Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • 【ゴルフせんとや生まれけむ】黒田カントリークラブ<後編>「ベストスコアは知らないうちに…」

【ゴルフせんとや生まれけむ】黒田カントリークラブ<後編>「ベストスコアは知らないうちに…」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続きタレントの黒田カントリークラブ氏

前回のお話はこちら

僕が本気でゴルフに取り組むようになったのは「ゴルフタレント」を名乗るようになってから。僕は熊本生まれで高校を卒業するまで暮らしていたのですが、高校時代、ほとんど練習もしていないというのに、ゴルフ好きだった父親にいきなりコースに連れていかれたことがあります。当然ゴルフになるはずはありませんよね。20個以上持っていったボールを3ホールで全部失くしてしまい、頑固で短気な九州オヤジの父親は「お前はずっとカートに座っていろ!」と本気でキレて、それ以上プレーさせてくれませんでした。そんな経験があるので、当時は何でこんなスポーツが面白いのかと全く興味が持てませんでした。そのうち、やんちゃな友達と知り合って家にあまり帰らなくなってしまったこともあって、ゴルフどころではなかったんです。今思うとゴルフ場が近くにたくさんあって、料金も安かった熊本時代にゴルフの魅力に気づいていれば……なんですが、後の祭りですね。


僕のゴルフのモットーは「プロじゃないんだから、とにかくエンジョイしよう」。だから、僕がベストスコアを出したときも気の合う仲間たちとスタート前からワイワイガヤガヤ! あまりに楽しくて盛り上がりすぎてスコアもしっかり数えずにプレーしていたんです。そうしたら「黒カン、スコアがすごいことになっているよ」と同伴者に言われて、あれ、そんなに叩いたかなと思ったら逆で何と74だった(笑)。普段の僕はせいぜい90台の前半でちょっとミスをすると100を叩くという程度なので、この時は特別。神がかっていたとしかいいようがないですよね。でも、黒田カントリークラブという名前で仕事をするなら、90台ウロウロくらいのスコアがちょうどいいんです(笑)。あまりに上手すぎると可愛げがないし、時代で理論が変わって、ああでもない、こうでもないとやっているほうが、ゴルフ好きな皆さんと共感し合える気がします。

仕事やプライベートでゴルフに関わっているといろいろなことがありますが、大の大人が大人から怒鳴られるという経験をしたのもゴルフ場でした。まだゴルフのマナーや常識が未熟だった頃、バックティー使用の申請をしないで回っていたんです。するとすぐ後ろの老夫婦のご主人から「お前ら、どこから打っているんだ! ちゃんと申請したのか?」と大声で怒られました。反論する言葉もなくてただただ謝るだけでした。次のホールからはもちろんレギュラーティー。そのご夫婦がじっと見ていて、もしミスショットをしたら「ほら、見たことか」といわれるに決まっているので、メチャクチャ緊張しました(笑)。怒られながらひとつひとつ覚えていく! 大先輩の皆さんが良きアドバイスをくれるのもゴルフ。だから大好き。まだまだお話ししたいことは山ほどありますが、最後に僕の夢を。それは、いつかレギュラーツアーでキャディやれたら「本望カントリー!」。ロープの中の真剣勝負を肌で感じてみたいです。そうすれば、また違ったゴルフの面白さ素晴らしさを皆さんに伝えられる気がします。チャンスがあれば!

黒田カントリークラブ

1970年、熊本県生まれ。俳優、お笑い芸人を経て2012年、芸名を黒田カントリークラブとし、ゴルフタレントとして活動を開始。現在はゴルフ関連企業のコンペやイベントのMC、ネット中継の実況などで活躍中。ベストスコア74

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月28日号より