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【ゴルフせんとや生まれけむ】 保科有里<後編>「歌とゴルフでつながる縁」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続き通販CMで人気の歌手の保科有里氏

前回のお話はこちら

お仕事をご一緒させていただいている歌手の方たちの中にも、おりも政夫さんや「狩人」の高道さん、桑江知子さん、「ヒデとロザンナ」のロザンナさんなどゴルフ好きが多いんですよ。なかでも、おりもさんと高道さんはとっても上手。おりもさんと一緒に回った時はいろいろとアドバイスをしてくれて、私がドライバーを打つ時には動画を撮ってくれたんですよ。

でも、あの伝説の元祖アイドルスター、フォーリーブスのおりもさんが私のためにわざわざ撮影してくれていると思ったら緊張してミスショットしてしまって。「ああ~あ」と声を出したら、おりもさんに「有里、今の『ああ~あ』は何なんだ? でも、声だけは良かったぞ」と褒められちゃった(笑)。おりもさんと一緒にプレーしているというだけでもゴルフを始めたかいがあったなと思いましたね。


夢グループの石田(重廣)社長はやらないですねえ。昔、ゴルフにハマっていた時期もあって、一時は社内コンペを定期的に開催していたこともあったらしいんですけど、実はここだけの話、社長はかなりの負けず嫌いで、うまくいかないと熱くなってダメになっちゃうみたい。それで「ゴルフは向かない」って自覚しちゃったのかもしれないですね。だから、ここ数年はゴルフのゴの字も出なくなっちゃった。社長がやれば私ももっとやるようになるんでしょうけどね。残念ですけど、社長はもう一生クラブは握らないと思いますよ。

最近、ゴルフって人とのいい出会いや関係を作ってくれるなあとつくづく感じています。2011年の東日本大震災でご両親とお子さん2人を亡くした女性が宮城県の石巻にいらっしゃいます。彼女は今スナックをやっているんですけど、彼女が「保科有里ゴルフコンペ」を企画してくれて去年の6月には20数人で開催したんですよ。

彼女は以前、仙台で開いた私のコンサートに来てくれ「さくらの花よ 泣きなさい」という歌を聴いて、感動してくれたそうなんです。亡き人を想う歌ということもあって、彼女の琴線に触れたのかもしれません。その後、彼女とフェイスブックでつながり、仕事で東北に行くたびに彼女の家に泊まるというくらい仲良しになっちゃった。彼女はご家族をいっぺんに亡くすという、つらい目に遭ったのに、それでもいつも笑顔を絶やさない明るい女性なんですよ。彼女のことを石田社長も気に入って東北でのコンサートの時にはスタッフとして手伝ってもらってもいます。

コンペには彼女のお店の常連さんたちがたくさん参加してくれて、コンペの後はお店でカラオケ大会。参加者の皆さんは全員、震災で何かしらのつらさと向き合っているんですけど、明るくって楽しい会で、皆さん私の歌を聞いて喜んでくれる。歌手ですから、歌で賞をもらったり、紅白のような番組に出たりするのも、もちろんすごいことですが、人のそばに寄り添って、たった一人でもその人の元気や勇気の助けになったら……。歌手として、これほどうれしいことはありません。今後も歌やゴルフでたくさんの人とつながりたいですね。

保科有里

ほしな・ゆり。歌手。金沢市生まれ。93年「神無月に抱かれて」でデビュー。08年「さくらの花よ 泣きなさい」で第1回作曲家協会音楽祭奨励賞を受賞。「夢グループ」の石田重廣社長との通販CMでの軽妙なやりとりで一気に人気者に

週刊ゴルフダイジェスト2024年4月2日号より