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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.921「プレッシャーに押しつぶされそうになりながら戦い続けているのがプロゴルファーです」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

>>前回のお話はこちら


左右ドッグレッグ、打ち上げと打ち下ろし、ティーショット4つのシチュエーションで、右ドッグ以外はどれも苦手にしています。 景色に惑わされないよう集中しているつもりですが、どうにもうまくいきません。 (匿名希望)


ティーイングエリアからホール全体を見渡し、地形やハザードの位置を確認してどこへ打っていくか決める。

プレーヤーは、さまざまな情報をもとにどんなショットを打つべきかという戦略を実行に移すため、ショットの成否は見た目の景色に左右されることがあります。

プロにも苦手ホールや立ちにくいティーがあり、鬼門に似たホールはあります。

右ドッグ以外は苦手という質問でしたが、ひょっとしてフェード系が持ち球だったとしたら、そういうことも影響しているかもしれませんね。

どうしても球筋とコースレイアウトがミスマッチになることで、いつものスウィングができなくなりミスショットを誘発する原因になっているかもしれません。

そのほかにも自分の飛距離によって不得手に感じるホールもあるでしょう。


たとえば420ヤード、パー4の左ドッグレッグのホール。

ドライバーの平均飛距離が220ヤードの選手は、まずフェアウェイのセンターを狙っていきますが、260ヤード打てる選手の場合ならコースのライン取りが変わってくるはずです。

もちろん番手を落とせばいいのですが、逆に飛距離が出せることで立ちにくさ構えにくさが生まれ、ストレスがかかることが起きることもあります。

ツアーで戦っていくということは、こうした違和感がもたらすストレスとの格闘を毎日続けるということでもあります。

またドッグレッグのホールでは曲がり角までの距離を確認、自分の飛距離と相談してティーショットの落としどころを探しますが、初めてのコースだと曲がり角の先がどうなっているか分からないので慎重のうえにも慎重な注意深さが必要になります。

余談ではありますが、一般的にIPを示すフラッグやポールを参考にする場合が多いと思いますが、IP(インタークロスセクションポイント)は、コースを土木造成するときに基準となった測量上の基準点(ティーからセカンド想定地点までの直線とそこからグリーンまでの直線が交差するポイント)なのでコース攻略上の標準指標ではないことも頭に入れておくといいと思います。

狙いどころ落としどころは、自分の飛距離と球筋によって変わってくるため、それを踏まえてティーからピンまでの戦略を練ることがコースマネジメントになります。

ドッグレッグが苦手、打ち下ろしも打ち上げも好きじゃない、まして目の前に広がる池越えのショートホールなんて……。

そこまで極端ではなくても、苦手意識を持っているのはプロもアマも同じですよ。

決して自分だけの弱点ではありません。 それはいわば心の問題であってプロアマを問いません。

失敗したプロがラウンド後によく「今日はショットとパットがかみ合わず本来の自分のゴルフをさせてもらえなかった」なんて言い訳をしている映像を見ることがありますが、あれを聞くとわたしは「じゃあ本来のあなたのゴルフってどんなのよ?」とツッコミたくなっちゃいます(笑)。

失敗を怖がり、プレッシャーに押しつぶされそうになりながらプレーするのが、わたしたちプロなのです。

ミスをするのも自分本来のゴルフと覚悟すべきだとわたしは思っています。

どうしてこのホールが苦手なのか? まず、自分の飛距離、球筋、自分のプレースタイルをきちんと知るところから始めるといいと思います。

目に映る光景、地形やハザードはあなたを試すために設置された罠のようなものです。

惑わされずそれに打ち勝っていくには、普段の練習と経験を重ねることで自信をつけるしかないと思います。

「目的を持って練習を積み重ねていくとほんとうの自分が分かってきます」(PHOTO by Ayako Okamoto)

週刊ゴルフダイジェスト2026年9月1日号より