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【頑固オヤジ】Vol.167 180YはUTよりロングアイアンで狙いたい! ラクに高さを出すチューンアップ方法は?

東京下町でゴルフ工房を営む店主がギアに関する悩みに答える連載「頑固オヤジのクラブ工房」。今回は、シングルの腕前を持つベテランゴルファーから、ロングアイアンで高さを出すためのチューンアップ方法を教えてほしいという相談が寄せられた。

ILLUST/Kochi Hajime

前回のお話はこちら

Q. 軟鉄鍛造の飛び系アイアンで
ラクに高さを出すには?


最近流行の、軟鉄の飛び系アイアンに買い替えたんですが160ヤードから先がイマイチ。結局UTに頼っていますが、高さが出て止まるロングアイアンにするチューン、ありませんか?(62歳・HC7自営業)


UTよりもアイアンで
180Yを狙っていきたい

まだ7月なのに、暑いな。西のほうは雨がすごかったけど、関東は梅雨なのにやたら暑くて。湿気が多くてベタつくの、嫌いなんだよな。あ、風呂は夏でも熱いほうが好きだけどね(笑)。

「シニアのシングルさんからの相談です。春先にプロモデルから、軟鉄鍛造の飛び系アイアンに買い替えたそうなんですが、5、6番が扱い切れないのが不満で、何かチューンできないか、と」

担当さんが取材先で知り合ったとかで、元々アイアンが得意だったらしい。40代までは5番で180ヤードぐらいをキッチリ狙えていたのに、50代になってからキャリーが足りなくなってきて、長い番手からUTに切り替えてきていたが、短い番手も飛ばなくなってきたんで、思い切って飛び系アイアンにシフトしたんだそう。

「“軟鉄鍛造”にこだわって、キャロウェイの『Xフォージドスター』を選んだそうです」

「女子プロも使ってるモデルだな。まあ、軟鉄鍛造とかいっても、タングステンウェイトを入れたり、フェース素材変えたりしてるのも多いけど、あれは確かに軟鉄オンリーの“飛び系”だよな」

7番のロフトで29度。典型的なストロングロフト+低重心設計で飛ばすタイプ。

「ロフトが1番手立つぶん、ショートアイアンは確実に飛ぶんだが、ロングアイアンはどうしても高さが出なくなるよな。重心が深いUTのほうが圧倒的にラクだよ」

「でも、アイアンで180ヤードまで狙いたいらしいんです」

「アイアンでラインを出す感覚が身についてると、UTとはヘッド形状からして合わない部分もあるよな。気持ちはわかるよ」


少しの長尺化で高さが得られる

ただ180ヤード“届かせる”だけならUTで十分なんだろうけど、ベテランシングルとしては“狙える”イメージにこだわりたいんだろうな。

「つかまって高さが出るFWとかUTはやさしいけど、弾道イメージ的にはアバウトになる部分がある。アイアン巧者だと、その辺が気に入らない。アイアンで180ヤードまでは狙いたい、てのも、飛距離が全体的に落ちてきて、2打目でそのぐらいを気持ちよく乗せられるかどうかがよりシビアになってきているんだと思うよ」

「でも、どう対応すれば?」

「長尺化が一番カンタン。7番から下はそのままで、5、6番の2本だけ、1インチぐらい長くする。単純に、ヘッドスピードが上がるようになればいいんだよ」

1インチ伸ばしたところで、39インチ以内。ベテランのアイアン巧者には苦もなく打てるはず。

「たぶん、そのシングルさんはまだしっかり打てるんだけど、キャリーと高さが少し足りなくて、止められないのが不満なんだよ」

「シャフトを延ばす、ということはシャフトの軽量化が必要?」

「できればヘッドも削って軽量化したいな」

シャフトを軽量化しても、なかなかクラブの慣性モーメントは下がらない。それにフィーリングにも影響する。

「ロフトを1~2度寝かせて、そのぶんバウンスを少し削る、というのがベターだと思う」

ロフトを寝かせる、というのはミドルアイアンの場合、高さの確保で逆に飛距離が伸びる可能性もある。

「だったらまず、5、6番のロフトを寝かせるだけでも効果ありませんか?」

「まあ、ソール形状にもよるけどね。抜けが悪くなったらロフトを寝かせる意味がない」

十分なロフトと振り抜けるヘッド重量、そしてスピードが乗るレングス。ロングアイアンで高さとライン出しを求めるなら、この3つの条件を整えればいいんだよ。

月刊ゴルフダイジェスト2023年9月号より