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【ゴルフ初物語】Vol.61 ゴルフ場の跡地が初めてメガソーラーに

コロナ禍でも密にならずに楽しめるスポーツとして人気を集めたゴルフだが、厳しい経営が続くゴルフ場も多く、毎年いくつものコースが閉鎖に追い込まれている。そして、その跡地がメガソーラーになることも少なくない。

18ホール・6168ヤード・パー70の榛名カントリークラブは、テレビのゴルフ番組でも人気を博したプロゴルファー小松原三夫が設計。2005年に閉鎖

2012年以降全国に広がる

1969年に開場した群馬県の榛名カントリークラブ。伊香保温泉の南にそびえる相馬山の山裾に造られ、標高1000メートルの高台からは北に日光男体山、東に筑波山、西に富士山を望めたという。最盛期には2000人もの会員がいたが、経営交代後に破綻し2005年に閉鎖されていた。この土地は地元・榛東村の村有地でコースに賃貸していたが、その後7年にわたり跡地利用が検討し続けられていた。2012年に再生可能エネルギーの固定価格買取制度がスタートすると、ソフトバンクがメガソーラーの建設を計画。そしてその第1号のひとつとして選ばれたのが、この榛名CCの跡地だった。

4月に着工し、最大出力2.4メガワット、1万122枚もの太陽電池モジュールが設置され、7月1日から「ソフトバンク榛東ソーラーパーク」として発電を開始した。榛東村は1平方メートル当たり30円でゴルフ場に貸していたが、売電収入の3%を土地賃貸料として、さらに発電施設の償却資産としての固定資産税を得ることになった。

当初42円だった固定価格買取制度の売電価格は年々下がり続け、現在では半分以下に。太陽光発電関連の倒産も相次ぐなか、今年8月にはENEOSが出資参画する出力121メガワットという関西最大のメガソーラー「三田太陽光発電所」が着工した。場所は2019年末で閉鎖された三田SYSゴルフリゾート跡地。1996年に三田カントリー27として開場した27ホールのゴルフ場だ。10年前には太陽光パネル1枚の出力は200ワット台だったが、最新型高出力パネルを採用することで1枚545ワットと、倍以上の出力が得られ、18年間の売電期間中に約115万トンの二酸化炭素排出削減に貢献するという。

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月9日号より