「イルミネーション」に「インドア練習場」ゴルフ場ならではのインフラを活用した“副業”ぞくぞく
コースという“本業”以外にも力を入れ、事業として収益化を図るゴルフ場が増え始めている。今回は、北海道と埼玉の2つのゴルフ場の“副業”をご紹介。
北海道にある札幌リージェントGCは、当然冬季はクローズになる。しかし、レストランスペースは利用できると、会員制の冬季室内練習場をオープンした。
施設としてはゴルフシミュレーターが付いた打席が3席。モニターで弾道データが可視化される。さらに、ラウンド体験ができるラウンドブースも1部屋用意されている。
「当倶楽部は屋外練習場も運営していて、ジュニアプログラムも盛んですが、あいにく近隣に室内練習場がなく、苫小牧まで行かないと利用できないというのが発想の始まりでした。まずはトライアルの意味でオープンしましたが、思いのほか好評です」(同GC、竹内淑恵さん)
今後は、利用者の意見も聞きながら、飲食提供などのサービスも考えている。ゴルファーたちの親睦の場としても最適だろう。
また、埼玉県にあるユニオンエースGCの練習場は、約100万球のLEDを配置したイルミネーションが話題。秩父の名所の1つである羊山公園の芝桜をモチーフとした飾りつけとなっている。
来場者は動線に従って4つのエリアを周遊。10分間隔で行われるショータイム中は、音楽に合わせてイルミネーションが動き、スモークやレーザーで華やかさを演出する。
「ある企画運営会社からの持ち込みで始めました。うちの練習場は打ち下ろしで、すり鉢状になっていて、ロケーションとしてよかったんでしょう。昨年末は3桁の入場者があり、『都内のイルミネーションなど比べものにならない』と言う人もいました」(同GCホテル・企画担当、井相田和樹さん)
イベントは3月31日まで、毎日17時から行われている。
これら2例は、ゴルフ場の持つインフラを上手く利用した副業といえるだろう。
週刊ゴルフダイジェスト2022年2月22日号より
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