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【練習場の“浦”メニュー】Vol.4「“頑張る”から飛ばない。“重力”を生かすスウィングを身に付けよう」

身長171cmで420Yという驚異の飛距離を誇る浦大輔が、上達に役立つホンモノの練習を伝授する連載「練習場の“浦”メニュー」。ゴルフスウィングはクラブを上から下に振り下ろす動作。だからこそ地球の重力を利用すべきなのに、アマチュアの多くはそれができていないという。

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/√dゴルフアカデミー 

浦大輔

うらだいすけ。身長171cmで420Y飛ばす飛ばし屋にして超理論派。東京・池上で√d golf academyを主宰。「浦大輔オンラインアカデミーサイト」では、スペシャルドリルやマル秘レッスンを有料会員限定で配信中

>>前回のレッスンはこちら


今月の浦メニュー
“重力”だけで
ダウンスウィング


こんな人にオススメ!
●バックスウィング依存の人

●頑張って振っている人

勢いをつけてバックスウィングし、その反動を使ってダウンスウィングしたい「バックスウィング依存」の人、自分の力だけでダウンスウィングしようと頑張りすぎの人。自らジャマしてムダにしていた重力を生かせば、もっと効率がアップし、再現性も高まる

腕力に頼る人は
重力をムダにしている

アマチュアのスウィングを見ていると、つくづく「頑張りすぎ」だなあと思います。一生懸命クラブを振り下ろして、むしろそのせいで効率が悪くなって飛ばない。自分の腕力を、わざわざ効率を落とすために使っているようにすら見えます。

ゴルフスウィングって、プレーヤーが自分だけがんばったってダメなんです。月や宇宙空間じゃなく地球上でプレーしているんだから、せっかくの地球の「重力」をもっと使わないともったいない。

ゴルフクラブは結構重たいので、トップの位置からただ重力に任せて落下させるだけで結構なエネルギーが生じます。本来、その重力にちょっとプレーヤーの力を足してやるだけで十分……というよりそれが一番効率がいいんですが、アマチュアの多くは自分だけでがんばって重力の存在を忘れている。ニュートンも草葉の陰で悲しんでますよ!

ということで今日は、「重力」を体感し、それを利用できるようになるドリルをお教えしましょう。
まずアイアンで、ヘッドが一番高い位置に来るトップを作ってください。これは普通のスウィングのトップより手前、シャフトがほぼ地面と垂直になる位置。


そしてそこからちょっと左に体重移動してダウンスウィングのきっかけを作ったら、重力に任せてクラブをストンと落として球を打ちます。手や腕はできるだけ余計なことはせず、ヘッドをボールに直線的に当てる感じでOK。インパクト後はフォローは一切気にせず、当たった瞬間に体の全電源をOFFにするのがポイントです。

多分最初は当たりませんし、当たっても左に飛ぶ人がほとんど。でも自分でクラブを操作して当てにいっちゃダメですよ。アドレスやボール位置を「当たるところ」に合わせること。左に飛ぶ人は、最初の左へのシフトが足りずにクラブが下りるスペースがなくなってカット軌道になっているので、最初にもっと足を動かしましょう。

やってみると、これだけで結構球がちゃんと飛んで、いままで自分が頑張って出していたエネルギーがどれだけムダだったかわかります。SDGsが叫ばれるこのご時世、そんなムダだらけのスウィングじゃ税金かけられても文句言えませんよ(笑)。

重力が使えていない人は、足りない(というか自ら捨てている)エネルギーを補うために勢いをつけてバックスウィングして、その反動を使ってダウンスウィングしたがる「バックスウィング依存」になりがちです。そりゃあ軸もブレるし不要な上下動も生じて、当たらないのは当然です。

ドライバーは長くて軌道もフラットなので重力よりも回旋のエネルギーが重要ですが、短くて重いアイアンはタテ方向のエネルギーがとくに重要。この練習をやっていれば自然なダウンブローが身に付いてアイアンが劇的に上手くなります。もちろんアプローチにも有効で、反動をつけてザックリするミスがなくなりますよ。

高いトップから重力に任せてダウンスウィング

位置エネルギーが最大になる、ヘッドが最高点にあるトップから、自分の力を使わずに重力だけでダウンスウィングして球を打つ。この感覚がつかめれば、そこに自分の力を上手に乗せることもできるようになる

Point 1
左にシフトしてからクラブを“落とす”

胸を真右に向け、ヘッドを最高点にセットしたトップを作る。そこから足を使って左に体重移動し、重力に任せてダウンスウィングして打つ

Point 2
インパクトと同時に全電源をOFF

インパクトと同時に完全脱力。球が左に飛びやすいので足を使って左に飛ばないように工夫してみよう

力まず自然なダウンブローで打てる
アイアン本来の重力を利用したスウィングが身に付くので、自然なダウンブローになってインパクトが分厚くなり、ロフトも立って、頑張らなくてもアイアンの飛距離がアップする。バックスウィング依存が解消され、ダフリなどのミスも減る

月刊ゴルフダイジェスト2025年4月号より