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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.170「“競技ゴルフ”一度は体験してみよう」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

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8月の風物詩、甲子園が中止だったこともあり、なんか不完全燃焼の夏であった。高校野球のように話題にはならなかったけど、実は、毎年8月に行われているジュニアゴルファーの全国大会も今年は中止だったんだよね。気の毒に。

ボクが毎年出ている国体も延期。日本アマの予選も、未だ開催されるか未定だ。楽しみにしていたので、非常に残念だが、仕方がない。

なんで、試合が好きかって?

試合会場は名門が多いし、セッティングも素晴らしい。そこで回れる喜びもあるけど、それが一番ではない。一番は、いろんなところに行けること。ボクの場合、仕事も実家の練習場だし、普段あまり県外に出ることがない。だから、試合で遠征し、それぞれの場所で美味しいものを食べる。これが単純に、楽しいんだよね。

よっぽど殻に閉じ込もった人でない限り、友人も増えるしね。共通の趣味を持った知り合いが全国に増えるメリットは大きいよ。プライベートで旅行するときも美味しい店を教えてもらえるし(笑)。

もちろん、試合に出ることは、レベルアップの一助にもなるはず。自分よりうまい人から、ヒントを得ることも多々あるので、練習内容も変わってくるだろうし。

とにかく、興味があるなら、一度出てみて損はないと思う。ただ、一言申し上げたいのが、決して勘違いしないこと。ちょっと上位に入ったとしても、おごらず、威張らず。謙虚な気持ちを持ち続けてほしい(自戒の念も込めて……)。

知り合いいわく、「競技ゴルファーは威圧感がある」らしい。確かに、試合会場に行くと、独特のオーラを醸し出している人が少なくない。見るからにピリピリしているというか……。

僕が試合に出る一番の目的は、日常の充実。遠征に行けばおいしいごはんを楽しめるし、全国各地にゴルフ仲間もできる。人それぞれ、楽しみ方は違っていい

もっともボクは、インパクト直前で携帯音が鳴っても、目の前を人が横切っても(そんなことは絶対ないけど)、平気なタイプ。うちのショートコースは常連さんたちと大勢でワイワイ回るのが恒例だからね。そういうのは慣れっこ。まぁ、それがいいか悪いかは別だけど……。ピリピリするのはよくない。真剣なのはいいけど、プライベートでも、それが出ちゃうのは避けたい。さもなければ、次第に煙たがられ、コンペに誘われなくなる。それは悲しいよね。なので、競技ゴルファーには独特の雰囲気があり、それがアベレージゴルファーから嫌われがちだということを、ぜひ心に留めておいてほしい。

ボク的には試合だろうが、プライベートだろうが、とにかく楽しむこと。結局、それに尽きると思うんだよね。そんなにゆるくていいの? と思うかもしれないけど、心配ご無用。だって試合の楽しみは、スコアだけだと思ってないからね。こんな状況なので、今年のデビューは難しいかもしれないけど、コロナが落ち着いた暁には、ぜひ試合にもチャレンジしてみて。そのときは、楽しむが勝ちだよ!


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2020年9月15日号より