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【PGAツアーHOTLINE】Vol.6 ローリー・マキロイ<後編>「ドローからフェードへ」

ARRANGE/Mika Kawano PHOTO/Blue Sky Photos

PGAツアーアジア担当ディレクターのコーリー・ヨシムラさんが米ツアーのホットな情報をお届けする隔週連載「PGAツアーHOT LINE」。第6回のテーマはローリー・マキロイの“スウィング”について。

前回のお話はこちら

フェードも打てるスウィングへ進化

ローリー・マキロイがウェルズファーゴ選手権で復活優勝を遂げた裏には、最近師事しはじめたヨーロッパの有名コーチ、ピート・コーウェン氏と取り組んだ「ドロー一辺倒からフェードも打てる」スウィングへの転換が功を奏したといわれています。

「最新テクノロジーを搭載した大容量のドライバーは昔と比べてヘッドをターンさせにくい。年々その傾向が増しているので、クラブに合わせた微調整が必要だと考えたのです」とマキロイ。

「ドローは自分の持ち球であり、それで賞金を稼いできました。これまでずっとフェアウェイセンターを向いて構え、普通に振れば球はフェアウェイの右端からセンターに戻ってきたのです。でも最近のクラブではそれができなくなってしまった。ヘッドが返ってくれないからドローがかからずすっぽ抜けてしまうミスが出るようになったのです」
 
そこでマキロイは無理にヘッドを返そうとせず、クラブの構造なりに振るようにしたのだといいます。

「慣れるのは大変でした。イメージ自体を変えなければならないから。でもいまは左を向いて構えセンター方向に打球が戻ってくることを信じて振っています」

左からセンターに戻ってくるフェードを打てるようになり、ウェルズファーゴ2日目には「これまでの人生で一番ドライバーが安定していた」と5アンダーの66をマーク。

一気に優勝へと突き進みました。

話を総合するとスウィング改造というよりイメージを変えることでマキロイにとって絶対的な武器であるドライバーをより高いレベルに持っていったということでしょうか。

ドローだけでなくフェードで勝負できるようになったマキロイですが、前回お話ししたように大事にしているのは基本中の基本であるアドレス。「あとはスウィング中、頭の高さを変えないこと。小手先ではなく下半身を使って打つこと。そして芯に当てることを考えましょう」

トッププロにとっても基本がもっとも大切なのですね。

スウィングを調整したことで、成績も右肩上がり。トーリーパインズGCで行われた全米オープンでは、最後まで優勝争いに絡む活躍。練習場では、コーチのピート・コーウェンのもと練習に励んでいた

コーリー・ヨシムラ
PGAツアーのアジア全体のマーケティング&コミュニケーションディレクター。米ユタ州ソルトレーク出身でゴルフはHC6の腕前

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月13日号より