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【笑顔のレシピ】Vol.82 子どもには親の忙しさは関係ない

TEXT/SHOTANOW

メジャーチャンプ・渋野日向子を育てた青木翔が“コーチング”のこだわりを語る連載「笑顔のレシピ」。ゴルフだけでなく、仕事や育児などでも役立つヒントが満載!

コロナ禍で在宅ワークをするようになり、家族と過ごす時間が増えたという人は多いのではないでしょうか。また、コロナ前からも「ワークライフバランス」という、仕事とプライベートで上手にバランスを取る生活が注目をされていました。

多分、ここ100年くらいで、親と子どもが一緒にいる時間がもっとも長い状態なんじゃないかと思います。

子どもは仕事や家事をしているパパ、ママの姿を、これまで以上に見ているわけですが、その大変さや状況を理解しきれるわけではありません。

たとえば大事な打ち合わせの前で気が立っていたり、やらなければならないことが重なる夕方の忙しい時間帯で余裕がないということもあると思いますが、それはあくまでも大人の都合。

「忙しいからいまは無理」「ちょっと後にして」と言ってしまいがちですが、子どもは事情がわからないので、口調が強ければ突き放されたと感じてしまうのです。

これは仕事でも同じです。上司の仕事内容や業務量をなんとなく把握していたとしても、相談をしたいときに何度も「いま忙しいから後にして」と言われ続けたらどんな気持ちになるでしょう。忙しいかもしれないし、声をかけるのではなくメールや資料など他の方法で相談すべきかもしれません。

でも部下からすればそんなこと知ったことではないし、もしそうなのであれば、方法論はあとで解決をすればいい。

まずは、相手に気持ちと耳を傾けて話を聞くというのが、信頼関係を築くための第一歩だと思っています。信頼関係がなければ、相談をされることはありません。相談されなければ相手を理解できず、適切な方向に導くこともアドバイスもできないからです。

僕も家族と過ごしているとき、すぐに対応したい仕事がパッと出てくることがあります。でも、まずは目の前にいる人に向き合うということを大切にしたいと思っています。

どんなに忙しくても、大事な人と向き合う時間を作るようにしましょう(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)

青木翔
あおきしょう。1983年生まれ。福岡県出身。渋野日向子をメジャーチャンプに導き、三ヶ島かななどツアープロや、全国トップレベルのジュニアゴルファーの育成に努めている

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月22日号より

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