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ゴルフ場に“ネコ型ロボット”! その正体とは?

人手不足解消と、新型コロナウイルス感染拡大防止のための非接触を推し進めているゴルフ場がある。

静岡県にある富士見ヶ丘CCと山梨県にある都留CCは、レストランに配膳ロボットを導入した。配膳ロボットは本体に料理を載せるスペースがあり、調理場とお客がいるテーブルを自動で往復し、配膳、下げ膳を行うというもの。運んできた料理を取ったり、食べ終えた食器類をロボットに戻すのは客自身が行う。またアルコールやドリンク類などはスタッフが運ぶ。

両コースでは昨年10月にテスト稼働させ、実用化の手ごたえを感じ、配膳と下げ膳を使い分ける2台の導入を決めたという。

導入の動機は──。両コースの母体はシャトレーゼという洋菓子、アイスクリームなどを製造販売する企業。その販売店に、ウィズコロナ時代を見越し非接触とするシステムを構築する過程で、グループのゴルフ場にも配膳ロボットを導入することになったという。

「現在、注文はスタッフが取っていますが、ゆくゆくは各テーブルにタブレットを置き、可能な限り非接触としていく予定です」(都留CC副支配人・小杉優太氏)

最初の頃、プレー客は特に下げ膳に戸惑っていたようだが、最近は浸透してきたようだ。配膳ロボット自体はネコをモチーフにしていて、AI音声機能によって簡単な会話もできる。大きなディスプレーに映し出される表情は会話に合わせて変化し、思わず頬がゆるむ。

「スタッフ省力化の効果は絶大です。1つのテーブルに4人のお客さんだと、食器を下げるのに2往復しなければなりません。それが1回で済みますし、レストランの回転がスムーズになったと感じます。ケーキバイキングなどもやっていますが、そちらにも準備や補充など細かいケアができるようになりました」(前出・小杉氏)

“食”にこだわりをもつ企業グループのコースだけに、富士見ヶ丘CCではコース内に菜園も持ち、季節の野菜をレストランに提供している。都留CCにも菜園はあったが、来場者が増え、間に合わなくなったため、現在はやめている。両コースとも自前のワイナリーによるワインも販売していて好評という。

また新たな名物ができた2つのゴルフ場。一度訪れてみてはいかが?

配膳を行う“ネコ型ロボット”。話しかけると笑顔になる

週刊ゴルフダイジェスト2022年2月1日号より