを上から下に振り下ろす動作。だからこそ地球の重力を利用すべきなのに、アマチュアの多くはそれができていないという。 TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/√dゴルフアカデミー ……
今月の浦メニュー
足の指を浮かせたまま
アプローチ練習

こんな人にオススメ!
●アプローチの球が強い人
●距離のバラつきが大きい人
コントロールショットやアプローチでも「飛ばすスウィング」しかできず、それをごまかすためにひじを抜いたり減速させたりする。飛びすぎが多い人や距離がバラつく人、それを嫌がってゆるみ、ダフリなどの大きなミスが出る人は、足指を浮かせてみよう
コントロールショットで
足の指が悪さをする
「どうしたらアプローチが上手くなりますか?」っていうのは、ゴルフを教えているとやたらと聞かれるワードです。
そんなの、芝の上からしこたま練習する以外にないんですよ。アプローチは100回打ったら100通りの状況があって、求められる打ち方は全部違う。とくにライの判断が重要ですから、人工芝のマットの上でばかり練習してもコースじゃ役に立ちません。
とはいえ、アマチュアの多くはそもそもの打ち方に問題があって、コントロールショットがちゃんとできない人がほとんど。振り幅や距離を抑えようとすると途端にスウィングがゆるみだします。
こういう人は、フルショット的なアクセル全開のスウィングをしながら、どこかに「抜く」要素を入れてブレーキをかけているので、しっちゃかめっちゃかになる。大きく振りながら左ひじを抜いて飛ばさないようにするアクションなどはその典型で、そのまま強く入ってオーバーするか、ゆるんでダフったり、「あー、抜けちゃった!」とか言って大ショートするかどっちかです。自分で抜いているクセにナニ言ってるんですかね(笑)。
アプローチの技術云々の前に、まずこのアクセル全開スウィングではなく、ちゃんとギアをシフトダウンして距離相応のスウィングができるようにならないと始まりません。でもこれは実はカンタンなんです。両足の指を地面から浮かせて打てばいい。
足の指を使うということは体の前側の筋肉を使うということで、いわば飛ばしの動きなんです。飛ばさなくていいコントロールショットやアプローチでもここを使ってしまうから必要以上に強い球が出て距離も出る。それを後からごまかして合わせるのではなく、最初から足の指を浮かせておけば、振り幅なりのやわらかい球が打て、距離感も合うようになります。

足指で“ゴマカシ”せずに打ちたい
足の指を使わずに打てば、過剰なエネルギーを生まずに、ナチュラルに「飛ばさない」スウィングができる
実際は足の指を浮かせたまま打つのではなく、指を浮かせた状態で構えたら、始動前にそっと指を下げて地面に触るくらいのところまで下ろしてからスウィングしてOKです。ただしアドレスに入る前、ボール地点に移動するところから足指は浮かせておいてほしい。「指は使わないぞ」というのを体にしっかり刷り込んでからスウィングしてください。
スウィングに際しては、足指さえ使わなければ下半身を使って問題ありません。ひざを送ってもいいし、もちろん体重移動も距離に応じて使ってください。指さえ使わなければフットワークを使っても動きが静かになり、右ひざが前に出たり余計な上下動が生じる心配はありません。
私はコントロールショットはほぼ全部これで打っていますし、こういう足裏の使い方は、シェーン・ローリーやフレッド・カプルスなんかも上手いですね。
まずは練習でこれを徹底的にやってください。最初は飛ばないと思うかもしれませんが、それが本来のコントロールショットの距離感です。体に覚えさせましょう。
下半身の“余計な動き”を排除できる!
足の指を浮かせたままスウィングすることで下半身の「飛ばす」動きを排除でき、本来のコントロールショットの距離感でやわらかい球が打てる。指以外の両足裏全体が均等に地面に圧をかけるイメージで構えよう

Point 1
アドレスに入る前から足の指を浮かせておく

ボール地点に入るところから足指は浮かせておき、「足指を使わない」イメージをしっかり体に刻み込んでおく
Point 2
構えの最後に指をそっと下ろして接地

月刊ゴルフダイジェスト2025年5月号より