評判は上々! ゴルフ場が「池」を利用して“釣り堀”経営
ゴルフ場の多角化経営はコロナ禍を機に増加したが、今度は「釣り堀」ときた。
群馬県太田市にある太田双葉CCでは、コース近くにある溜め池をルアー専門の釣り堀「太田フィッシングクラブ」として11月にオープンした。この溜め池は、芝に撒く水を確保するため造られたが、40年の間、1度も利用されず放置されていた。
同CCは2012年に経営会社の交代があり、新オーナーの発案により始まったというが、「予想以上の反響があったのには、びっくりしました」(総務・浅利直彦氏)。
20年春から池の水を浅くするため水を抜く工事をしたほか、井戸を掘り水草を除去するなどしてニジマスの放流にこぎつけた。アクセスもよく、初心者や家族連れでも利用できるように、レンタルの釣り具一式も完備している。
「初期投資はだいぶかかりましたが、採算がとれる見込みが出てきました。釣ったニジマス5匹まで持って帰れます。ただ風呂やレストランを希望されたとき、ドレスコードをどうするかが課題ですね」(浅利氏)
ゴルフ場で釣りといえば、福島県の太平洋クラブ白河リゾートも「白河リゾートフィッシングエリア」を今年6月に開設。こちらは釣り専用というわけでなく、ドッグランやオートキャンプ場も併設されていて、「ゴルフ・キャンプ・愛犬・釣り」と複合レジャーを楽しむ趣向。
同リゾートの釣り場は、1番と9番の間の池にある島に橋で渡って行くスタイルで、池には25センチのニジマスが放流されているという。同リゾートのドレスコードはどうなっている?
「クラブハウスへはキャンプや釣りにふさわしい服装でかまいません」(冬季管理事務所・田中裕子さん)
そういえばゴルフも釣りも野外。コロナ禍にふさわしいということで、全国に広がるかもしれない。
週刊ゴルフダイジェスト2022年1月4日号より
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