【ゴルフせんとや生まれけむ】有森裕子<後編>「長く続けられるのがゴルフの良さ」
ゴルフせんとや生まれけむ
ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続き元陸上選手の有森裕子氏。
>>前回のお話はこちら
- ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、元陸上選手の有森裕子氏。 ゴルフを始めたのは「カンボジアでスポーツや教育を通じて人材育成に取り組む」ことを目指して私が郷里の岡山で立ち上げ、代表理事を務めている認定NPO法人「ハート・オブ・ゴールド」のチャリティ活動がきっかけでした……
ゴルフとマラソンって似ているところがあると思うんです。というのも、ゴルフというスポーツは事前の“確定要素”がゼロじゃないですか。クラブやボールという道具は決まっていても、それを使うコンディションの決め手となる“場所”は一切確定していないんですから。
同じゴルフ場に行っても季節や天気でまったく違うし、芝やライの状態もその時々で異なります。ですから、自分がどんなにいい道具を揃えて、自身の技を磨いても、その日の状況に対応しないといいスコアは出ないですよね。それはマラソンもまったく同じで、同じコースでも季節やその日の天候、対戦相手などで走り方がまったく違ってくるので、それらに応じた走り方をしなかったら絶対に勝てません。
ゴルフでもマラソンでも、“上手い人、強い人”というのは、その日のラウンドでいいスコアが出た人、その日のレースで勝った人だと私は思っているんです。マラソンの場合で言うと、本当に強いのはいつどこでも、どんな状況で走ってもちゃんとした成績が残せる選手。タイムはあまり関係なくて、レースに勝つことが大切だと思います。もちろん素晴らしいタイムが出て、それが大会記録や日本記録だったら言うことなしなのですが、なかなかそうはいきません。まずはレースに勝つこと、それがとても大事なんです。
ただ、ゴルフではスコアは二の次、三の次という私はさておき(笑)、普通のゴルファーの方は相手に勝つことももちろんですが、それと同時にスコアもすごく気にされますよね。場合によっては相手との“勝ち負け”より自分のスコアのほうを意識する、そんな方のほうが多いですかね。そこはマラソンとは違いますね。ちなみに、ゴルフをするマラソン選手は多くないです。
スポーツ力学的に見るとマラソンは基本的にゴルフに必要な横への動きがなく、前への動きしかありません。あとは、道具の問題。マラソンは道具を使わず、せいぜいシューズぐらい。それに対してゴルフは、クラブという、とても重要でプレーには欠かせない道具が必要になります。それも1本だけではなく、状況に応じて何本も。この“道具を使いこなす”意識が、マラソン選手にはそもそもあまりないので、戸惑ってしまうんです。
上達するには練習にマメに通うか、レッスンプロに習うか、もしくはラウンドの回数を増やすか……。マラソンランナー時代から私は練習が苦ではありませんでしたし、最近はゴルフの楽しさもわかってきましたから、練習もラウンドももっとやりたいと思っているんですよ。
私は今年12月で60歳、還暦を迎えますが、これからスポーツと向き合っていくのならゴルフが一番適していると思いますね。いくつになってもカラダが言うことを聞く限り長くできますから。ただ、今はプライベートの時間がなかなか取れなくてゴルフのために使える時間があまりありません。何事もやるからにはちゃんとやらなきゃ気が済まない私としては、もう少し時間に余裕ができたら本腰を入れてゴルフに取り組みたいと考えています。

有森 裕子
1966年岡山市生まれ。高校時代から陸上競技を始め、リクルート時代の90年の大阪国際女子マラソンで当時の初マラソン日本女子最高記録をマークし一躍注目を集める。92年バルセロナ五輪で銀、96年アトランタ五輪で銅メダルを獲得
週刊ゴルフダイジェスト2026年9月1日号より


レッスン
ギア
プロ・トーナメント
コース・プレー
書籍・コミック





















