PGAツアー側のミスもガルシアへの裁定は覆らず「このツアーから早くおさらばしたい」
審判の裁定は絶対とはいえ、これはちょっと違うような……。先の「ウェルズファーゴ選手権」初日、10番ホールでセルヒオ・ガルシアが起こした事件のことである。
事件とは、ガルシアが「このツアーから早くおさらばしたい。ここから出るのをもう待てない。数週間後には、もう君たちとやり合う必要がなくなるんだ」という“ぼやき”がマイクに拾われたこと。英国メディアはこれを、「LIVゴルフ招待シリーズへの参戦を検討」と報じ、一躍注目を浴びることとなった。
ことの発端は、ウェルズファーゴ選手権初日の10番パー5で、PGAツアーのルール委員が誤った裁定を下し、それに怒ったガルシアが口走ったこと。ルール裁定の誤りは、ツアー側も認めている。PGAツアーが公表した裁定の説明によれば、赤杭のペナルティーエリアに打ち込んだガルシアが現場近くに来た瞬間、ルール委員が時間計測を始めたのだが、ボールはクリークを挟んで反対側にあるというTVクルーの指摘があり、実際にボールを捜し始めたのはその後。少なくともその時点で計測を中断させる必要があったが、ガルシアがボールを見つけたときには3分を超え、結果、罰打が科せられた。
ガルシアが怒るのも無理はない。この説明があったにもかかわらず「ルールに従ってガルシアのスコアが変わることはない」という声明が発表されたのだ。
初日こそ「67」でラウンドしたガルシアだったが、2日目以降は振るわず、結局21位タイ。裁定が覆ることがないのは致し方ないが、謝罪することなく、あくまで“エラー”ということで押し切っていることには違和感がある。にもかかわらず、「LIVゴルフ」発言の問題ばかりが取りざたされるのは、さすがにちょっとかわいそう?
週刊ゴルフダイジェスト2022年5月31日号より
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