Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • 【ゴルフ初物語】Vol.43 松山英樹のグローブにも採用。世界初の人工皮革「クラリーノ」の歴史

【ゴルフ初物語】Vol.43 松山英樹のグローブにも採用。世界初の人工皮革「クラリーノ」の歴史

1964年にクラレが開発した世界初の人工皮革「クラリーノ」。現在ではランドセルや靴、ソファなど、幅広く使われているが、ゴルフ用品にも早くから採用されていた。

50年以上も愛され続ける人工皮革

1926年に化学繊維レーヨンの国産化を目的に「倉敷絹織」として岡山県倉敷市で創業したクラレ。49年に社名を「倉敷レイヨン」に変更すると、50年代には世界に先駆けて合成繊維ビニロンを事業化し、木綿に代わる合成繊維として学生服などで一世を風靡。そして64年に誕生したのが人工皮革「クラリーノ」。この名前は、弦楽器製作の聖地、北イタリアの「クレモナ」をビニロンのブランドに名付けたほど、当時の社長がクラシック音楽愛好家で、勇壮な前進を夢みるためのファンファーレのように鳴り響いてほしいと、古い形のトランペットの名に由来しているという。

66年に岡山工場にて量産プラントが操業すると、いち早くスポーツシューズに採用したのがアシックス。マラソンシューズ、トレーニングシューズ、ゴルフシューズなどに採用し、他メーカーもこれに続く。この年の別冊ゴルフダイジェスト8月号にはシューズメーカーではなく、「倉敷レイヨン」が広告を出し、「軽くてはき心地は満点。ワンラウンドまわってもくたびれず、快調にプレーができます。丈夫なので、いつまでも型くずれしません。ゲームの途中雨にあっても平気。ぜんぜん水が浸みこみません。ヨゴレもキレで拭くだけでキレイになります」と謳っていた。

69年にはソフトタイプが開発され、スエードタイプ、ヌバックタイプと次々に揃え、用途の幅を広げていく。現在でもゴルフシューズやグローブに使われているが、今年、松山英樹がマスターズを制した際に左手にはめていたのも「クラリーノ」のグローブだった。クラレは70年代に一時、頓挫していたゴルフ場建設を再建し、現在でも運営している。それが埼玉県の入間カントリークラブである。

クラリーノは現在でもミズノなどのゴルフシューズで使用されている。またグローブでも採用されているモデルが多く、スリクソンの「GGG -S029」は松山英樹が愛用し、マスターズを制している

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月29日号より