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【ゴルフせんとや生まれけむ】寺田千恵<前編>「レースの次の日も4時起きでコースへ」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、 ボートレーサーの寺田千恵氏。

女子ボートレーサーの間でも、最近はゴルフを趣味にする人が増えてきました。「120を切れるようになったら一緒に回ってください」と言ってくる子もいますよ。私が所属する岡山支部で、私の弟子の安井瑞紀ちゃんも「やってみたい」と、2年半前くらいに始めました。一度もやったことがないと言うので、まずは打ちっ放しに連れて行きました。すると、私のように、いかにも“女性のスウィング”という感じじゃなくて、まるで女子プロみたい。力強くて格好いいスウィングで、最初からいい球を打ったんですよ。あっという間にうまくなって今じゃ70台をバンバン出してます。こういう人もいるんですねえ(笑)。もし、彼女が小さい頃からゴルフをやっていたら、今はボートレーサーではなくてプロゴルファーになっていたんじゃないかと思いますよ。

今、私は年間50ラウンドくらいやっていますかね。若い子たちは「仕事の次の日は体がキツくて動けません」と言いますが、私はレースが終わった次の日のゴルフが楽しみなんです。仕事を頑張って、自宅に着くのが夜の11時になろうが12時になろうが、朝4時には起きてゴルフ場へ。さすがに上がり3ホールはつらいですけどね(笑)。

回るのは地元の岡山のコースが中心ですが、ほかにもいろいろと行きます。この間「ボートレース桐生」に出場した時は、引退された先輩の久保田美紀さん、宮本紀美さんと群馬で回りましたし、夏には北海道のザ・ノースカントリーGCでプレーしました。ここは皆さんよくご存じのようにセガサミーカップが開催されるトーナメントコース。私がプレーしたのは大会終了3日後だったので、コンディションも素晴らしくて気持ち良かったです。ラフに入るとなかなか出せず、恐ろしく難しかったけれど、それでも面白くてもう一度挑戦したいと思わせてくれるコースでしたね。

そもそも私がゴルフを始めたのは、まだ独身で福岡支部にいた23歳くらいの頃。車の営業マンに勧められ、見よう見まねでクラブを握るようになりました。その頃はそんなに熱心ではなく、せいぜい年に数ラウンド程度。その後、主人(同じボートレーサーの立間充宏さん)と結婚してからラウンド数が増えました。彼は結婚前からずっとゴルフをしていたんですが、腰の調子があまり良くなくて「ゴルフができない」とブーブー言っていたんです。それが結婚して5、6年経った頃、なぜか腰の調子が良くなり「それじゃあ、一緒にゴルフしよう」と二人で行くように。芝生の上を歩いたのが良かったのか、ゴルフに行きたいから「腰が痛い」と言わなかったのか、不思議なことに腰の調子が良くなって。主人とのツーサムだったり、主人のお友達が一緒だったりと、ちょくちょくプレーしているうちに私がゴルフにどんどんハマっていきました。

もちろんスコアが良ければ、それに越したことはありませんが、それ以上にゴルフの雰囲気が好きなんです。きれいな芝生の上をてくてく歩いて、お昼にお酒まで飲んじゃって。こんなに優雅で楽しいスポーツはほかにありませんよね。

>>後編につづく

寺田千恵 ゴルフ

寺田千恵

てらだ・ちえ。ボートレーサー。愛称は「テラッチ」。1969年生まれ。福岡県出身。89年のデビュー以来、女子で史上初めてSGレースの優勝戦に出場するなど女子レーサーの第一人者として活躍。2020年には通算2000勝を達成。ベストスコア79

週刊ゴルフダイジェスト2023年12月5日号より