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【頑固オヤジ】Vol.165 軽量アイアンに合わせてウェッジも軽くするのはアリ?

東京下町でゴルフ工房を営む店主がギアに関する悩みに答える連載「頑固オヤジのクラブ工房」。今回は、アイアンに合わせてウェッジも軽くしたいという読者からの相談にお答え!

ILLUST/Kochi Hajime

前回のお話はこちら

Q. 飛び系セットのウェッジを軽くしたい
「小顔チューン」にするには?


『ゼクシオ』アイアンを愛用していて、ウェッジも同モデル。最近、ヘッドが超軽いクラブを試打して、自分のウェッジを削って軽くしたくなりました。実際、どのくらい重量を落とせますか? (61歳・HC11・会社員)


プロモデルと違うやさしさ

ゴールデンウィークも終わったし、そろそろみんな、マスク外すのに慣れてきたかな。スギ花粉ももう落ち着くころだろしな。

オイラみたいな年寄りは、新しい習慣とか様式とか、スッと切り替えられねえんだけど、まあ暑くなる前にはマスク、外してるのが当たり前になるとは思うけどね。

「今回の質問も読者からです。当社の通販で扱っている『ペラペラアイアン』を試打したところ、かなり良かったらしく、自分のウェッジを削って軽量化したい、という相談なんですが……」

「ああ、ヘッドが超軽量の。ウェッジはノーマルより50グラムぐらい軽かったっけ」

「そうです、ですが相談者のウェッジは『ゼクシオ』で、ステンレスなのでどのくらい削れるのか、また重心位置とか機能的におかしくならないか、という相談です」

「お、『ゼクシオ』ウェッジか。隠れた名器だよな」

「え、そうなんですか? 同じダンロップなら『クリーブランド』のほうが優秀では?」

「スピン性能で負ける、ってことだろ。でも、アマチュアの使い勝手を考えると、スピンはそこそこでいい。適度な出球の速度感、適度な打ち出し高さでピッチ&ランの距離感が合いやすい、って意味では『ゼクシオ』ウェッジのほうがやさしいんだよ。特に、スピンで止めにくいディスタンス系ボールとかのアプローチには、ヘンにスピンが入りすぎなくて、いわゆる“ポッコン”みたいな寄せができるモデルのほうがいいのさ」

ポンと上げて少し足が使える、てのがオススメポイントだね。


縁の厚みを落とす「小顔チューン」

「おそらく相談者も、そんな『ゼクシオ』ウェッジの良さがわかってるからプロモデルとかに替えずに愛用してるんだと思うよ」

「なるほど……。でも、50グラムも削ると機能的には変わってしまう可能性もありますよね?」

「まあ、ヘッドがボール1個分の46グラム以上も軽くなれば、振りやすさはまったく変わるだろうよ。ただ、重心位置はそんなに変えなくて済むかな。キャビティだから、ソールだけじゃなく縁の重さを削っていけばいいからな」

縁といっても、フェース面じゃなく、背面側。トップブレードやサイドの厚みを削り落とすんだ。

「トップブレードとか薄くすると、見た目もシャープになるから実際の重量感とマッチしていいと思う。フェースのサイズは変わらなくても“小顔”っぽくなるよ」

「フェースの輪郭はそのまま?」

「輪郭を削ると、はめ込んだチタンフェースが外れる危険性があるからダメ。背面からソールの、ステンレス部分を落とすだけで十分だし、元の顔もバランスがいいから壊したくないしな」

『ゼクシオ』の顔はリーディングエッジの丸みやネック周りのフトコロ感も、実はよくできている。

「ソール幅の3分の1は削っていいし、それでもバウンスの効果は大丈夫。ただ、50グラムも削るのは単純に作業としてもかなりキツイから、30グラムちょっとが妥当。頑張って40グラムかな。まあオイラなら削って冷ましての繰り返しで、半日仕事だな、SWだけで」

「軟鉄ならラクなんですか?」

「いや、鉄のヘッドを削るのはなんでも大変。だから通常、数グラムならドリルで背面に3つ4つ穴を開けて落とすんだよ」

それと、ヘッドを本格的に削るなら、シャフトを抜いてヘッド単体にして作業する。『ゼクシオ』はウェッジもカーボンシャフトが多いけど、その場合はシャフト交換も視野に入れるといい。

操作性が良くなるのは軽いヘッドに重めのシャフト、てのがオイラの考え方だけどね。

月刊ゴルフダイジェスト2023年7月号より